新卒面接のときに噂を聞いたことがある人も多い圧迫面接。新卒以上に情報が少ない中途の面接では「いつ圧迫面接に当たるか不安…」と感じる人もいるのではないでしょうか。そんな圧迫面接に当たった場合、どのように対応すればいいのか、事前にしておける準備などをまとめてご紹介します。
安心して面接を受けられるようにするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
■圧迫面接の特徴とは?
まずはどのような面接が圧迫面接になるのか、特徴をご紹介しましょう。下記3つのいずれかに当てはまれば、圧迫面接である可能性が高いといえます。
・プレッシャーをかけて萎縮させる
まずは圧迫という名前がついていることからも想像できるように、相手を萎縮させるようなプレッシャーをかけてくるという特徴があります。表情や声色など通常の面接とはまったく異なるものが多いため、気がつく人も多いでしょう。
・批判、否定的な発言が多い
圧迫面接は、批判的・否定的な発言が多いという特徴もあります。「そんなことをしても、会社ではなんの役にも立たない」「意味がないことをしてきたんだね」などやってきたこと、あるいは主張したことに対して否定的・批判的な言葉ですべて返してくるときは圧迫面接だと思って間違いないでしょう。
・無関心な態度を取る
「ふーん」「あっそう」もしくは無言など、自己PRや志望動機を伝えてものれんに腕押しのような形でまったく反応がない場合も圧迫面接だといえます。面接を受けている立場からすると、かなり不安に感じるでしょう。
圧迫面接は、そもそも何のためにやるかというと、候補者のストレス耐性や対応力を見るためといわれています。仕事をしていると、クライアントの前でプレッシャーのかかるシーンを迎えることもあるでしょう。そのときに冷静に対処できるかどうかで仕事がうまく進むかどうかが決まることもあります。特に矢面に立たなければならない管理職、金融関係など巨額のお金を動かす仕事、もしくはフロントに立つことが多い営業職などの場合は、プレッシャーのかかるシーンでもうまく立ち回れることが重要です。
こういった仕事に適性があるかどうかを見抜くためにわざと圧迫面接を行っているのです。候補者があまり面接に慣れていない、あるいは準備不足の場合は、普通に質問を深堀りしただけで圧迫面接と感じることもあるかもしれません。企業によって、あるいは候補者自身の説明によっては何度も同じ質問をされることもあるため、複数回同じ質問をされたからといって圧迫面接とは限らないことを覚えておきましょう。
■圧迫面接の対応策
では実際に圧迫面接をされた場合、どのように対応すればいいのかをご紹介します。
・圧迫面接でよくある発言に対する切り返しを考えておく
圧迫面接では、「うちの会社に君は向いていない」「これまでの経歴は役に立たない」「業界企業研究、本当にしてきたの?」などの発言をされる場合があります。そういう発言をされたときに一体どのように返すかを考えておきましょう。
例えば、「うちの会社に君は向いていない」と言われた場合で考えます。「ありがとうございます。確かに以前までの私は◯◯という欠点があり、御社の◯◯事業で◯◯をするには、力不足だったかと思います。しかし今は◯◯を経験し、◯◯を成功させたことで自信を持ち、クライアントにご提案できるようになりました。今の状態であれば、御社の◯◯事業で◯◯の重要性を訴え、クライアントと契約を結べると感じております。」
上記のような切り返しをいくつか用意しておけば、自己PRや志望動機などと重複しない受け答えを冷静にできるのでおすすめです。
・正直に顔に出さない
先程ご紹介したような批判的・否定的な言葉をかけられたとき、腹が立ったり、悲しくなったりするのは自然です。しかし、それをそのままクライアント先で出してしまっては取引になりません。感情を出さずに冷静に相手の言葉を受け止め、「ご意見ありがとうございます」という気持ちで次の言葉を伝えるようにしましょう。
面接ではなく対クライアントの場合は、苦言を呈してくださっていることもあるわけです。それに対して感情が顔に出てしまっては、言葉を受け止められていないということでクレームや担当変更になる可能性もあります。
・パニックにならない
顔に出さないのと同じように重要なのが、パニックにならないということです。あまり人から否定されたことがない人は、言われた言葉に対して拒絶反応が出たり、頭が真っ白になったりしてしまう人もいるでしょう。
しかし、実際のビジネスシーンでいえば、パニックになる=その場から逃げ出してしまったことと一緒です。その場をどう収めるかということを考えると、パニックになっている場合ではありません。圧迫面接もクライアントからご意見をいただいているときだと考えて、逃避せず、対応することを意識しましょう。
・真っ向から否定せず、でも主張は行う
圧迫面接を受けると、否定に対して否定で返したくなる感情になる方もいらっしゃるでしょう。しかし、圧迫面接では冷静に対処できるかどうかが重要です。否定に否定で返すのは、怒りの感情が出てしまっていることと同じ。
そのため、相手に批判・否定されても、その言葉を受け止めて「確かにご指摘の通りの部分があります。」と一部認めたあとで、「しかし、~」という受け止めてから主張をするという流れで展開できるといいでしょう。
そうすれば感情が走ってしまうこともなく、ヒートアップすることもありませんから、落ち着いて話ができます。圧迫面接では落ち着いて聞かれたことに対して答えていくこと、相手の言葉に心を乱されないことが重要です。
■圧迫面接=ブラック企業ではない
よくある勘違いが圧迫面接=ブラック企業という勘違いです。圧迫面接は意地悪で行っているのではなく、仕事の適性があるかどうかを見るためのもの。ブラック企業だからではありません。
もちろんブラック企業は長時間労働に耐えられるストレス耐性や、否定的な言葉をかけられてもへこたれないなどの要素が必要なため圧迫面接を行うこともありますが、圧迫面接とブラック企業をイコールで結び付けない方が、思い込みを減らせていいでしょう。
また、ブラックの企業ではなく、純粋にストレス耐性が高い人を集めたいという企業の場合もありますので注意してください。
圧迫面接をすべてブラック企業だと思わないためにも、面接前には改めて多種多様な方法で情報を集めておいてください。ネットの情報は話半分に考えるようにしましょう。そして、圧迫面接をされた場合の準備をし、当日面接中に「失敗した」と思えても落ち込まないでやりきりましょう。面接がうまく行かなくても命を取られることもありません。自分に合う企業を見つけるための練習台と捉えて、面接を楽しんでみてください。
■まとめ
受けている面接が圧迫面接だった場合、準備が不足していると頭が真っ白になって本来はうまく答えられるはずの答えにも苦労してしまう可能性があります。そうならないための方法をまとめてご紹介しました。圧迫面接を受ける可能性は中途の面接でもあります。
事前にわかっている圧迫面接の発言に対する準備を行い、受け答えが準備できたら、模擬面接の形式でチャレンジしてみると、本番さながらの雰囲気で練習ができるはずです。ぜひ試しに圧迫の模擬面接を行い、相手の反応を体感してみてください。