転職活動をしているとき、誰でも一度は困ったことがあるものといえば、「企業は職務経歴書のどんなポイントを重視して見ているのか」ということではないでしょうか。選考の第一関門である書類選考を通過しなければ、面接に進むことさえできなくなってしまいます。

そんなお悩みを抱えた人のために、今回から◯◯版という形で職種ごとの職務経歴書でどこを見られているのかというポイントをご紹介していきます。第1回目の今回は営業職。実績などが重視されるというのはわかっても、その他どんな点に気をつければいいのか詳しく解説していきます。

ぜひ参考にして、あなたの魅力が伝わる職務経歴書を作ってみてください。

 

■営業職の職務経歴書で見られるポイント7つ

まずは、営業職の職務経歴書で企業側が見るポイントを7つご紹介します。

 

1.職歴要約

これは営業職だけに限りませんが、職務経歴書の一番上に職歴要約を加えておきましょう。下記に詳細な経歴は書くのですが、ぱっと見て「この人には期待できそうだ」と思えるような経験とアピールを書いておくことによって、「その先を読み進めたい」と相手に思わせる必要があります。

人事や採用担当者は数多くの書類に目を通すため、どれも同じように見えてしまうはず。しかし、その中で職種のハイライトがわかりやすく書いてある職務経歴書があれば、選考も通過しやすくなるはずです。ぜひ自分の魅力を端的にアピールできる職歴要約を書いていきましょう。

職歴要約で営業職としてアピールしたいポイントは、下記2~6まで。1つずつの項目の中でも、とっておきのエピソードを厳選して書くのがおすすめです。では、職務経歴書のアピール力を上げるポイントを解説していきます。

 

2.実績・表彰

まずは、どんな実績を積み上げてきた人なのかを語りましょう。特に志望先企業が今回募集している仕事と、似通った営業対象や商材であればなおさらGOODです。似ている実績であればあるほど、即戦力としてみなされます。営業職は実績が上げられることがまず第一条件として見られますので、その点は絶対に意識して書きましょう。

また、MVPや全社でのナレッジ関連の表彰なども、他項目を書いた上で字数に余裕があれば書いておくのもおすすめです。

 

3.営業対象・営業手法

営業は営業対象が法人or個人・新規or既存・エリア・業種などによっても異なりますし、商材・単価・営業手法などによっても大きく仕事の仕方が変わってきます。あなたがどんな営業対象にどのような営業をしてきたのか、商材はどのような種類のものだったか、単価はいくらくらいのものだったのか、営業手法は電話・メール・飛び込み・DMなどの反響営業などさまざまな軸で説明する必要があります。

あなたの経験をわかりやすく伝えるためにも営業対象や営業手法などについては、端的に説明しておくようにしましょう。いくつか経験があるなら、今回の募集と一番似ているものを選んでください。

 

4.成果を上げるための営業戦略構築力

上記のような営業対象・営業手法で成果を上げるために、営業戦略上、どのような工夫をしたでしょうか?皆がやっていた方法ではなく、自分で独自に作ったルールややり方をアピールするようにしましょう。

例えば、汎用企画書にこんな説明を付けて持っていった、営業トークで◯◯と伝えたなど、小さな工夫でも大丈夫です。それをやった結果、他の人が◯/◯のアポ取得率だったのに対してあなたがどのくらいの割合でアポを取得したということで工夫した価値を表現してください。成約率も出せるようであれば、ぜひ入れておきましょう。

いずれにしても試した方法で出た結果を入れ込んでおくと、戦略を自分で考えて実行して成果を収められる人と認識してもらえます。

 

5.クライアント折衝能力

クライアントのクレームから大逆転で大きな受注をした、失敗をこんな風にリカバリーした、競合のクライアントに対して交渉し、難易度の高い商談を成功させたなどの経験があると、折衝能力が高いと思ってもらえます。

どのくらい難易度が高いものなのかをわかりやすく伝え、それほどの難易度を折衝能力でクリアできる優秀な人材と思ってもらえるよう、記述しておきましょう。

 

6.マネジメント経験

マネジメント経験があるなら、ぜひ書いておきましょう。マネージャーでなくても、主任・チーフ、成果を収めたプロジェクトであればプロジェクトリーダーなどでもOKです。どのように周囲を巻き込むための努力をしたか、市況をどう読み、どんな風に戦略を描いたか、活動が滞らないためにどのような施策を打ったかなど、うまく進行する上でどのような工夫をしたのかを書いていきましょう。

職歴要約のところには書ききれませんので、マネジメント経験があることとその経験で上げた成果について一言で説明するくらいでOKです。

 

7.転職理由(タイミング・理由)

職歴要約に書く必要はありませんが、志望動機や転職理由などの項目で記述しておきましょう。営業職として成果を上げていたのであれば、「なぜその会社で昇格を目指さないのか?」企業側にとってみれば、こういった疑問が上がってくるはずです。

なぜこのタイミングなのか、辞める以外の道はなかったのかなどの質問に答えられるよう準備をしておきましょう。一番無難なのは、将来設計上今転職しておく必要があったというもの。例えば「将来◯◯をやりたいと考えているが、そのビジョンを考えたときに◯◯を◯◯までに身につけておかなければならないため、◯◯分野に力を入れている御社で勤務したいと考えました」などの流れで転職理由を書くといいでしょう。

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■営業職の職務経歴書の書き方で気をつけるポイント

では次に営業職の職務経歴書の書き方で気をつけるポイントをご紹介します。

 

・数字と比較で実績をわかりやすく提示

営業職の職務経歴書では、特に実績部分がわかりやすく伝わるかどうかが重要です。そのため、達成率や実績の数字をしっかり入れて表現すること、そして自分だけの実績ではなく、他者との比較をして他者よりもどのくらい優れていたのかを明示することが重要です。

過去の数字や表彰の実績などを忘れてしまっているケースも多いため、自分がどのような仕事をいつ行ったのか、細かく棚卸しして振り返っておきましょう。

 

・一般的な営業と何が違うのかエピソードを交える

職務経歴書の内容としては、「一般的な営業パーソンと自分では、このような点が違うから貴社は私を雇った方がいい」と伝わるかどうかが重要です。他の候補者よりも優れているポイントがわかりやすく伝われば、企業側もあなたを雇うメリットを感じてくれるはずです。

そのためには、具体的なエピソードを交えて伝えることが重要です。ある程度決まっている営業対象から、どのような優先順位でアプローチの順番を変えたのか、どのようなトークで興味を引き、キーマンにはどうやって会ったのか、商談ではどのような点に留意したのかなど、成約に至るまでの過程を書くことであなたの工夫を相手に理解してもらえます。

よりわかりやすく伝えるためにも、必ずエピソードを交えて伝えることをおすすめします。

 

・数字以外の関係性構築などもアピールに加える

数字などの実績も大切ですが、その成果を出す前の段階で関係性が構築されていなければ、話を聞いてもらうこともできません。そのため、どのように関係性を構築していったのかを書いておきましょう。

相手の興味をどうやって知ったのか、コンタクトを取る手段は何にしていたか、情報提供はどれくらいの頻度で行っていたか、情報提供以外に行っていたアプローチはあるかなど、信頼関係構築のために行ったことを詳しく書いておいてください。ここにこそどの営業にも活かせる関係性構築の種が詰まっています。

 

・自分発信の新たな取り組みなどがあれば加える

通常の戦略や仕事以外にあなたが新たに取り組んだことがあれば、加えていきましょう。例えば、うまくいった営業手法の勉強会を行う、関係性構築の方法をまとめた汎用資料を展開した、他チームとの情報共有を行って営業情報を共有し、良いものは真似をするようにしたなど、さまざまな取り組みが考えられます。

実際した方が良いことであっても、日々に追われてなかなかできないことも多いもの。しかし、それをわかった上で率先してやってくれる人材は、どの企業にとってもありがたい存在のはずです。

この取り組みについて話す場合は、なぜこれを始めようと思ったのか、やっている最中の苦労、苦労を乗り越えるために行ったこと、結果的にどのようなメリットや成果が生まれたのかなどを詳しく書きましょう。そうすれば、あなたが0から仕事を生み出せる人であることが伝わります。

仕事を0から生み出せる人は、目的を与えるだけでどんどん自分から改善をしていってくれるため、企業にとっては大変重宝する人材といえます。営業力があるだけでなく、自走できることも伝えておくと、プラス評価をもらえる可能性を高められるでしょう。

 

■まとめ

営業職の人が職務経歴書を書く場合に迷いがちな、「職務経歴書のどこを見られているのか」というポイント。企業に見られるポイントと詳しい書き方を解説しました。参考にして書いていくことで、あまりアピールできていなかった箇所が大きく刷新され、魅力的な職務経歴書に変わったはずです。

ご紹介した企業側の視点を忘れずに、ぜひ自分ならではの魅力をアピールできる職務経歴書を完成させ、見事合格を勝ち取りましょう。