企業のPRやCM作成などを手掛ける広告代理店は、華やかな業界でやりがいを感じられる人気の業態です。しかし、「残業時間が多い」「ノルマが厳しい」など働き方や仕事内容にギャップを感じる方や、「マーケターとしてさらにキャリアップしたい」と転職を考える方もいるのではないでしょうか?
本記事では、広告代理店から転職を検討している方に向けて、おすすめの転職先をご紹介します。また、転職条件である給与面も気になるところ。年収を下げずに異業種転職を成功させるポイントも合わせて解説していきます。
転職を始める前に一度こちらの記事に目を通して、転職活動を成功させましょう!
■広告代理店で身に付くスキルとは?
広告代理店での職務経験として、実際にどのようなスキルが身に付いているか改めて確認しておく必要があります。自己分析することで転職先のミスマッチを防ぐことができるため、しっかりと自分の特性を把握しましょう。
【広告代理店で身に付くスキル】
広告代理店は広告を出したい企業と広告を掲載するメディアの「仲介」という立場であり、広告主の課題やニーズをヒヤリングし広告出稿の営業活動を通して、広告出稿をサポートするのが主な仕事内容です。
そのため、
・コミュニケーションスキル
・数値分析に強い
・高い提案力
・マーケティング力
・流行に対する感度
といったスキルが身に付きます。
広告代理店ではお客様のニーズのヒヤリング、数字を基にしたプレゼン、改善策へと導くマーケティング能力や提案型の営業力が求められる仕事です。そのため、コミュニケーションスキル、論理的に分析できる高い提案力といったスキルが身に付いています。
世の中の動きや流行に敏感で常にアンテナを張っており、さまざまな課題を発掘できるという点も、アピールポイントと言えるでしょう。
■おすすめの転職先
では、このようなスキルを活かせるおすすめの転職先をご紹介します。
▷競合の代理店
今まで培ってきたスキルを向上させたい、レベルアップしたいという方は、まずは競合の代理店を視野に入れてみましょう。
競合の代理店へ転職するメリット
・今まで培ってきた業界知識を活かせる
・スキルアップやキャリアアップが見込める
・役職ポジションを狙える
・成長産業で転職者のポジションが空きやすい
広告代理店にはテレビ、CM、雑誌、ラジオなどの広告、オンライン、SNS、動画サイトといったWEB広告など、中小規模から大手の総合広告代理店まで競合の代理店が多数存在します。そのため、今まで培ってきた業界知識を活かして、スキルアップやキャリアアップが見込める業界です。
企業ランクが同じなら、スキルを活かしてマネジメント層や役員待遇などの役職ポジションも充分に狙えるチャンスもあります。また、近年ではインターネット広告業界は急成長している市場で、総広告費全体の36.2%を占める2.2兆円規模の市場へと年々拡大している業界です。(※参照:2020年国内インターネット広告媒体費)
このような成長産業であることから、参入する広告会社も多く転職者のポジションが空きやすいというメリットがあります。広告代理店で培ってきたマーケティング力を今まで以上に磨いていきたい、という方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
▷事業会社
同業他社ではなく異業種に転職したいという方は、事業会社がおすすめ。広告業における「事業会社」は、自ら事業を行う企業体のこと。
事業会社へ転職するメリットは、
・広告代理店でのマーケティング力を活かせる
・自社の製品販売にやりがいを持てる
・広告代理店で得た専門スキルが活かせる
といった点が挙げられます。
事業会社への転職は、今まで受注する側であった広告代理店に対して、発注する事業主側の働き方を経験できるという魅力があります。
広告代理店での営業活動の中で「広告主側」のサービスの提案を、「自社サービス」として商品に誇りをもって仕事に取り組むことができます。また、詳細な営業成果や収益をすぐに実感できることから、今まで以上に責任ややりがいを感じられる転職先と言えるでしょう。
拡大するインターネット広告市場の中で、マーケティングの強化を視野に入れた採用を行う事業会社も増えており、コンテンツマーケティング、インターネット広告運用など専門スキルが求められる業界です。
▷WEBマーケティング会社
次におすすめの転職先は「WEBマーケティング会社」です。WEBマーケティング会社とは、WEBを利用した自社サービスや商品の販売、プロモーションなどの営業活動、顧客分析、市場調査、データ収集などが主な業務内容です。
施策手段である広告出稿だけの広告代理店とは違い、消費者のニーズの分析、開発、広告宣伝、個別のアプローチなど幅広い活動がWebマーケティング会社の特徴です。
WEBマーケティング会社へ転職するメリット
・企画段階からプロジェクトに参画できる
・急成長している市場でキャリアパスも見込める
・広告代理店で培った営業スキルやマーケティングスキルを活かせる
WEBマーケティング会社へ転職する場合、これから販売していく商品の企画段階から関われるというメリットがあります。広告代理店で培ってきたサービス提案型の営業力、マーケティング力も活かせる業界です。
また、WEB広告業界は急成長している市場のため、キャリアパスも見込める業界と言えるでしょう。(参考:業界動向:成長業界ランキング2020-2021年盤)
ただし、インターネット広告の様にすぐに結果が出るという訳ではなく、長い目で見てマーケティング施策をしていかなければならず、コツコツと継続して仕事に打ち込める方が向いています。
■年収を下げずに転職するポイント
キャリアアップのために転職をしたいけれど、年収を下げたくないという方向けに年収を下げずに転職するポイントをまとめました。
▷経験やスキルを活かせる企業へ転職する
今まで広告代理店で働いてきた方は、自分の特性を自己分析することが大切です。即戦力となるアピールポイントを作り、倍率の高い好条件の求人に応募することでキャリアアップが望めます。
そのためには、
・自分自身の市場価値に見合った求人情報か
・企業がどのような人材を求めているのか
といった企業側のリサーチも必要です。応募企業ごとに自分自身のPRポイントを精査し、面接でアピールしましょう。
▷成長企業、業界を選ぶ
転職先の業界が、今後成長が見込める企業なのかどうか充分に見極めることも大切です。業界全体の市場動向や業界規模など、今後の動向についてもしっかりリサーチしておくことが鍵となります。業界動向サーチ(※参考URL)などを参考に調べてみるといいでしょう。
転職先に迷ったら、業界から絞り込んで企業を選んでみる方法もおすすめです。
▷面接時に交渉する
給与の交渉は内定後に行うのが一般的。内定後に配属部署やポジション、休日、待遇などを確認する「処遇面談」が設けられる場合があります。
その面談前に給与を交渉できるように切り出すのがベストです。
企業によってルールが異なるため、内定をもらったタイミングなどで処遇面談の有無を事前に確認しましょう。
また、伝え方やタイミングにも注意が必要です。相手の反応を確認しながら主張し過ぎずに給与交渉を行いましょう。
■広告代理店からの転職を成功させるコツ
転職活動を成功させるコツを解説していきます。
▷退職理由を明確に
企業の面談では「なぜ前の会社を退職したか」という理由を聞かれることが多く、転職後どのようになりたいのか、といった人物像を探るために面接では必ず聞かれる質問です。
「残業が多かった」「仕事内容が合わなかった」といったマイナス面を伝えるのではなく、「効率良く仕事をしていきたい!」「貴社で自分のキャリアアップを目指したい」といったポジティブな理由に変換できるように、退職理由の洗い出しをしましょう。
▷転職先のリサーチ
転職先のミスマッチを防ぐためには、残業や休日出勤の有無、職場規模、職場環境といった企業情報をしっかりとリサーチすることが重要です。転職サイトの口コミサイトでは企業先の評判や社内の情報を見ることができます。
さらに、「openwork」では実際に職場で働く社員による会社評価が掲載されているので、活用してみてもいいでしょう。(※参考URL)
▷転職条件を明確に
転職する際、これだけは譲れないといった条件を明確にすることもポイントです。年収や福利厚生、勤務地(どこまで可能なのか)など自分の中で条件を決めて面談に臨むのがおすすめ。
条件面談で交渉する場合は、重視する条件に優先順位をつけてミスマッチを防ぎましょう。
■まとめ
広告代理店からの転職先には、積み上げてきたスキルを活かしてキャリアアップできる業界も多数あります。企業先のリサーチをしっかり行い、ミスマッチを防げばきっと転職に成功する近道となるはず。
まずはしっかりと自己分析をしながらキャリアパスをイメージして、転職先を選びましょう!あなたの転職活動がうまくいくことをお祈りいたします。