待ち望んでいた内定が出ると喜びが大きく、「しばらくはその喜びに浸っていたい」と思う人も多いでしょう。しかし、喜びモードの次には円満退社をするためにさまざまな準備を行っておくことが重要です。

その1つが引き継ぎです。特に引き継ぎがスムーズにできないと、辞めるまで・辞めてからも退職した企業の人に顔向けできなくなる可能性が高くなります。そこで知っておきたいのが、内定から入社までの引き継ぎ期間がどのくらい必要かということ。事前に知って準備しておくことでスムーズな引き継ぎが叶い、気持ちよく新天地へ羽ばたいていける環境を整えられます。

みんなに送り出してもらえるような丁寧な仕事をし、笑顔で送り出してもらえるよう準備を行ってみてください。

 

■内定から入社までの引き継ぎ期間

 

内定から入社までの引き継ぎ期間は、一般的に1カ月程度。退職意思を伝えるのも1カ月前という企業が多いため、そこから引き継ぎに入ることが多いです。企業によっては人事情報が解禁になる日程が決まっており、日程も企業によって異なりますから、会社の人事情報がいつ解禁になって引き継ぎスタートがいつになるのかは事前に確認しておきましょう。

また、転職先の企業が内定を出して入社まで待ってくれる期間は2~3カ月程度が一般的。3カ月を超えてしまうと四半期をまたいでしまうため、予算組みや人員体制が変わります。そのため、四半期をまたいで入社を待ってもらうことは難しくなるでしょう。これも企業の採用スタンスや企業規模などにもよるため、選考が進んでいく間に限界のラインがどこなのかを確認しておくことが重要です。

企業の優先順位としては入社時期・求める人材像への合致度という順番になっていることが多いため、まずは自分が入社したいと考えている時期に入社が可能なのかどうかは確認しておいてください。そうしないと入社が決まったと思っていても、入社時期がずれたら内定は取消になると通達され、またゼロから転職活動を始めることになりますので注意しましょう。

また、同じ理由で転職先企業側に入社希望日を早く伝えすぎるのも問題です。「確定ではないですが、内定が出てから2カ月程度で入社になると思います」と余裕を持って伝え、退職交渉にかかる日程や引き継ぎも含めて計算して状況を伝えるようにしておきましょう。

 

■引き継ぎは円満退職にとても重要

 

引き継ぎがうまくできるかどうかは、円満退職するための鍵となります。「終わりよければすべてよし」という言葉もあるように、長く働いてきたとしても、最後の印象がその人を表すすべてになることは多いです。

もし引き継ぎが雑に行われたとなれば、周囲の人があなたを見る目は「辞めるときに雑な引き継ぎをして迷惑をかけた人」となります。円満に退職するためにも、ぜひ丁寧な引き継ぎを行いましょう。

そのためには、引き継ぎをスムーズに行うための準備が欠かせません。その方法を次の章でご紹介していきます。

転職の悩み・疑問はプロに相談
自分で求人を探す(無料)
あなたの希望にマッチした営業求人を探すことができます!
エージェントに相談する(無料)
営業職に精通したキャリアコンサルタントがあなたの転職をサポートします!

■引き継ぎを効率的に進めるためにやっておきたいこと

 

円満退職の肝となる引継ぎを効率的に進めるために、やっておきたいことを3つご紹介しておきます。

 

・引き継ぎ相手を想定しておく

まずは、引継ぎ相手を想定しておくことが重要です。人事異動が多い4月や10月の時期だと他部署からの異動も多くなるため、完全に予測しきれない可能性はあります。しかし、それ以外の時期であれば、自分の年次やクライアントの規模などを考えて、引き継ぎ相手が誰になるか、あるいは誰が適任かはある程度予測できるはずです。

引き継ぎ相手を想定しておけばどのような資料が必要になるかなどもわかってくるため、担当企業それぞれの担当が誰になるのかをしっかり予測して準備をしておきましょう。

 

・引き継ぎ資料を事前にまとめておく

引き継ぎをスムーズに進めるために非常に重要になってくるのが、引き継ぎ資料を事前にまとめておくことです。転職活動を始める段階から、コツコツ引き継ぎのための資料をまとめておけば最後の退職前の時期にバタバタせずに済みます。

引き継ぎ資料の作成基準としては「誰が読んでも齟齬なく理解ができる内容になっているか」「クレームや提案内容、企業の担当の変遷などこれまでの経緯がきちんと記されているか」などです。

また自分が名刺交換をした人の情報は入れておき、その人にどのような特徴があるのかなども含めておくと親切でしょう。営業などであれば、これまでの提案履歴や資料、それに対する相手の反応なども含めて書いておくと、今後の営業活動の参考になります。次の担当が仕事をしやすくなるため、まとめておくことをおすすめします。

引き継ぎ資料をまとめ始めると、予想以上に多くの時間がかかることがわかるでしょう。面倒だからと引き継ぎ資料のまとめ作業を後回しにせず、転職活動と並行して地道に行っておくことが後々の自分を助けることになります。

 

・引き継ぎ想定期間を算出しておく

内定をもらってから次の会社に入社するまでの間には、有給消化や引継ぎ等の期間があります。冒頭に申し上げた人事発表の後に引き継ぎがスタートすることになりますので、どのくらいの時間が引き継ぎにかかるかを想定しておくようにしましょう。

例えば、営業ならお客様先に直接伺って挨拶をすることと、事務的な引き継ぎ両方の時間が必要になります。人事異動が多い時期の場合、お客様も人事異動があり、なかなか時間が取れないというケースも想像できます。

訪問して引き継ぎ挨拶をするのは省けませんが、事務的な引き継ぎの時間を短縮することは資料の作り込みで可能です。使うツールの説明や、経緯などについてまとめておき、事務的な引継ぎの前に読み込んでおいてもらうなど、時間を短縮できる方法を考えておきましょう。

人事発表が有給期間を考えると退職の2週間前というケースもよくあります。その場合、有給消化の期間が短くなってしまうこともありますので、最短で引継ぎができるような体制を整えておくことがとても重要です。また、自分が準備するだけでなく、他部署から来る人も挨拶だけは先に伺うようにしてほしいと部署間の調整を図るなどの努力も必要です。

また、退職する際の関係各所への挨拶メールなど、文面を先に考えておくのも意外に重要です。退職直前は実務に追われるケースが非常に多くなるため、誰に挨拶すべきかなどを検討する時間がありません。自分の机の整理や人に渡す書類をまとめておくなど、身の回りの整理も行っておくと引き継ぎ時間にあてられるため、役立ちます。

退職間近にバタバタしないためにも、転職活動を始めたら普段の仕事の中で整理やまとめを心がけて取り組むようにすると、追加で引き継ぎ資料を作成する時間を設ける必要がなくなるでしょう。

 

■まとめ

 

内定から入社までの期間を想定し引継ぎ期間を予測しておけば、スムーズな引継ぎを行い円満退職をすることができるようになります。そのために必要な準備や心構えについてご紹介しました。

せっかくお世話になった会社に迷惑をかけて退職することないよう、そして転職先での仕事を気持ちよく始めることができるよう、ぜひ参考にして引継ぎ準備を行ってみてください。