大事な面接当日。「起きてみたら明らかに体調が悪い。面接で機転を利かせるような真似は難しそうだけれど、どうしたものか…」と悩む人もいらっしゃるはずです。体調管理をしっかりしていたつもりでも、普段とは異なるストレスにさらされる転職活動中は、体調を崩しやすくなるもの。
「大事な面接だから行きたい。けれど体調不良で実力が出せずに不合格になったらどうしよう…」そんな不安を抱えている人のために、面接当日の体調不良にどう対応すべきかをご紹介します。せっかくのご縁を間違った対応で潰さないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
■そもそも体調不良で面接をキャンセルしていいの?
まず、「体調不良で面接をキャンセルしてもいいのか?」という疑問に対してお答えするなら、答えは「YES」です。体調不良のレベルにもよりますが、面接では準備してきたものをすべて出すこと、そして機転が利く健康状態であることも重要です。
発熱していて質問の内容がよく読み取れずに見当違いの回答をしてしまった場合、面接官はその面接での対応で判断するしかありませんから、体調不良のせいだとしても不合格になってしまう可能性もあります。先方から「再度面接を」と言い出してくれることはほとんどないため、自分が面接でしっかり受け答えできるレベルかどうかを冷静に判断しましょう。
ただし、「体調管理も仕事のうち」と捉えられる可能性を忘れてはいけません。「仕事で大事な場面を迎えたときに体調不良になってしまう人なのだ」とマイナス評価になる可能性はありますし、「そういう人はいらない」と判断する面接官もいるかもしれません。
体調不良を理由に日程変更を申し出ても、このような理由で受け付けてくれない可能性もあります。そのため、面接をキャンセルする打診をする段階で、「そのリスクを考慮しても今日は難しい」と思う場合のみ、日程変更を申し出るという判断軸を持っておくといいでしょう。
■面接当日に体調不良になった場合の注意点
では実際に面接当日に体調不良になってしまった場合、どのように対応すればいいのでしょうか。連絡方法やタイミング、伝え方などの注意点をまとめてご紹介します。
◯連絡方法
まず、連絡方法は当日でもあり、ギリギリのタイミングといえますから、電話でなんとか連絡をつけられるように努力しましょう。時間が迫ってきており、先方が会議や別の面接などで電話に出られない場合は、伝言を伝えるのにプラスしてメールでも謝罪の言葉を送っておくのが懸命です。
メールだけで連絡する場合は常識がないと思われますし、次の機会を設けてもらえない可能性が高くなります。誠意を見せるためにも、まずは電話でご連絡をするようにしましょう。
◯連絡タイミング
連絡のタイミングは、今日は無理だと思ったタイミングですぐに連絡しましょう。夕方の予定だったとしても、朝の時点で体調に無理があると感じたのであれば、その時点で電話をするのが大事です。ギリギリまで待ってやっぱり無理でしたとなってしまった場合は、相手の予定を崩すことにもなります。
もしかすると、面接のために誰かを呼び寄せている可能性もありますし、移動してきてこれから面接だというタイミングでキャンセルの連絡が入ったら、移動時間も面接のために用意した時間も無駄になってしまいます。
午前中に連絡をしていれば、面接官も他の予定を組んで一日をスタートすることができますが、ギリギリの場合はそうもいきません。相手の時間や気持ちを自分の面接に割いてもらっていることを想像し、一番悪影響が出ないよう早めに連絡することが大事です。
体調不良で自分も苦しいときですが、忙しい中あなたのために時間を割いてくれている相手のことを考えて、行動しましょう。
◯伝え方
注意点の最後は「伝え方」です。あくまで欠席が決定事項ではないため、許可を取るように伝えることが重要です。お電話をかけて、下記のような流れでスタートしましょう。
あなた:いつも大変お世話になっております。本日◯◯時より◯◯様に◯次面接のお時間を頂戴しております(フルネーム)と申します。当日に突然のご連絡を失礼いたします。
【例文】
あなた:大変申し訳ございませんが、本日39度の熱が出ており(他体調不良の理由などを伝える、あるいは体調不良という旨を伝える)、本日の面接を辞退させていただきたくご連絡申し上げました。当日のご連絡となり、大変申し訳ございません。
相手:そうでしたか…残念ですが、承知いたしました。お大事になさってください。
あなた:そこで勝手なお願いなのですが、御社に入社したいという意志を持っておりますので、可能であればぜひ再度日程調整をお願いできたらと思っております。ご検討いただくことは難しいでしょうか…。
相手:そうでしたか、そのようなお申し出をいただき、ありがとうございます。承知いたしました。では担当と連絡を取り、再度日程調整ができるように打診してみます。
あなた:大変お忙しい中不躾なお願いを検討くださり、ありがとうございます。また、改めて当日のキャンセルとなり、申し訳ございません。また引き続き宜しくお願い申し上げます。
相手:承知いたしました。ではお大事になさってください。またこちらよりご連絡申し上げます。
あなた:ありがとうございます。宜しくお願いいたします。失礼いたします。
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ここでのポイントは、下記の3点です。
・当日にこんなお願いをする謝罪の意思を伝えること
・確定事項ではなく、キャンセルさせていただきたいという要望を伝えること
・志望度が高いことと、差し出がましいことは承知しているけれども日程変更可能かどうかを聞くこと
断られる可能性もあるかもしれませんので、勝手なお願いで大変申し訳ないという謝罪の意志を伝えながら、検討いただけたら大変ありがたいという思いを伝えるといいでしょう。
また、志望度合いが高いと言われて嫌な気分になる企業はいないはずですが、低姿勢でお願いすることはとても重要です。体調不良で頭がぼーっとしていてもこれだけは忘れないようにしましょう。
■本来は当日に連絡という状態にならないように細心の注意を払うことが重要
本当に体調不良だったとしても、当日キャンセルは「志望度合いが低い」、「断りの文句が思いつかず体調不良と言っている」と思われてしまう可能性が高いです。そのため、本来は当日キャンセルにならないように細心の注意を払って、体調管理や準備を行うことが重要になってきます。
転職活動中は下記のようなことで、体調不良になりやすい状態が揃っています。いつも以上に気をつけて行動しないと、途中で体調を崩してしまうこともあるでしょう。
・転職活動中の気づかれ
転職活動中ほど初めての人に会って、プレッシャーのかかる状態で会話を続ける期間はありません。プレッシャーのかかる仕事に慣れていて、ストレス解消がうまくできるという人を除いて、転職活動中は疲れやすくなるものです。
ストレスがかかれば免疫力が弱って風邪やその他の体調不良になりやすい状況になりますから、手洗い・うがい、栄養のある食事を摂り、睡眠時間を確保するなどの対応がいつも以上に必要になります。
・普段とは違うサイクルの生活
普段であれば仕事が終わって家に帰れば、あとはリラックスできる時間という人も多いでしょう。しかし、転職活動中はさまざまな準備や情報収集はもちろん、会社が終わってから面接に行くこともあります。
そんな生活が続けば、普段よりも疲れて体調不良になりやすくなるはず。普段とは違うサイクルで生活することによって、疲れがたまりやすいことを忘れないようにしましょう。
・準備による睡眠不足
業界・企業研究や面接の練習、自己PRの練り直しなど、準備をしようと思えばいくらでもやることがある転職活動では、準備を綿密にしたばっかりに睡眠時間が急激に減ってしまうこともあります。就業中の方は睡眠不足の状態で働き、さらに疲れをためた状態でまた準備を行うため、睡眠不足になってさらに疲れがとれなくなるというサイクルにはまってしまうことも。
準備時間も重要ですが、準備が必要な期間は仕事を早めに切り上げられるようにする、あるいは趣味の時間を削って睡眠時間にあてるようにするなどの工夫をするといいでしょう。初めての転職の場合は、なおさら準備に時間がかかってしまうものと捉えて、生活スタイルを少々変更するように心がけるといいでしょう。
■まとめ
面接当日に体調不良になり、パニックになってしまったという人のために、どう対応すべきかをまとめてご紹介しました。同じ内容でも伝えるタイミングや内容、手段によって大きく印象が異なるはずです。
体調不良でキャンセルをしたとしても、再度日程調整をしてもらえるように、誠意を見せた対応を心がけてみてください。そうすればきっと、面接もいい方向に転がっていくはずです。