営業職で働く女性のなかには、事務職などへのキャリアチェンジを希望する方も少なくありません。これにはメリットもありますが、今までの営業経験を十分に活かせなくなるデメリットは見逃せません。したがって転職した場合でも、営業職を続けることがおすすめです。 

本記事ではまず、営業職にはさまざまな種類やメリットがあることに触れていきます。加えてキャリアチェンジを迷ったときに考えて欲しいポイントも解説します。

 

■営業職からキャリアチェンジをしたいと思う3つの理由

そもそもキャリアチェンジをしたい理由には、何があるのでしょうか。ここでは主な理由を3点取り上げ、解説します。

 

・土休日が休みの仕事に就きたい

土休日が休みの仕事に就きたいことは、キャリアチェンジを望む主な理由の1土休日が休みだと友人や家族と休みを合わせやすいことは、メリットの1つです。

一方で個人向けの営業では「土日こそ稼ぎ時」となり、土休日でも仕事となる場合も少なくありません。家庭やライフスタイルとの両立が難しいことは、キャリアチェンジを希望する大きな要因になります。

 

・長時間労働やノルマがきつい

長時間労働やノルマも、理由の1つにあげられます。営業の現場では、昼は外回り、夜は事務作業というケースもよくあります。実際に、長時間労働を余儀なくされるケースも少なくありません。

もちろんこのような状況下でもノルマは減らず、売上目標の達成が求められます。仕事は大変なのに結果が伴わず、ノルマの未達成を責められる。このような職場では、キャリアチェンジを希望する方も多くなるでしょう。

 

・職場に女性がいなくてさびしい

職場に女性がいないという点も、見逃せない理由です。女性ならではの悩みは多いもの。男性には気軽に相談しにくい上に、悩みを理解してもらえるかどうかもわかりません。

加えてキャリアの見本となる先輩がいないと、将来設計もなかなか見えにくいもの。「この仕事では将来が見えない」ということも、キャリアチェンジの理由にあげられます。

 

■営業職には、いろいろな種類がある

ひとくちに営業職といっても、その種類はさまざまです。したがってあなたが経験している仕事だけが、営業のすべてではありません。

実際には、どのような種類があるのでしょうか。大きく2つに分けてみていきます。

 

・法人営業と個人営業で、商材や営業スタイルは大きく異なる

営業職は対象が法人か個人かにより、営業スタイルは大きく異なります。 

項目

法人営業

個人営業

営業の対象

企業などの法人

個人

代表的な商材

・オフィス賃貸

・業務用の器具や備品

ITサービス

・広告

・医療用医薬品

・マンションや一戸建て

・生命保険

・自動車

・インターネット回線

・置き薬

金額

数百万円~数億円となる場合が多い

商材によりさまざま

商談の期間

数ヶ月におよぶ場合も少なくない

法人よりは短い。商材によっては、即決の場合も

顧客の意思決定

組織で実施。高額の商材では、社長決裁が必要な場合もある

単独、または家族単位

土日の休み

顧客が土日休みなら、比較的取りやすい

取りにくい場合が多い

 このため個人営業は短距離走、法人営業は長距離走にも例えられます。営業職にはスピーディーに決めることが必要な商材もあれば、じっくり攻略する商材もありますから、求める営業スタイルに応じて職場を選べることが特徴です。

 

・営業の手法も多種多様

現在では、営業の手法も多種多様です。ここでは、主な5つの手法をまとめました。

営業の種類

特徴

訪問営業

顧客を訪問し、自社の商品やサービスを提案する。アポなしで営業する場合は「飛び込み営業」と呼ぶ。断られやすいことが難点

ルート営業

既存顧客を訪問してニーズや課題の聞き取りや新たな提案を行い、受注につなげる方法。「御用聞き営業」とも呼ばれる。「保守営業」もこの類型。すでに顧客であるため、話を聞いてもらえやすい

テレアポ営業

「詳しく話を聞いてみたい」と思わせ、商談につなげることが目的の手法。自社内で仕事できることが特徴。受注まで行う場合は「テレコール営業」と呼ぶ

インサイドセールス

見込み客に対し、電話やWebなどの通信手段を用いて営業活動を行う方法。外回りが不要な点が魅力

反響営業

あらかじめ広告を打ち、問い合わせをしてきた方に対して営業活動を行う方法。すでに興味や関心を持っている顧客を対象とするため、話を聞いてもらえやすい

上記すべての営業スタイルを経験した方は、多くないでしょう。もしあなたが苦労していたとしても、それは会社の営業スタイルがあなたに合っていないだけかもしれません。たとえば「顧客のニーズにじっくりこたえたい」という方は、飛び込み営業やテレアポ営業よりも、ルート営業や反響営業のほうが適任と考えられます。

 

■営業職を続けることには、さまざまなメリットがある

営業職を続けることには、今までの経験を生かせることはもちろん、それ以外にもさまざまなメリットがあります。ここでは3つのメリットを取り上げ、解説していきます。

 

・あなたの提案により、顧客が抱える課題を解決できる

営業職の主なメリットには、あなたが売った商材により、顧客が抱える課題を直接解決できる点があげられます。これは顧客の課題をしっかり正面から受け止め、適切な金額で提案を行う「ソリューション営業」や「提案型営業」を行うことで可能です。

他の職種でも提案は可能ですが、金額を含めた提案を行えるのは営業職の特権です。利益を確保しつつ課題解決に導けたときの満足感は、ひとしおといえるでしょう。

 

・他の職種と比べて、年収が比較的高め。頑張り次第でアップも可能

他の職種と比べて、営業職の年収は比較的高めなことが特徴です。doda「職種別平均年収ランキング【最新版(2019年)】」によると、女性における職種分類別の年収は以下の通りとなっています。

 

職種分類

女性の平均年収

営業系

377万円

技術系(IT/通信)

393万円

金融系専門職

348万円

事務/アシスタント系

314万円

販売/サービス系

297万円

営業系の年収は、社会保険労務士(387万円)やスーパーバイザー(393万円)といった職種よりやや低めという点も特徴的です。これらの職種は、簡単になれるものではありません。一方で営業職は経験年数にかかわらず、あなたの頑張りしだいで高い年収が得られることも魅力の1つです。

 

・数字を達成できれば、評価されやすい

営業職の評価には「受注実績」や「営業成績」という、数字による明快な尺度があります。これは管理部門や技術部門と異なる、重要な特徴です。 

もちろん、数字が評価のすべてではありません。しかし創意工夫して数字を達成できれば、これまで成績が振るわなかった方でも評価されやすいといえるでしょう。

 

■キャリアチェンジを迷っている方へのアドバイス

みなさまのなかには、今まさに営業職からキャリアチェンジをしようか、迷っている方もいることでしょう。そんな方のために、3つのアドバイスをいたします。ぜひ参考にしてください。

 

・「営業職から逃れたい」思いが先立つと、キャリアチェンジに成功しにくい

キャリアチェンジを成功させるためには、新しい職種に関する知識や意欲が求められます。会社は「仕事ができる方を求めていることが、その理由です。

このため新しい職種のことをよく調べないまま、転職活動などのキャリアチェンジを進めてもうまくいかない場合が多いです。もし採用されたとしても、理想通りの仕事と生活になるとは限りません。たとえば事務職の場合は間接部門であるため、忙しくても人員の補充がなかなか行われず、頻繁に残業を強いられるおそれもあります。

 

・他の営業スタイルもよく検討しよう

営業スタイルにはさまざまな種類があります。上司から「おまえは営業に向いていない」と言われたとしても、それはその会社の営業スタイルに不向きなだけという可能性もおおいにあります。

いまや営業は、内気な方でも成功できる時代です。まずはあなたに合った営業スタイルを考えた上で、営業職のなかでキャリアチェンジできないか検討することをおすすめします。

また育児や介護などで、外回りの営業活動が難しい方もいるかもしれません。そのような方でもインサイドセールスなど活躍できる方法はありますから、ぜひ営業職として働き続けることをご検討ください。

 

・社外の女性営業職とつながりを持つことも有効

相談相手は、社内とは限りません。実際に「営業部女子課」など、女性営業職を対象としたコミュニティがあります。

このようなコミュニティに入れば、女性ならではの悩みも相談しやすいもの。加えて定期的な勉強会などに参加すれば、社内では得られないスキルも習得できます。

仕事上で悩みの多い方はコミュニティに参加し、相談してみると解決策が見つかる場合も多いでしょう。ストレス発散にもなることは、メリットとして見逃せません。

 

■まとめ

営業職からキャリアチェンジを迷った時に意識して欲しいことは、「今の会社でうまくいかなくても、あなたが営業職に不向きとは限らない」という点です。営業の手法が変われば、会社から期待される戦力になるかもしれません。

このためいきなり他の職種に移るのではなく、まずは他の営業手法を試すことがおすすめです。さまざまな会社の営業活動を研究し、あなたに合った企業に転職できれば、今まで培ったキャリアも有効に活用できます。

社内に女性がいない場合は、社外にいる女性営業職に相談することもおすすめです。「私にはもう営業はダメだ」と思い込む前に、営業職でできることは何もないか、よく検討することをおすすめします。

 

参考:エン・ジャパン「「女性のキャリアチェンジ(職種転換)」意識調査 9割の女性がキャリアチェンジに興味あり。 人気の職種トップ2は「事務」「人事・総務」。 叶えたいことは「収入アップ」。」