退職代行というサービスをご存知ですか?「内定が出て辞めたい」「ブラック企業で辞表を出しても辞めさせてくれない…」といった退職の悩みを解決するための支援をしてくれるサービスが注目を浴びています。退職代行サービスとは何か、メリットや退職代行会社の選び方などもご説明します。
◾︎退職代行サービスとは?
退職代行会社が相談者の所属元企業に退職の意思を伝えてくれるサービスです。2018年以降テレビやSNS等でも取り上げられたことをきっかけに認知度を上げてきました。
[基本的なサービスの流れ]
・相談者が退職代行会社に問い合わせ
ネットやLINEなどから気軽に問い合わせができます。
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・担当者と相談
担当者に辞めたい理由や依頼したい内容を伝えます。
↓
・費用振込
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・退職代行会社が相談者の会社に退職の意思を伝達
意思伝達が完了した時点で基本的にはサービス終了です。ただし、法的な相談や対処までお願いする場合は弁護士資格がある退職代行会社でないと依頼ができませんし別料金となるため、ご注意ください。
◾︎退職代行サービスが注目される理由
労働者が申し出れば民法では2週間後、就業規則では1〜3ヶ月後ほどに退職できます。しかし、転職を良しとしない社風の会社や人手不足の企業、ブラック企業はそう簡単には辞めさせてくれないのが現状です。辞めたいけれども辞められず、体を壊す人も少なくありません。そんな時に役立つのが退職代行サービスです。
以下のようなコンプライアンス意識が低く、モラルのない上司がいる労働環境に問題がある会社の場合、萎縮してしまい、退職を自ら言えなくなってしまうケースも多いのです。自分のためにも退職代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか?
[労働環境に問題がある会社一例]
・辞表を出しても破られた、辞意を受け入れてもらえない
・辞めたいと伝えたら、「たるんでる」「気合いが足りない」と叱責され取り合ってもらえない
・「裏切り者」「みんなで頑張ってるのに逃げるのか」と罵倒された
・「退職するなら給料は払わない」、「賠償金を払え」など、不当な待遇を言い渡された
・退職交渉を始めたら嫌がらせを受けるようになった
◾︎退職代行サービスを利用するメリット
[1]退職の意思を伝えてくれる
最大のメリットは、自分から退職を伝える勇気が出ない人に代わり、第三者が自分に代わって退職の意思を伝えてくれる点です。第三者が退職を伝えてくれることで心的なハードルが下がり、新たな一歩を踏み出しやすくなります。
[2]即日から出社しなくてもOK
早ければ即日から会社に行かなくてもすむため、辞意を伝えた後の嫌がらせや叱責を回避することもできます。
[3]家にいるだけで手続きができる
面談など行わずにネットやLINEなどからサービスへの問い合わせが可能です。退職代行業者によっては365日深夜でも応対してくれるため、仕事が忙しい人も少しの時間から問い合わせができます。
◾︎退職代行サービス選びのポイント
[1]プラスαのサービスがあるところ
業者が多く迷うときは通常のサービスに加えて、自分にとってプラスになるポイントがある業者を選びましょう。退職後の転職支援や失業保険サポート、相談回数無制限、全額保証、弁護士に加えて行政書士や司法書士のサポート有り、電話でなくLINEでやりとりが完結する、など退職代行サービスによって魅力は異なります。
[2]弁護士資格があるかは確認必須
もし、法的サポートもして欲しいならば、必ず弁護士資格を持った退職代行サービス会社かをチェックしましょう。退職代行サービス会社全てが、弁護士資格を持っているわけではないからです。損害賠償や給与未払いへの対処や有給取得や退職金等の込み入った交渉までして欲しい場合、この点の確認を怠らないようにしましょう。
[3]価格が安すぎない業者
通常の退職代行サービスの相場は3〜5万円がスタンダードです。メディアやSNSの力もあり、若者を中心に認知度を高めてきているため、中には格安で法に抵触する業者も後を耐えません。特に多いケースが、「非弁行為の禁止」であり、弁護士資格のない代行会社が退職の意思伝達に加えて法的交渉をする場合があたります。価格帯か安いと、無資格であったり、途中でサービス放棄をするといった品質に問題がある場合も起こりえるので、価格以外の評判についても調べましょう。
退職代行を利用すれば成功する可能性もあれび、失敗する可能性も同様にあります。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、頼れる代行会社探しを抜かりなく行いましょう。
◾︎最後に
退職代行サービスを使えば、新たな一歩を踏み出しやすくなる人がいるのも事実です。今の仕事環境が数年後の自分のプラスになっていないならば、早急に見切りをつけてはいかがでしょうか?時間は有限です。無駄な時間だったと後悔しないよう、将来を見据えて次に踏み出すべきかを真剣に考えてみましょう。