あなたは、日本での年間退職者数がどれくらいなのかご存知でしょうか?
厚生労働省の雇用動向調査結果(H29年)によると2017年の退職者数(離職者)は734万人となっており、2016年から2017年にかけて8万人も退職者(離職者)は増加しています。昔に比べて転職も一般化してきており、何度か転職をしたことがある人も増えてきていますが、上司に退職を伝えると言うのは何度やってもなれないものですよね。
また、この記事を読んでいる人の中には初めての退職で「上司にどのように伝えたら良いのか分からない」という方もいるかもしれません。ということで、上司に退職を伝える際に抑えるべきポイントについて紹介いたします。
参照:雇用動向調査結果(H29年)
■上司に退職を伝えるタイミング
まず、1番始めに気になるのが上司に退職を伝えるタイミングだと思います。一般的には退職2週間前までに申し出れば問題ないとされていますが、引き継ぎなど社内での準備のことなども考えると1〜3ヶ月前に申し出るのが望ましいでしょう。
また、会社によっては繁忙期に人が抜けると業務が回らなくなってしまったり、下手をすると損害が出てしまうケースもありますので、退職を伝えるのは繁忙期以外にするのがベターです。
■伝える場所は個室
次に、退職を伝える際は他の人に内容が漏れないように個室などで伝えるのがマナーです。退職をするということが多くの人に伝わると「あの人は退職する予定の人だ」というレッテルが貼られてしまい、仕事がやりづらくなりますし、上司も他の人へ伝えるタイミングに関しては別途考えたいはずです。また、個室で伝えるといっても食事の席や飲み会の席ではなく、会社の会議室などが良いでしょう。
なかなか上司と個室で2人きりになるという状況を作り出すのが難しい場合はメールで「○日の○時より15分ほどお時間頂けませんでしょうか?」と事前にアポをとっておくという方法もあります。
■直属の上司に伝えよう
上司に退職を伝える際は、いつも自分が指示を受けている直属の上司に伝えるようにしましょう。間違っても自分の直属の上司を飛び越して、上司の上司に伝えてはいけません。上司が長期の病欠をしているなど止むを得ない事情の場合は仕方がありませんが、直属の上司を飛び越して上司の上司に退職を伝えると上司の面目はつぶれてしまいます。また、上司に対して不義理になってしまい「常識のない人」と思われてしまうでしょう。もちろん上司に伝える前に同僚などに伝えてしまうのもNGです。
■退職を伝える際にメールや電話はNG
直接上司に退職を伝えるというのは緊張するので、「メールや電話で伝えたい」と思う方もいるかもしれませんが、これも避けた方が良いでしょう。退職の意思は口頭で伝えなければならないという決まりはありませんが、対面の状態で誠意と退職意思を示すということは重要です。
「上司が高圧的で直接伝える自信がない」「体調不良で直接会う機会が作れない」といった場合にはメールや電話で退職を伝えるという方法を選択するのも仕方がありませんが、なるべく対面で直接伝えるようにしましょう。
■伝える内容は事前に用意しておこう
最後に、肝心の退職面談で伝える内容についても整理しておきます。
<退職面談で伝える内容>
1.退職理由
2.退職時期3.引き継ぎや今後に関して
まず、退職を伝えた際に必ず聞かれるのが退職理由です。
退職理由に関しては本音と建前があると思いますが、本音で会社への不平不満をぶちまけるのはやめましょう。「○○という仕事に挑戦したい」「○○の資格を取りたい」といったあくまでも前向きで個人的な理由を伝えるのが円満退社のコツです。
「家族の介護のため」「結婚するため」などやむを得ないような理由を伝えるという方法もありますね。
次に退職の時期に関してですが、「○日までに退職します」という一方的なスケジュールの押し付けは避けた方が良いでしょう。退職のスケジュールに関しては上司と相談しながら決めるというスタンスを取るべきです。しかし、自分の中で退職時期のめどくらいは立てておかないと「退職の意思は固まってないのかな?まだ引き止められるかも。」と上司に思われてしまう可能性もありますので、自分の中では理想の退職スケジュールを考えておきましょう。
最後に、引き継ぎや今後に関してです。自分からわざわざ言い出す必要はありませんが、「今の仕事はどう引き継ぐつもりなの?」「仕事を辞めた後はどうするの?」と聞かれた際に回答ができる準備をしておきましょう。今後のことに関しては「これから転職先を探します」と曖昧にすると言う方法もあります。
■上司に退職を伝える時は個室で直接伝える
まとめますと、上司に退職を伝える時は次のポイントに気をつけると円満に退職が進みやすいと言えます。
<円満に退職するために気をつけるポイント>
・1〜3ヶ月くらい前に伝える
・直属の上司に伝える
・個室で伝える
・伝える内容を事前に用意しておく
退職関連でゴタゴタしてしまうと、次に新しい道に進もうにも、良いスタートダッシュがきれません。自分の都合だけでなく、会社の都合・上司の都合も考えたうえで慎重に進めるようにしましょう。