転職すると年収が下がるってホント?転職することで年収が上がるのか/下がるのか、上げるためのコツがあるのかを説明します。

 

転職で年収は下がる!?

転職希望者のほとんどは、年収を上げたいと考えていると思います。年収アップが転職軸の優先順位の何番目に位置しているかは、人によってさまざまであると思いますが、できる限り高い年収がほしいと思うのは普通のことですよね。現在の転職市場では年収を上げることはそこまで難しくありません。売り手市場の状態が続いており、慢性的に人手不足の会社がとても多くなっています。ほとんどの企業は高い年収を出してでも採用したいと考えているため、現年収よりも高い金額を提示されることも少なくありません。

 

年収が下がるケース

年収を上げるコツをお伝えする前に、まずは年収が下がるパターンを説明します。転職で年収が下がるパターンは4つあります。

①現職から逃げるように転職

年収に関係なく、1日も早く転職したいと思う人がいます。残業が多く土日もなかなか休むことができずに、心身ともに疲れ切ってしまっている人や人間関係が悪くストレスをため込みすぎてしまっている状態の場合、できる限り早く退職したいと考えていると思います。前職を退職したい理由があまりにも強い場合は注意が必要です。前職を辞めたい理由(労働環境や人間関係、仕事内容など)が強い場合、とにかくそれを改善できる企業ならどこでもいいと考えがちになるため、それ以外の条件に目を向けない傾向にあるからです。その結果、転職したとしても別の理由ですぐに転職を考えなければならない状況になる可能性もあります。

②未経験業界・職種にチャレンジする

即戦力の採用をしたいと考えている中途採用において、未経験の業界や職種にチャレンジする場合、年収を上げることは難しいでしょう。

③条件の交渉を行わなかった

自分が志望している企業から内定をもらえたことで嬉しさのあまり年収交渉を行い損ねてしまうことや、不採用になることを恐れて年収交渉ができないなど、自分の希望の年収を伝えることができずに年収を下げてしまうことがあります。

④何度も転職している場合

何回も転職している人は、企業側としては採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないかと懸念に思うため、なかなか内定を出すことがありません。内定が出たとしても早期退職の懸念から正社員ではなく、まずは契約社員を打診されることも少なくありません。

 

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年収を上げるコツ

年収を上げるためには主に2つのコツがあります。1つ目は「年収が上がりやすい企業を選ぶこと」、2つ目は「経験やスキルをドンピシャで活かすこと」です。

①年収が上がりやすい企業を選ぶ

転職したときに年収が上がりやすい企業の特徴は下記の通りになります。

【業界】
業界によって年収は大きく変わってきます。一度「業界の平均年収ランキング」を調べてみることをオススメしますが、上位に位置している業界は「不動産・住宅業界や金融業界(保険、証券、投資など)」です。一方で、小売・飲食・サービス業界は比較的年収が低いです。金融業界(保険、証券、投資など)は規制業種であるため、他の業種と比べると参入障壁が高く、ビジネス上の競争環境は厳しくありません。そのため高い利益率を確保できていることが高年収につながっています。不動産・住宅業界も利益率の高い商品を扱っていることが要因となっています。

【評価制度】
業種や商品の利益率が高いこと以外に年収を上げるポイントは評価制度にあります。給与が歩合給なのか固定給なのかによって大きく変わってきます。平均年収が高い不動産・住宅業界や金融業界(保険、証券、投資など)は歩合制を採用しているところが多いです。営業の場合、売ったら売った分だけ給与に反映されるということです。固定給がなく、完全歩合制の会社もあります。今までの経験や学歴など全く関係なく、どれくらい受注したかで給料や評価が決まります。外資系企業も歩合制を導入しているところが多いので、「成果や頑張りをそのまま評価してほしい」「とにかく年収を上げたい」「自分の実力なら数字を上げることができる」と考える人にはオススメです。

【業績】
年収に大きく関係するものに賞与・ボーナスがあります。賞与の算定基準は企業により異なりますが、業績が良い企業と悪い企業ではボーナスが大きく異なります。大幅に黒字になった場合は、通常の賞与とは別に業績賞与という形で基本給の数か月分のボーナスをもらえることがあります。それだけで多いところでは100万200万増やすことができます。直近5年くらいの業績推移や今後の予測を調べてみるとよいでしょう。

②自分の経験やスキルをドンピシャで求めている企業を選ぶ

年収が下がるケースで紹介したように、未経験の業種・職種にチャレンジする場合は即戦力でなくなるため、年収が下がりやすいですが、一方で企業が求めている経験やスキルをドンピシャで持ち合わせている場合は年収を上げることは難しくありません。営業職の場合、「扱っている製品の親和性(どれくらい近い製品なのか、金額面は同じくらいなのか、など)」「営業スタイルの親和性(新規開拓なのかルート営業なのか、担当する企業数など)」「顧客先の親和性(顧客の業界や職種が同じなのか)」などに加えて、募集ポジションの採用背景を理解した上でどれくらい求めているターゲットに近いかを考える必要があります。採用背景を理解することはとても重要なことです。25才の第二新卒レベルの人の欠員補充と、マネジメント経験を有している管理職候補の募集とでは求めているスキルやターゲットが大きく異なるからです。求人広告に記載されているケースもありますが、記載されていないときは「歓迎条件」に記載されている経験を確認したり、企業に直接聞いてみるとよいでしょう。

まとめ

転職を考える理由や要因は人によりさまざまありますが、1つだけで転職先を決めると失敗する可能性が高くなるため避けるべきです。今回の転職で叶えたいことをいくつか(大体3~5つ程度)ピックアップし、それぞれに優先順位をつけ、優先順位の高い項目からクリアしている企業を選ぶとよいでしょう。歩合制を導入している企業を選ぶことで大幅に年収を上げることができますが、実力によっては大幅に年収を下げることにもなりますので注意が必要です。リスクが少なく年収を上げる方法は、業績が良く、より利益率の高い製品を扱っている同業他社に転職することです。どれくらい年収をアップさせたいかを考え、自分の経験・スキルや求める環境などトータルで判断し企業を選択することをオススメします。