「学歴なんか、仕事をするうえで関係ない!」と言う人は多いけれど、大学時代の就活で「大手企業」に決まった友人は良い学歴の持ち主が多かったな…
そんなイメージ、ありますよね。しかし、「どうせ学歴が重要なら、大手企業を受けても仕方ないか…」と考えるのは早計です。新卒採用と中途採用での「学歴」の扱いの違い、「学歴不問」の本当の意味など、転職活動で気になる学歴についての疑問をスッキリ解決します!
新卒の就職活動で感じた学歴フィルターの存在理由とは?
「選考なしの申込順インターンシップに参加したら、参加学生の9割は六大学以上のレベルだった。確実に学歴フィルターがあるのだろうな…」新卒採用で何らかの「学歴フィルター」を設けている会社が少なからず存在するのは事実です。フィルターのかけ方は会社によって千差万別ですが、意外にも「一定以上の学歴がなければ、内定には至らない」という強力なフィルターが存在する企業は、実は圧倒的に少数です。
新卒採用の場合、人気企業では数千人・数万人の学生が同じ選考締切日に向かって同時にエントリーすることになります。その応募者に対して、全員に面接の機会を設けることは現実的ではありません。面接どころか、1人当たり受験するのに費用がかさむ筆記テストや、真剣に内容で選考しようとすると読み込む手間がかかるエントリーシートでの選考すら、費用対効果が合わないという会社も存在します。そういった企業が、「簡単にスクリーニングできる」、「自社の採用基準を満たせる可能性が少しでも高い人を残せる」として採用する手法のひとつが学歴フィルターです。
逆に言えば、「応募者全員としっかり顔を合わせて選考できる」環境の企業ならば、優秀な人を不合格にしてしまう可能性のある学歴フィルターを使う理由はありません。また、偏差値的にはレベルの高い大学卒だが、AO入試や推薦入試で入学したため基礎学力は不十分という学生も増加しており、大学名が個人の能力を担保するものではない、という認識も広まりつつあります。特に、企業にとって採用環境が厳しくなる求人倍率上昇局面では、数少ない応募者の中から優秀な方を見つけ出すためにも安易なスクリーニングをする余裕はなくなります。新卒採用の時点でも、「大学名は一切参考にしない」という企業が増えているのです。
中途採用で「大学名の足切り」は存在する?
中途採用でも、大々的に募集広告を打つなど、数十人~数百人の応募が来るケースはありますが、新卒採用の時の比ではありません。職務経歴書をしっかり読み込み、実務経験や能力が「求めている人材像」と当てはまることをしっかり確認する時間的な余裕があるケースがほとんどです。さらに、新卒採用の時点ではチェックできない「職歴」の方が、「学歴」よりも優先することは間違いありません。いわゆる「学歴フィルター」を気にして応募する企業を検討する必要はないと考えてよいでしょう。
より有利な「学歴」はあるの?
学生時代の専攻と新卒の就活には大きな相関関係がありますが、中途採用では学生時代の専攻の重要度よりも、やはり実務経験の方が重視される傾向があります。文系学部卒業だけれど、モノづくりに興味がある、エンジニアだけれど、営業の仕事にチャレンジしたい…
このように、卒業した学部学科とは関連しない職種にチャレンジしたい!という方の場合は、「未経験応募可能」な仕事で経験を積むことが可能です。未経験の応募は可能だが機械系学部卒業が要件、といった場合は募集要項に記載されています。募集要項をよくチェックすることが大切です。未経験のお仕事にチャレンジする場合は、面接に進んだ際に以下のような質問に答えられるように準備しておくことが必要です。
・今までの勉強や経験をリセットしてまで、なぜキャリアチェンジをしたいと考えるようになったのか?
・基礎的な知識を身に着けるために、業務時間外にも勉強が必要になる可能性があるが、対応できるか?
・これまでの社会人経験で、今後仕事に活かせるポイントはなにか?
また、以下のような「学びなおし」についてお悩みの場合は、就職に有利・不利に関係なく、その学びを得たいと考えるかどうかを基準にしましょう。
・「大学卒」よりも「大学院卒」の方が評価されるのなら一度社会人入学を目指した方がよいか
・専門学校などで専門知識を身に着けたほうがよいか
・MBAなど難関学歴を取得するのがよいか
いずれも、その学歴があるからというだけで圧倒的に有利になることはありません。取得に当たっての熱意や行動力、身に着けた知識などが総合的にこれからの仕事に役立つかをチェックされることになります。
「学歴不問」の場合、むしろ大卒は不利になる?
職種によっては珍しくないのが、「学歴不問」の求人です。募集要項が「学歴不問」の場合、中卒、高卒、専門学校卒、学部卒、もしくは中退であっても応募資格があることになります。「高卒以上」と記載されている場合は中卒は応募不可、「大卒 機械・電機系学部」と記載されている場合は大卒以上(院卒含む)の指定学部学科卒以外は応募不可です。基本的に、指定された学歴「以上」が応募可能になります。
よくあるご質問が、「学歴不問の場合や、高卒以上で募集されている求人の場合、大卒が逆に不利になることはありますか?」というものです。こちらに関してはケースによります。社員の年齢構成に偏りが見られるため、できるだけ若い20代前半の社員を採用したいと思っているケースの場合、大卒以上の方では卒業時点ですでに22歳、転職時点ではすでにターゲットの年齢層を越えてしまうと判断される可能性があります。また、全社員の給与テーブルの設定が「高卒相当」しか用意されていない場合に、希望給与面で折り合いがつかないという可能性もあるでしょう。もちろん、「完全な実力主義」という意味で、学歴不問と記載しているケースもたくさんあります。これらの点を確認するには、実際に応募してみるほかありません。
学歴よりも重要なこと
転職活動で気になる「学歴」についての気になるポイントをご紹介しました。どんな学歴の持ち主の方であっても、転職活動で最も伝えるべきことは「今までの経験や知識、培ってきた能力を使って、これからどのように仕事に取り組んでいくか」という点であることには変わりません。それを確認するために、「そんな学歴をお持ちなら、その学歴をストレートに活かせる業界でお仕事をした方がいいのでは?」と面接で質問されることもあるでしょう。そんな時は臆する必要はありません。前向きに、そのお仕事に挑戦したい理由を話し、今まで学んできたことも役立てていきたいと考えていることを伝えてください。
・今まで積み上げてきた学歴を活かせる仕事がわからない
・チャレンジしたい仕事の選考を突破するために必要なことが何か知りたい
・学歴について心配なことがあるが、相談にのってほしい
こんな悩みをお持ちの方に、転職エージェントがおすすめなのは「企業のホンネの条件」をあらかじめ担当者がしっかり確認してマッチングできるからです。特に、転職で今までと異なるスタイルの営業にチャレンジしたい方は、これまでの経歴を高く評価してくれる可能性が高い会社を探すためのサポートを受けてみてはいかがでしょうか。あなたの学歴を「武器」にする方法を、一緒に検討していきましょう!