やむを得ない理由で試用期間中に退職することがありますが、その場合履歴書に記載しなければいけないのでしょうか?マイナスの印象をもたれてしまうかもしれないから、できる限り記載したくないが、記載しなくて済む方法はあるの?などと疑問に思うことがあるかと思いますが、結論から先に伝えると「試用期間中に退職したとしてもしっかりと記載した方が良い」です。そもそも試用期間とはどういった期間なのか、履歴書に記載すべき理由、退職理由の書き方の注意点などを説明します。

 

試用期間とは

試用期間とは、採用した人材の社員としての適性を判断するために設ける期間になります。基本的に長期雇用を前提として採用しますが、適性を見極める期間として明確な基準やルールはありませんが、1~6ヶ月の企業がほとんどです。長くても1年になります。社員としての適性とは、勤務態度や能力などになります。

試用期間中はいつでも簡単にクビを切られたり、簡単に退職することが出来るのでは?と考える人がいるかと思いますが、結論から言うとそうではありません。試用期間中といえども企業は正当な理由がない限り解雇することはできません。

一方ですぐに退職したいと思っても、労働基準法で退職する場合は退職予定日の2週間前には企業側に伝えないといけないと決まっています。企業側が解雇できる正当な理由とは、「勤務態度が悪い」「経歴詐称」などになります。「思っていたより能力が低かった」や「なんか合わない」といった理由は正当な理由になりません。

 

試用期間中に退職しても履歴書に記載する必要がある

試用期間中での退職であろうと、雇用契約を結び入社した場合は、履歴書に記載する必要があります。「評価が下がる可能性があるから書きたくない」「バレなければ大丈夫」などと思うこともあるかもしれませんが、マイナス評価やトラブルになる可能性があるため必ず履歴書に記載し、面接時にしっかりと説明する必要があります。正社員に限らず、雇用契約を結ぶことになる契約社員や派遣社員も同様になります。

前職が同業界の場合や雇用保険・厚生年金の手続きの際など、黙っていたとしても試用期間中に前職を退職したことがバレる可能性は十分にあります。隠していたことが発覚した際のリスクは下記の通りです。

 ・嘘ついたことにより心象が悪くなり、見送りになるケースが多い

 ・経歴詐称を理由にクビになる

 ・最悪の場合、私文書虚偽罪になる

短期離職や転職回数が増えることは転職活動においてマイナスになりますが、上記のようなリスクをなくすためにも誠実な行動を心がけましょう。

 

退職理由の書き方には注意が必要

試用期間中の退職はどのような理由でも企業側からすると良い印象にはなりません。短期離職が初めてではない場合は、尚更マイナス評価になります。その中でも印象を下げない理由や書き方がありますので紹介します。前提、企業側が考えていることは、「同じようにすぐに退職しないか。中長期的に活躍いただけるか」の観点になります。今回の退職が特別であることと、次の転職では同じようなことにはならないことをしっかりと説明できるようにしましょう。次の転職先では同じようなことにならない理由を明確に伝えることができない場合は、内定を獲得することはとても難しいでしょう。

それぞれの退職理由について企業側の感じ方と伝え方の注意点を説明します。

<事前に聞いていた条件と異なっていた>

試用期間中の退職理由で1番多いのがこの理由ではないでしょうか。この理由を伝える上で大事なことは「客観的に見てそれなら仕方ない」と思われるかどうかです。少なからず入社後のギャップは生じるため、条件の内容とどれくらい差があるのかをしっかりと伝えましょう。転職エージェント(人材紹介)を利用して転職活動を行う場合、履歴書や職務経歴書と合わせて推薦状(転職理由・経験内容の概要・オススメする理由などを記載)をつけることが多いですが、「入社前に聞いていたた条件と異なっていた」としか書いていないパターンがよくあるため、詳細を記載してもらうようにしましょう。詳細がない場合、企業側が勝手に「記載したくない理由があるのではないか」とリスクに感じ、見送りになる可能性があるためです。

・残業代は全額支給と聞いていたが支給されなかった

・残業が40時間と聞いていたが、100時間を超えていた

・採用された職種と異なっていた

・転勤なしと聞いていたがすぐに転勤になった

上記のように法的に定められていることに反する内容(残業代や残業時間など)や、募集内容と大きく異なっていた場合は、企業側として納得する可能性が高いですが、それ以外は企業によって感じ方は異なりますので注意が必要です。例えば残業時間がほとんどないと聞いていたが20時間あったなどの場合、企業によっては20時間を少ないや普通と感じることがありますので、客観的な視点をしっかりと持つ必要があります。

<家庭の事情によるもの>

急きょ介護が必要になった・夫の仕事の関係で転居することになったなど、家庭事情によりやむをえず退職することがあると思います。理由としては納得される可能性が高いですが、入社後についてしっかり伝える必要があります。介護の状況や夫の仕事によっては、働き方(残業がなかなかできない、頻繁に休むことになるなど)に気を付けないといけなかったり、またすぐに転居により転職するリスクがあると懸念を抱かれるからです。抱かれる可能性がある懸念について問題ないと思われるように理由とともに説明しましょう。

<雰囲気や業務内容が合わなかった>

求職者の主観的な理由であるため、合わなかった理由をとても詳細に伝える必要があります。また、入社前に会社の雰囲気やどのような人が働いているかを知ることは難しいものの、会社見学や現場の社員との面談を希望し実現している人もいるため、入社前に気づかなかった理由も伝えましょう。内容によっては、「条件面だけで決めたのではないか」「求職者の性格に問題があったのではないか」「ストレス耐性・忍耐力が足りないのではないか」とマイナス評価になってしまいます。

 

まとめ

家庭事情や条件面の相違などといったやむを得ない理由や簡単に入社を決めてしまったことによる入社後のギャップなど、さまざまな理由で試用期間中に退職することがあると思います。内定獲得のためにできる限り悪い印象を与えたくないと考えることは自然なことではありますが、隠すことにより入社前後で多くのリスクがあるため、しっかりと伝えるようにしましょう。早期退職の理由や転職意欲(今回の転職を最後にしたい、次入社する会社では長期的に活躍したいなど)を明確に伝えることで、試用期間中の退職による懸念を払しょくすることがつながります。