営業は、業種ごとに営業手法が異なります。
なかでも、有形商材か無形商材かによる違いは大きく、営業職から営業職への転職の際は前職での経験を細かく確認されることもあるでしょう。

今回は、有形商材の営業手法にターゲットを当て、重要なポイントを解説していきます。

■有形商材とは?

有形商材とは、目に見える形で品物がある商材のことを指します。
車・食品・医薬品・家具・家電・繊維など、実際に手に取れるものと考えると分かりやすいでしょう。

反対に、無形商材とは目に見えない商材のことを指します。
コンサルティング・金融商品・広告・予備校・保育・介護などが当てはまり、形ないものであることが多いです。
また、ゲームソフトや出版物も、実際に形になる前の企画段階では無形商材として扱われることが多いです。

■有形商材営業の難しさとは

有形商材・無形商材共に、営業するに当たってそれぞれ異なる難しさがあります。
有形商材であれば有形商材に合わせた営業手法を取っていく必要がありますので、まずはポイントを抑えていきましょう。

利益率が低い

有形商材は、代金のうち何割が純粋な利益になるかを示す「利益率」が低い傾向にあります。
商品を生み出すには、原材料の仕入れ料金はもちろん、生産・加工する工場を稼働させるための費用や客先に届けるための運送費がかかります。
もちろんそれぞれに人件費がかかるため、コストが高くなってしまうのです。
元手が必要ないことが多い無形商材と比べると、大量に売らないと十分な利益を確保しづらいことが分かります。

提案の幅が限られる

既にある商品のなかからおすすめのものを紹介する手法が多く、提案の幅が限られます。
場合によっては、クライアントのニーズに答えられる商品が自社内にないケースもあるでしょう。
そのような場合でも「他社製品をおすすめします」と正直に言えることはほとんどなく、自社製品を利用するメリットが伝わるよう営業を重ねていく必要があります。
提案の自由度が低いという意味では、苦労することもありそうです。

売るべき商品がトップダウンで下ろされる

有形商材の場合、どんな商品を作るかを決める場に営業が関わることは滅多にありません。
経営層や企画・マーケティングの部署から「新商品はこれにします」とトップダウン式に指示され、言われるがまま売らなければいけないこともあるでしょう。
時には、「これは本当に必要な商品なのだろうか」「もっとこういう機能があった方がいいのでは」と悩むこともあるかもしれません。
自分がゼロから商品を作って提案することは少ないということを理解しておきましょう。
反対に、自分のアイディア力や創意工夫に自信がない人は、無形商材営業より有形商材営業の方が向いています。

■有形商材営業に必要なこと

ここまで有形商材営業の難しさと伝えてきましたが、一方で確かな営業力がある人は有形商材を扱っていても高い成績を残します。
ここでは、有形商材営業に欠かせない要素を紹介します。

自社製品に関する高い知識を持つこと

既にある商品を売る有形商材営業は、製品に関する高い知識や理解が必要です。
車を販売する営業が車に詳しくない場合、商品の強みを効果的にアピールしたりクライアントからの質問に答えたりすることができず、不安や不信感を抱かせてしまいます。
反対に、自動車開発エンジニアとも対等に話せるだけの知識量があれば、専門性の高さが信頼につながることが多くなるでしょう。
自社製品だけでなく他社製品にも詳しくなれれば、より効果的な提案ができそうです。

常に勉強し続けること

業界の動向は時代に合わせて刻一刻と変わり、クライアントのニーズも変化していきます。
また、最新テクノロジーを活用した新商品が出回ることも多く、自社のみならず業界全体に関する研究が不可欠だと分かります。
常に勉強し続ける姿勢が欠かせない仕事ではありますが、それができれば天職になるかもしれません。
ハングリー精神をもって仕事に臨むことが重要であると分かります。

購入後のイメージを抱かせること

有形商材の場合、実際に製品を手に取ってもらったり目で見てもらったりすることができます。
そのため、購入した後のイメージを抱かせやすくなるでしょう。
反対に言えば、これができないと有形商材ならではのメリットを活かせなくなります。
「いい商品だということは分かったけれど、うちの会社にマッチするかな」と思われてしまった場合、他の商品と比較するために他社へ流れてしまう可能性もあるでしょう。
自社製品に対しいかにポジティブなイメージを持たせ、購入が課題解決につながる根拠を示す必要があるのです。

とにかく数を売ること

有形商材は無形商材と比較して利益率が低く、いわゆる「薄利多売」を目指さなければいけないシーンも多いです。
いかに数を売るか、いかに多くのクライアントを確保するかに専念し、断続的に営業活動を行う必要があるのです。
そのため、有形商材の営業は売上額・利益率・リピート率・新規顧客の獲得数など、さまざま側面から査定されやすくなります。
スピードはもちろん、効率重視で客先を回る必要がありそうです。

社内コミュニケーションを十分に取っておくこと

商品を作るに当たり、自分1人で全てを担当することはできません。
無形商材であれば自分で提案した内容を自分で提供することができる可能性がありますが、有形商材の場合そのようなことはほぼありません。
そのため、企画・開発・宣伝・製造・運送など、全ての部署の橋渡しをするのも営業の重要な役割です。
時には、マニュアルにないレベルの短期納品や特注などを承ることもあるでしょう。
いざという時に協力してもらえるよう、情報格差のないシームレスな社内コミュニケーションを行い、日常的に円滑な関係性を構築しておくことが重要です。

■まとめ

営業職への就職を検討している場合、まずは希望する会社の商品が有形商材か無形商材か確認しましょう。
同じ営業でも、配慮すべきポイントも必要になってくるスキルも大きく異なります。

自分の適正や将来のキャリアイメージも含めて検討し、後悔のない選択ができるよう情報収集しておくのがポイントです。