転職を成功させるには自己分析が必要不可欠になります。転職活動において、より自分を理解することが成功への近道になります。より充実した社会人生活を送るために必要な自己分析の5ステップについて説明します。
■そもそも自己分析とは?
転職活動において自己分析という言葉をよく聞くと思いますが、そもそも自己分析とは何なのでしょうか。一言で自己分析を説明すると、「自分の価値観を分析すること、自分の強みを把握すること」です。転職において最も重要なことは、自分が求めている会社を見つけ、入社することです。自分が求めている会社とはどういう会社なのでしょうか。それをしっかりと自己認識することが自己分析を行う主な理由になります。一言で価値観と言っても、業務内容・会社規模・経営理念・人間関係・年収・残業・休日・勤務地・福利厚生など、いろいろな条件があります。自分はどういう条件を重要視しており、どういう優先順位で叶えたいと考えているのか、それらを認識することで現在最も自分が求めている企業がどういったところなのかを知ることができます。また、求めている企業に入社するためには自分の強みを理解し、適切にアピールする必要があります。
■転職を成功させる自己分析の5ステップ
転職を成功させる自己分析の秘訣はしっかりと考え抜くことです。中途半端に考えるだけでは、中途半端な自己理解となり、満足いく転職にすることは難しいです。「過去の自分」「現在の自分」「未来の自分」について考え、受け入れることがとても重要になります。それでは自己分析の5ステップを紹介します。
ステップ①現在の自分を見つめる
まずは現在の自分を見つめるところから始めます。転職したいと思っている理由やどういう企業に転職したいのかを把握します。大事なことは自分の素直な気持ちを受け入れることです。どんな気持ちであろうとも正解や不正解はありません。
・今の会社や仕事の改善したい点はどこにあるのか
・もっとこうしたいと思っている点はどこなのか
・どんな条件の企業を求めているのか
などを自問自答すると良いでしょう。頭に浮かんだことをすべて書き出してみることをオススメします。うまくまとめようとせずに、箇条書きで大丈夫です。
ステップ②過去の自分を振り返る
次に過去の自分を振り返ります。重要なことはできる限り細かく振り返ることです。思い出せる範囲で具体的なエピソードも書き出すと良いでしょう。自分にできることは他の人もできる当たり前のことだと考えがちですが、自分にとって当たり前のことが他の人にとったら当たり前のことではないことも多々あるため、当たり前だと思うこともまずは書き出してみましょう。
・今までどのような業務を経験してきたか
・どんな課題や目標に向かって仕事してきたか
・どんなスキルを身に着けることができたか
・最も印象に残る仕事はなにか
・やる気が出る時と出ない時はそれぞれどのような場合か
などを考えていく中で、経験やスキルの棚卸しを行うとともに、自分が大事にしているものがなんなのか、他者にはない自分の強みがなんなのかを認識しましょう。
ステップ③未来の自分を想像する
現在と過去の自分を思考した後は、未来の自分について考えます。行ったこと・起こったことを書き出した過去の自分と比べて、まだ起きていない未来の話なため、少し難しいかもしれませんが、偏見や固定概念にとらわれずに5年後10年後どういう仕事をしていたいのかを考えます。業務内容はもちろんですが、職場の雰囲気・人間関係・福利厚生などあらゆる条件も考えてみましょう。
ステップ④分析内容を整理する
ここまでとにかく思い出したこと・思ったことをできる限り詳細に・できる限り多く書き出していただいたかと思います。書き出した内容を業務内容・会社規模・経営理念・人間関係・年収・残業・休日・勤務地・福利厚生などの項目別に分けていきましょう。そうすることで各項目における「自分の強み」と「希望」を認識することができます。カテゴライズが終わったら、それぞれの項目を優先順位別に並べ替えましょう。「休日や残業などの働き方より年収が稼げる方が良い・・・」などといったように優先順位を考えていきます。価値観は変化していきますので、今回の優先順位が必ずしも正しいとは限りません。現時点で1番なくてはならない項目はどれなのか、次に重要だと思う項目はどれなのか・・・と順位付けを行ってください。
ステップ⑤整理した内容に当てはまる企業を探す
最後に、現時点の優先順位を元に、当てはまる企業を探していきます。職種や業種により大きく異なりますが、数十社程度になるくらいまで、優先順位の高い項目から絞っていきます。
■自己分析をする上での注意点
自己分析を行う上でいくつか注意しなければいけないことがあります。
①思い込みが強い
自己分析の5ステップで大事なことは素直に受け入れることであるとお伝えしました。自分の強みは○○だ!自分は○○を求めている!自分は○○であるべきだ!と思い込みが強いと、適切な自己分析を行うことができません。良い・悪いというものでもないので、できる限り自分の気持ちに正直になるように努めてください。
②一度だけで終わらせる
私たちは刻一刻と変化する環境の中で、日々多くの人と関わり、多くの経験をもちます。経験や環境が変化することにより、自身の価値観が変化することは少なくありません。転職活動を進めていくと、多くの人は価値観が変わったり、今まで認識していなかった気持ちに気づくことがあります。そのため、自己分析を一度きりで終わらせることは危険です。転職活動を始めたばかりの自分にとっては最高の企業であっても、価値観が変化した自分にとっては最高ではないことは多々あります。転職活動を進めていく中で違和感を抱く場合は、再度自己分析を行うことをオススメします。
③時間を使いすぎる
自己分析はしっかりと自分と向き合い、考え抜くことが重要ですとお伝えしましたが、矛盾しているように感じるかもしれませんが、時間を使いすぎるのは禁物です。価値観が変わることも多いですし、面接などの選考を受けていくことでより自己分析が進むこともありますので、自己分析に時間を使いすぎて選考を受けていないという状況にならないように注意してください。具体的に〇時間やればOKと言えるものではありませんが、ある程度書き出した内容に納得していたり、堂々巡りしておりこれ以上考えるのが困難という状況になれば十分だと思います。
④求める人物像に寄せていく
内定をもらうことがゴールではなく、自分の希望する企業に入社し、満足できる社会人生活を送ることがゴールになります。企業側が求める人物像に寄せてしまうと、本来自分が求めるところとギャップが生まれるため、失敗と感じる転職になる可能性が高まります。無意識のうちに寄せていってしまうことがありますので、本当に自分はそうなのか?と質問することが大切です。
⑤自分だけで行う
客観的に自分を見ることは誰しも難しいことです。もちろん十分にできる人もいますが、自分一人だけで行うより家族や知人など周りにいる人に手伝ってもらうと良いでしょう。思わぬ自身の強みや価値観を認識できるかもしれません。
■まとめ
ここまで転職を成功させる自己分析の方法と注意点について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
自己分析を行い、客観的に自分を把握することは転職だけではなく、今後の人生にも役立つことが多いです。人それぞれに強みもあれば弱みもありますし、人の価値を測る尺度は一つではありません。「自分はどういう価値観をもっているのか」「どういう仕事に向いているのか」「将来どういう風になりたいのか」などを、自己分析を通してしっかり把握することが大切です。
転職を成功に導く5ステップ(①現在の自分を見つめる→②過去の自分を振り返る→③未来の自分を想像する→④分析内容を整理する→整理した内容に当てはまる企業を探す)を意識し、満足できる転職にしてください。