一般的には、転職や昇進などを含むキャリアアップを望む人が多いでしょう。しかし、戦略性を持ってキャリアダウンすると、その後のキャリアアップが加速するという方法があるのをご存じでしょうか。
やみくもにキャリアアップを目指すのではなく、「一旦しゃがみこみ、高くジャンプできるよう準備をする」と考え、あえてキャリアダウンの選択肢を取る極意についてご紹介します。自分のキャリアを考えるタイミングに来ている20~30代のビジネスパーソンは、一度検討してみてはいかがでしょうか。
キャリアアップとキャリアダウン
戦略的キャリアダウンについて考える前に、キャリアアップとキャリアダウンの定義についてご説明します。濃淡があったとしても一般的な定義としては、下記のようなものが当てはまるのではないでしょうか。
キャリアアップ
会社規模のアップ、ポスト(役職)のアップ、年収のアップなど、ステータスが上がるような状況をキャリアアップと呼ぶ傾向があります。
社内でのキャリアアップの場合、昇進・仕事内容の難易度を上げて年収アップなどが考えられるでしょう。逆に社外でキャリアアップを考えた場合は転職で経験をカードとして使い、より年収の高い企業に転職するなどがあります。
キャリアダウン
キャリアアップの逆で、会社規模・ポスト(役職)・年収のダウンなどを指します。年収・役職が下がるタイミングとしては、未経験の業種や職種に転職する場合が多いです。
会社規模が小さくなったとしても本人に充実感のある仕事内容であれば、あまりキャリアダウンと捉えられないこともあるでしょう。しかし、ポストのアップダウン、年収のアップダウンなどはキャリアのアップダウン印象を左右することも多いと考えられます。
戦略的キャリアダウンとは?
次に戦略的なキャリアダウンとは一体どのような状況を指すのか、考えていきましょう。転職では同業界×同職種で役職や年収を上げにいく、あるいは大企業から中小・ベンチャー、その逆と会社規模を変化させて役職や年収を上げに行く転職などが多いです
これらの一般的な転職方法ではないと考えると、どんなキャリアを描くことになるのかご紹介します。
また、仕事だけこなす人は壁にぶつかったり嫌なことがあった時に「人に言われて仕事をしていただけ」や「イメージと違うから辞めたい」等と言い訳ができてしまうため、転職を繰り返すジョブホッパーとなってしまうこともあります。しかし、主体的にキャリア選択をしている人は自らの選択でキャリアを歩んでいるので言い訳ができず、「何とかするしかない」と腹を決めて困難に挑んでいける精神力を養っていけます。 自分の行動は自分で決めて責任を持つことが、キャリアにおいても人生においても重要なことなのです。
同じ路線だけでなく、別路線同士の経歴を掛け算する?
基本的には同じ路線でキャリアが加速的に伸びるというのは大幅な業績を上げる・役職者として汎用的なスキルを身につけるなどが必要になるため、短期的には難易度が高いといえるでしょう。
しかし、同じ路線だけでなく、経歴の掛け算ができるようになってくると、急激にキャリアアップを加速させる可能性が高まります。1つの専門性でエキスパートになろうとするとたくさんライバルがいますが、2つの専門性を掛け算すれば圧倒的にライバルが少なくなるからです。
そこで戦略的キャリアダウンに活かせそうな3つのキャリアダウン戦略をご紹介します。①→③の順番で、難易度が上がっていきますので参考にしてみてください。
戦略①:異業種×同職種
異業種であっても同職種であれば仕事自体には取り掛かることができるため、この中では1番難易度が低いキャリアチェンジとなります。職種のスペシャリスト×専門が2業種に増えますから、専門同士のシナジーが生まれるような仕事でキャリアアップを加速させることができるでしょう。
戦略②:同業種×異職種
異職種であっても同業種であれば業種の商習慣などはわかるため、③よりは難易度が低いです。例えば、「営業(職種)もエンジニア(職種)もできる人」などであれば、プロジェクトマネージャーなどへのキャリアアップも短縮できる可能性も高まるでしょう。このように、職種の掛け算で昇進スピードを上げるということも可能です。
戦略③:異業種×異職種
この中で一番難易度が高いのが異業種×異職種です。2つの業種専門性と職種専門性を持った人はなかなか存在しません。そのため、どの業界にも転用できるスキルを持った逸材として求められる可能性が高まります。
戦略的キャリアダウンを成功させる極意とは?
異業種・異職種に進むことで、専門性の掛け算ができれば、戦略的なキャリアダウンを成功させることができます。しかし、そのためには注意すべき極意がありますので、事前にチェックしておきましょう。
極意その①:将来設計が第一
戦略的なキャリアダウンは、「どのくらいの期間・年収・ポストでキャリアダウンし、どの期間・年収・ポストでキャリアアップするのか」という算段を立てておくことが重要です。
極意その②:キャリアアップできる道筋を作る
異職種であっても同業種であれば業種の商習慣などはわかるため、③よりは難易度が低いです。例えば、「営業(職種)もエンジニア(職種)もできる人」などであれば、プロジェクトマネージャーなどへのキャリアアップも短縮できる可能性も高まるでしょう。このように、職種の掛け算で昇進スピードを上げるということも可能です。
極意その③:軸となる専門性を磨いておく
この中で一番難易度が高いのが異業種×異職種です。2つの業種専門性と職種専門性を持った人はなかなか存在しません。そのため、どの業界にも転用できるスキルを持った逸材として求められる可能性が高まります。
まとめ
20~30代のビジネスパーソンであれば、「自分のキャリアはこのままでよいのだろうか」、「キャリアアップするには何をすればよいのか」など不安感に駆られたこともあるはずです。キャリアアップのことしか頭になかったという人も、戦略的キャリアダウンという選択肢を増やして今後のキャリアについて考えてみてはいかがでしょうか。