書類選考に筆記試験やWEBテスト、一次面接はスムーズに通過するのに、なぜか最終面接で不合格が続く…。入社への期待が高まっていただけに、余計にガッカリしてしまいますよね。
「たまたま縁がなかっただけ」
「面接官との相性が悪かったのかな?」
もしも、最終面接での不合格が2回続くようなことがあれば「たまたま」や「相性」ではない別の原因が潜んでいるかもしれません。
「若手転職希望者が陥りがちな最終面接で注意するべきこと」について解説します!
最終面接とそのほかの面接の「違う点」
中途採用の最終面接での不合格理由を解説する前に、「中途採用の最終面接が他の面接と違うところ」から確認していきましょう。
最終面接にたどり着くまでのステップが少ない
「新卒採用のときは、一次面接からはじまって何回か面接をするのが当たり前だったけれど、中途採用の場合は面接回数が少ない」というイメージ、ありますよね。
実際、中途採用の場合の面接回数でいちばん多いのが2回。次いで3回、1回と続きます。中途採用での面接が3回以上ある会社は、新卒採用の時点でも面接回数が多かった会社であることが多く、「新卒採用のケースでの面接回数の半分くらい」をイメージしておくと、その会社の面接回数が想像できると言えるでしょう。
【中途採用の面接回数が少ない主な理由】
・応募人数が新卒採用時と比較して少ないため、はじめからひとり一人じっくり話を聞く時間が取れるから
・何らかの職歴があったことを前提としているため、面接で具体的に仕事をイメージできる話を聞くことができるから
・「総合職」など、入社後の配属先が未定なことが多い新卒採用と比較して、入社後の配属先は決まっていることが多いため、あまりたくさんの面接官のチェックをする必要がない
こんな理由で、中途採用では面接回数が少なくなります。
つまり、「応募」してから、「最終面接」までの期間や社員との接触回数も自然と少なくなるということ。きちんとした企業理解が不十分である可能性があるのです。
最終面接は「最終的な結論を出す場」
それまでの面接や筆記試験、書類審査などと最も異なる点は、
「最終面接の面接官が、採用についての責任者である」ということです。
それまでの過程では、
「ちょっと迷うところがあるけど…経歴は申し分ないし、まずは会ってみよう」
「基準点には少し足りないけれど、モチベーションが高いから次で判断してもらおう」
「現場としては問題ないと思うけれど、あとは上の判断で」
などなど、「ちょっとした不足があってもとりあえず先に送ろう」というジャッジが可能です。
しかし最終面接では、「とりあえず入社してもらって、ダメならクビにしよう」というわけにはいきません。
あなたの足を引っ張っている、「ちょっとした同じ失敗」が、面接ステップによって合否を分けてしまうこともあるのです。新卒採用のときは、ステップが長い分「ちょっとした失敗」を指摘してもらえたり、自分で気が付いて修正する時間があるのですが、中途採用ではそれが難しいと言えます。
最終面接で、注意することで回避できること
中途採用の最終面接と、その他の面接の大きな違いは
・最終面接にたどり着くまでのステップが少ない
・最終面接は「最終的な結論を出す場」
の2点でしたね。
この2点を踏まえたうえで、明日からすぐに対応・実践できる「あなたの不合格の原因」とそれを取り除く方法をご紹介します!
「仕事に対しての理解が浅い」と思われた
いわゆる「同じくらいの規模感の同業他社・同職種」での転職活動であればあまり心配する必要はありませんが、若手転職者の場合は未経験の業種や職種にチャレンジする方の方が多数派です。
ここで気を付けたいのが「応募する仕事に対する自分の思い込み」。
「こんな仕事の仕方をするはず」
「この業界なら、対人折衝は少ないはず」
それまでの自分のイメージから、その会社での仕事内容を勝手に判断していませんか?
基本的に中途採用の面接官は、あなたの今までのキャリアを何らかの形で発揮してくれることを期待してきます。
今までの仕事を、これから先その会社でどう活かしていくかという話がきちんとできていなかった可能性に注意しましょう。
例:
面接官「今まで営業職としてのご経験はないとのことですが、なぜ弊社にご応募いただいたのでしょうか?」
転職希望者「営業はしたことがないのですが、未経験可だったので応募しました」
面接官(ウチの営業は未経験可だけれど、チーム担当制でまずは企画書作成業務から勉強する、というところ、見落としているのではないかな??)
「求人票に書いてある内容」だけではなく、より具体的な仕事内容を最終面接前にもう一度確認しましょう!
「前職への不満に対して、また同じことを思うのではないか」と思われた
「現職(前職)の退職理由は何ですか?」
一次面接でも、よく聞かれる質問です。
一次面接でも正直に答えて、「そんな環境で頑張ってこられたのですね」と共感してもらえたし、最終面接でも同じように答えたけれど…?
そう考えているなら少し注意が必要です。
1次面接の面接官は、あなたと同じように「誰かに雇われている人」ですから、労働環境が悪いとモチベーションに大きく影響することを素直に共感できますが、最終面接の担当者は人事担当役員や社長など、「雇う側の人」です。「不満を環境のせいばかりにする」と思われてしまうリスクが、それまでよりも高いことを意識しながら、より慎重に言葉を選んでください。
「ほかの応募者と比較して熱意に欠ける」と思われた
社会人として最低限求めたいマナーや知識、経験といった「スペック」はそれまでの選考ですでに確認されています。
最終面接では、「この方に内定を出したら、他社ではなく当社にきてくれるだろうか」という部分をより慎重に見極めたいと考えています。
このステップで、「ほかの人の方が、より熱意をもって面接に臨んでくれた」と感じられてしまった可能性があります。
面接本番を迎える前に、客観的に見て、「自分の熱意」が相手に伝えられるものになっているか、第三者にチェックしてもらうことをおすすめします。
どうしようもない理由もあり得ます
これまでご紹介した「最終面接で不合格になる理由」は、本人の意識次第で改善することができます。
その一方、
・転職希望者ではなく会社側に原因がある理由
・合わせようがない理由
もあるのです。
最終面接で不合格になったからと言って、すべてがあなたに原因があるわけではありません。必要以上に落ち込まず、気持ちを切り替えていくことも大切ですよ!
「入社時期などの条件が合わないな」と思われた
「転職先が決まったら、今の会社に退職を申し出る予定だけれど、それなりに責任のある仕事をしているし、引継ぎに2ヶ月はかかるだろう。たまりにたまった有給も消化したいし、せっかくなら資格試験まで少し集中したい。入社時期は内定後半年間くらい欲しいと考えている」
例えば、こんな計画で転職活動をしている方がいたとして、会社側が
「2か月後に大きなプロジェクトが動き出す。その主要メンバーとして採用したい」と計画しているなら、ミスマッチということになります。
「そんな事情なら検討するのに…」とお互いに考えてしまいますが、
転職希望者も会社側も、全ての「条件」を開示しているわけではありませんよね。
ある程度すり合わせをすることも大切ですが、「どうしても譲れない点」に関しては妥協することはお勧めできません。
ただし、自分の考えている条件が、「一般的な社会通念上、常識的な範囲をこえている」という可能性はゼロではありません。こちらも、第三者に意見を聞くことが大切です。
「優秀すぎる」・「ほかに合格が出てそちらに行ってしまうだろう」と思われた
意外に思われるかもしれませんが、「優秀すぎてわが社ではどう使いこなしていいかわからない」という不合格理由、それなりに発生します。
「体力が何よりも大切な現業職なのに、研究開発一筋の方が応募してきたけど…?」
といったような、これまでの経歴との違いが大きければ大きいほどあり得ます。
本人としては、「新しいことにチャレンジしたい」という前向きな理由だったとしても、その理由に対して、「新しいことってそれでも他にいろいろあるでしょうよ」と思われてしまえばNGです。
今までの自分の経歴が素直に評価される仕事の方が、よりスムーズに転職しやすいと理解したうえで、志望動機を見直してみて下さいね。
一次面接が通過したからこそ、しっかり志望動機を練り直そう
「転職活動で最終面接まで行けば、あとは条件面の交渉だけかな…?」
もちろん、そのような会社もあります。
しかし、それは事前にはわかりませんよね。
「明日から、その会社で働くとしたら、今の自分は準備ができているだろうか?」という意識で、志望動機や自己PRをもう一度見直してみましょう。
転職エージェントを通じての応募なら、その点を担当者にしっかり確認してもらいましょう!