ハロー効果とは、ある特徴によってそれ以外の部分の評価も決めてしまうことをいいます。認知バイアスの1つになります。ハロー効果には、ポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果の2つがあり、ポジティブ・ハロー効果を適切に使うことで、面接においてとても良い印象を持ってもらうことができます。
■ハロー効果とは?ハロー効果には2種類ある!
ハロー効果とは心理学用語であり、認知バイアスと呼ばれるものの1つになります。対象の特徴にひっぱられ、その他についてもバイアスをもち判断してしまうことを言います。例えば、人を外見の特徴で判断し、性格や行動を決めてしまうこともハロー効果の一つになります。このハロー効果には2種類あり、バイアスによって良い評価・印象になることを「ポジティブ・ハロー効果」、悪い評価・印象になることを「ネガティブ・ハロー効果」と呼びます。
■ポジティブ・ハロー効果の具体例
なんとなくの意味は分かっていただけたかと思いますが、より具体的な例をご紹介します。
<例①>学歴とビジネスレベル
ある人の学歴が東京大学や京都大学などの高学歴であったとき、本来なら学歴とビジネスパーソンとして優れているのかというのは関係ないことですが、高学歴のその人を優秀なビジネスパーソンであると評価することがあります。「高学歴→勉強できる→地頭が良い→仕事できる」という判断になります。高学歴の人と低学歴の人が同じ内容を話した時も、高学歴の人の方が何かスゴイ・ちゃんとしている・説得力があるなどの評価になりやすいです。
<例②>英語力とビジネスレベル
電車に乗っているときに、英語で書かれた新聞を読んでる人を見て、「かっこいいな。仕事できるんだろうな。」と思ったことがあるのではないでしょうか。本来であれば、英語ができる=ビジネスパーソンとして優れているということではない(相関関係がない)はずですが、英語ができるという特徴にひっぱられ、優秀であると感じられます。
<例③>CMで起用した女優により売上UP
CMで有名な女優さんが宣伝しているものを、その女優さんの印象によって、使ったことも使用者の感想を聞いたこともないのに、「すごく良い商品なんだ」と思うことがあります。
<例④>有名人と人脈
初対面の人と話した際に、有名人に知り合いがいると聞いたことで、「この人は人脈が広い人なんだ」と感じることがあります。本来は有名人の知り合いと人脈は関係ないことですが、有名人と知り合いになれる機会は少なく、そんな中で知り合いにいるということで、いろんな人と知り合いになっていると思い込みます。
■ポジティブ・ハロー効果を使って好印象を与える
ポジティブ・ハロー効果を使い、面接官に好印象を与えるテクニックをご紹介します。
<テクニック①:成果をアピール>
特に営業職の場合、自分が出した成果が数字に表しやすいため、目標を達成していたり、特別な成果を出している場合は全面にアピールしましょう。目標を達成していることにより、「社会人としてしっかりとしている」「地頭良く優秀な人材」であると、好印象を持たれやすくなります。
<テクニック②:身だしなみを整える>
第1印象において身だしなみはとても大切です。スーツやシャツがビシッとしており、靴やカバンがキレイであるだけで、「仕事が出来そう」「清潔がある」「整理整頓ができそう」「頭が良さそう」などといった評価をもらいやすくなります。
<テクニック③:あいさつは元気に>
面接において挨拶する場面は、入室時・着席時・面接終了時・退室時の4つありますが、元気に明るくハキハキと挨拶することはとても重要です。元気に挨拶するだけで、「自信にあふれている」「なんとなく仕事できそう」「社会人としてのマナーがしっかりしている」「いろんな人とコミュニケーションとれそう」とポジティブな評価になります。
<テクニック④:前職のイメージを利用する>
転職面接において、前職の話をする機会が多いため、ポジティブ・ハロー効果につなげることができれば、合格率を高めることができます。例えば、警察官や自衛隊の経験がある場合、「しっかりしている。責任感が強い。」と判断されたり、外資系出身の場合、「コミット力が高く、達成してくれそう」と思われやすいです。
<テクニック⑤:部活動の経験をアピール>
転職活動において、高校や大学での部活動の経験をアピールすることは少ないですが、適切に伝えることで好印象を与えることができます。体育会系の部活の場合は、忍耐力があり、達成意欲や最後まで諦めないコミット力があると思われがちですので、特に営業職の面接では効果的です。履歴書や職務経歴書にも記載した方が良いです。体育会系以外にも吹奏楽部などの団体で行う部活の場合は、協調性をアピールすることができます。
■ネガティブ・ハロー効果に注意
ネガティブ・ハロー効果につながることも少なくなく、できる限り起きないようにしなければなりません。面接で起きる代表的なネガティブ・ハロー効果の例をご紹介します。
<注意点①:目線をそらす>
目線をそらしたり、キョロキョロといろんな方向を見たり、下を向き続けてしまうと、「嘘をついているのではないか」と判断されやすくなります。
<注意点②:学歴が低い>
学歴が低いということは、地頭が悪いor勉強をしてこなかったと考えられるため、「仕事ができない」「さぼり癖がある」「自分にあまい」と評価されやすくなります。
<注意点③:太っている>
太っている=自己管理ができない人と判断されます。「仕事ができなそう」「達成意欲低そう」「嫌なことがあったらすぐ辞めそう」と、ネガティブな印象を持たれる可能性があります。
他にも、ポジティブ・ハロー効果で紹介したものと逆のパターンもあるため、注意が必要です。
・成果が低く、仕事ができなそう。
・身だしなみが悪く、頭悪そう
・挨拶の声が小さく、自信なさそう。コミュニケーション力が低そう。 など
■まとめ
ネガティブ・ハロー効果を極力少なくし、ポジティブ・ハロー効果を適切に使うことで、好印象を与えることができます。好印象をもってもらうためには、相手がどのような人を採用したいと思っているのかが重要になります。コツコツ真面目に取り組める落ち着いた人を採用したい会社に対して、体育会系であることをアピールし続けてもプラスの評価にはなりません。まずは、どのような人を求めているのかを把握し、それに基づいて好印象を持ってもらえるようなイメージや内容をアピールし、ポジティブ・ハロー効果を引き出しましょう。