転職活動において、履歴書や職務経歴書に書かれた志望動機は重要な選考材料の1つです。「この人に会ってみたい」と思わせなければ面接へ進めませんから、よい志望動機を書くことは重要です。もっとも、書籍やWebサイトに掲載された文例を真似すればクリアできるわけでもありません。転職活動において、履歴書や職務経歴書に書かれた志望動機は重要な選考材料の1つです。「この人に会ってみたい」と思わせなければ面接へ進めませんから、よい志望動機を書くことは重要です。もっとも、書籍やWebサイトに掲載された文例を真似すればクリアできるわけでもありません。


よい志望動機を書くためにはご自身での工夫が必要ですが、ポイントを押さえることで問題なく作成できますから、心配はいりません。この記事では、まわりと差をつける志望動機の書き方を解説します。


■志望動機のチェックポイント

面接、そして内定につなげるためには、志望動機のチェックポイントを押さえることが重要です。ここでは3つに分けて、その理由を解説します。


・自分の言葉で書いているか

書籍やサイトの真似でなく、自分の言葉で志望動機を書いているかどうかは重要です。これにより、以下のことがわかります。
・転職を「自分のこと」ととらえているか
・状況に応じ、適切な判断と対応ができるか
例えば「この志望動機で絶対合格!」をうたうサイトがあると仮定します。サイトに記載された志望動機をそのままコピペしたり、少し変えたりして応募書類に記載すると、書類選考で落選しやすくなります。採用担当から見れば同じような志望動機が大量に届くわけですから、「人生で大切な転職活動を、どこかのコピペで済ませるようでは」と思われてしまうのがその理由です。
社会人として求められていることは、当事者意識と状況に応じた判断です。手間と時間はかかりますが自分と向き合い、自らの言葉で志望動機を書きましょう。


・応募先企業の営業スタイルが、あなたの希望と合っているか

ひとくちに営業職といっても、どれも同じではありません。例えば個人向けと法人向けでは、以下の違いがあります。

項目 個人営業 法人営業
金額 数万円から数千万円までさまざま 数百万円以上が多い。ときには1億円以上になることも
稼働日 土日が仕事となるケースも少なくない 土日は休みとなる場合が多い
決裁者 商談相手の場合が多い 管理職や経営者となるため、商談相手とは違う方の場合が多い
感情に訴える表現 適切に使えば、有効となる場合もある 無効な場合が多い

このため応募先の営業対象が個人か法人かを、あらかじめ確認する必要があります。応募先企業の営業スタイルをよく調べないまま転職すると、「うちに合わない」と思われ、書類選考で落ちる原因となります。
一方で「法人営業の経験がある方は法人営業にしか転職できない」ともいえません。相応の理由があれば法人営業から個人営業など、キャリアチェンジを行うことは可能です。


・「なぜ当社なのか?」という疑問に答えており、会ってみたいと思う文章か

企業が人を募集する背景には、以下のものが代表的です。
・欠員を補充したい
・新規事業を始めるので、大量の人員が必要
・今の人員では課題を解決できないので、相応のスキルを持った人材が欲しい
加えて応募者には、「なぜ当社なのか?」という点もチェックされます。
書類選考を通過するには、採用担当者が「ぜひこの方に会って、話を聞きたい」と思わせる志望動機が必要です。その意味で「貴社の事業に関心があります」などの内容では、選考に通過しにくいと考えられます。

 

■まわりと差がつく志望動機の書き方

応募書類に志望動機をどう書くかは、面接にたどり着けるかどうかを左右する大きなポイントです。その点では、まわりといかに差をつけるかが重要です。ここでは志望動機の書き方を、4つに分けて解説します。


・募集企業を研究し、特徴や募集の背景を探る

まず求人を募集している企業のなかから、気になった企業を選びましょう。募集内容や企業のWebサイトなどを確認し、企業の特徴や募集の背景を探ります。以下にあげる点は、チェックをおすすめするポイントの一例です。

ポイント 観点
採用人数が多い 新規事業の立ち上げかどうか。特段の事情がないのに大量採用する場合は、従業員を使い捨てにする企業の可能性がある
いつも募集している 何らかの事情(給与や労働条件が悪い、応募者に求める条件が高いなど)により、応募者が集まらない。または事業が急拡大しているため、増員が追いつかない
欠員募集 募集人数が少数の場合は、少なくとも前任者と同じレベルの仕事ぶりが求められる。早期入社を求められる場合も多い

募集の背景を探ることでどのような人材が欲しいか、ある程度推測できます。あわせて以下の項目も、ぜひ確認しておきましょう。
・業務内容
・社風
・企業が将来注力する事業
これらは入社後、職場で実績をあげられるかを左右する事項です。まずは企業を知ることが、適切な志望動機を書くカギとなります。

 

・ご自身の経歴や実績、強みを棚卸し、募集企業との共通点を見つける

志望動機を書く際には、自分自身を知ることも重要です。ご自身の強みや、これまでの経歴や実績を確認しまとめましょう。このとき「私は何ができるか」という観点でまとめると、募集企業が求める資質との比較がしやすいです。
まとめた内容をもとに、募集企業との共通点や入社後に活かせる点を考えます。これらは次に解説する「なぜ当社なのか」という質問への回答を作るにあたり、重要な情報となります。


・「なぜ当社なのか」という理由も必要

採用担当を納得させるためには、「数ある会社のなかから、なぜ当社なのか」という理由が不可欠です。充実した経歴を持つ方でも「この方はどこでもよいのかな」と思われると、選考にはマイナスの影響を与えます。
もっとも企業研究やご自身の棚卸しをしっかりやっていれば、会社ごとの違いやご自身との相性もある程度把握しているはずです。そのため、この質問に答えることは難しくありません。入社後に何をしたいのかをイメージし、文章にしましょう。
加えて、以下の事項に触れることも必要です。
・同業他社からの転職では、「どうして今の会社を辞めてまで当社に入りたいのか」という理由
・異業種や他の職種からの転職では、営業職を目指す理由
いずれも入社後に活躍できるかという点で重要なポイントですから、しっかり記載しましょう。

 

・自分自身の強みをアピールする

志望動機を書く際には、あなたを採用した結果、企業に与えるメリットを伝えることも重要です。ご自身の強みをもとにして、入社後に貢献できるポイントをアピールしましょう。
そもそも転職活動は、自分自身のセルフプロデュースという側面もあります。事実を過大に書くことは避けるべきですが、これまであげてきた実績は事実ですから、しっかりアピールすることが重要です。

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■営業の種類別・志望動機の文例

ここでは個人営業と法人営業に分けて、志望動機の一例を考えてみます。冒頭で述べたとおりあくまでも一例ですから、これを真似しただけで書類選考を通過できるとは限りません。志望動機をどう組み立てればよいか、参考資料として使うことをおすすめします。

 

・個人営業の一例(建売住宅の営業から、保険営業への転職)

私はこれまで10年間、建売住宅の営業マンとして、さまざまな一般のお客様と接してきました。社内で営業実績No.1となったこともあり、表彰を頂いたことも何度かあります。
今回転職に至った理由は、お客様から「老後が不安である」という話を何度も伺ったことにあります。その言葉から住宅を販売するだけの関わりでなく、お客様の生活を老後までしっかりサポートできる職業に就きたいと思うようになりました。
貴社は介護保険をはじめ、老後の生活に役立つさまざまな保険を扱っていると伺っております。入社後はこれまでの営業経験をベースに、顧客の信頼とシェア拡大を勝ち取った上で、貴社の業績アップに貢献できると考えたため志望いたしました。


・法人営業の一例(Webサービス会社の営業から、受託開発会社の営業へ)

私はこれまで5年間、Webサービス会社の営業マンとして、法人向けに営業を行ってまいりました。数千万円の契約を受注したことも何度かあり、現在も契約を継続する顧客も多いです。
一方で現在の会社では個別対応が難しく、「機能の拡充を求めているのに、なかなか反映されない」という苦情を幾度となく頂いておりました。お客様のニーズにフィットしたシステムサービスを提供するには、個別の機能を柔軟に提案できる受託開発会社が最適と考え、転職に至りました。
貴社はこれまで私が携わってきた、生産システムに強いと伺っております。貴社であれば私の持つ業務知識と営業経験を生かせると考え、応募いたしました。

 

■まとめ

ここまで解説したとおり、まわりと差がつく志望動機は地道な努力で作成できます。まずは応募先の企業に加えて、ご自身の経験や強みも知りましょう。その上で「ぜひ会ってみたい」と思わせる工夫をすると、書類選考を通過する可能性がアップします。
本記事を参考にオリジナルの志望動機を作成し、転職活動に役立ててください。