「無形商材は有形商材よりも魅力があるのか」「無形商材の営業はスキルアップになるのか」と疑問を感じている方もいるでしょう。無形商材の営業は近年人気が高まっているものの、転職をする際には有形商材に比べてやりがいがあるのか、スキルが身につくのか悩みになりがちです。
この記事では無形商材を取り扱うと何が良いのかをわかりやすく解説します。今後のキャリアを考える上で重要なスキルを習得できるのかどうかを確認しておきましょう。
■無形商材の営業の特徴とやりがい
無形商材の営業は形がないものを顧客に提案するのが特徴です。有形商材とは違って顧客に現物を見せることができないため、難しいのではないかと思う人も多いでしょう。ここではもう少し具体的に無形商材の営業について解説した上で、どのようなやりがいがあるかを説明します。
無形商材の営業はサービスを提案する
無形商材の営業では情報や技術などのサービスを提案・販売します。コンサルティングや人材紹介、ITサービスや保険などが無形商材の代表例です。
有形商材の場合には商品を見せてアプローチをすることが可能です。しかし、無形商材はサービスを利用してみないと内容をイメージしづらい性質があります。例えば、コンサルティングは実際に受けた提案を実行に移してみなければ成果につながるかどうかがわかりません。そのため、無形商材の営業ではお金を払っても効果がないのではないかという顧客の不安をなくすアプローチの重要性が高いのが特色です。
成果が個人に帰属される傾向が強い
無形商材の営業は属人的とよく言われています。営業力の高さが求められるため、成果が個人に帰属される傾向が高いのです。そのため、成果を上げると評価も上がりやすいのがやりがいになります。
企業による違いはあるものの、チームではなく個人で営業することが多いのも特徴です。アプローチをする顧客の選定から自由におこなうことができるため、自分なりの考えで売上につながる顧客を探せます。主体性がある人にとって大きなモチベーションになるポイントです。
顧客との長期的なつながりが強い
無形商材は顧客とのつながりが強くなるのも特徴です。人材紹介サービスで優秀な人材を紹介してもらえたら、また依頼すると適材を紹介してくれると期待できるでしょう。コンサルティングの効果が上がったら契約を継続したいと考えるのがもっともなことです。
属人性が高いことは顧客側も理解しているため、自分の顧客とも言えるほどの強いつながりが形成されます。ずっと本気で付き合える顧客を見つけられると仕事のやりがいも大きくなるでしょう。
歩合率が高いことが多い
無形商材の営業は個人の能力によって売上への貢献度が大きく異なります。優秀な人材をできるだけ多く確保したいのが企業の本音なので、無形商材は有形商材に比べて歩合率が高い傾向があるのも魅力です。
歩合率が高ければ売上が給与に反映される割合が大きくなります。50万円の売上を出したときに歩合率が10%では5万円ですが、20%あれば10万円にも上ります。歩合率が高いほど売上にこだわって働くモチベーションが上がるのは明らかでしょう。稼ぎたいという気持ちで転職先を探している人にはうってつけの仕事です。
■無形商材の営業で身につくスキル
無形商材の営業では幅広いスキルが身につきます。将来性の高い人材になるために欠かせない能力を育むチャンスを得られるため、スキルアップのために無形商材の営業経験を積む人も少なくありません。どのようなスキルの習得につながるのでしょうか。
表現力
無形商材の営業では広い意味での表現力が身につきます。有形商材では商品を見せれば良いというスタンスで営業をすることも可能ですが、無形商材の場合には説明を通して顧客に明確なイメージを持ってもらわなければなりません。
図解してメリットをわかりやすくしたり、具体的な事例を挙げて理解を促したりする工夫をしたりすることが必須です。創意工夫をして顧客にわかりやすい表現をする能力を自然に育むことができます。
傾聴力
顧客へのヒアリングは営業の基本です。有形商材に比べると無形商材ではヒアリングの重要性が高く、仕事を通して傾聴力を磨くことができます。
無形商材の場合には有用そうだから試しに使ってみようということはあまりありません。継続的に利益をもたらすサービスだと確信した上で契約するのが一般的になっています。
そのため、無形商材の営業では顧客の悩みや課題の核心を理解しなければなりません。上辺だけでなく、潜在的な悩みまで把握して提案するための傾聴力が飛躍的に高まります。
提案力
無形商材の営業で働くと提案力も向上していきます。無形商材は顧客の課題を解決するのに最適なサービスだと認識してもらわなければ売れません。他にも選択肢がある中で、提案しているサービスがなぜベストなのかを論理的に説明する必要があります。データに基づいて納得してもらえるプレゼンテーションをしなければなりません。
提案力は営業職にとって必須で、人材価値を高めるためには欠かせないスキルです。汎用性も高いスキルなので、他の職種やマネジメント層で活躍していきたい人にも重要になります。活躍できる人材になりたいなら無形商材の営業を経験して成長を目指すのが合理的でしょう。
■まとめ
無形商材の営業はサービスという形のない商材を取り扱うため、有形商材に比べて難しいと思われがちです。確かに商材に対する顧客の不安を取り除き、魅力的なサービスだというイメージを持ってもらうのは簡単なことではありません。
しかし、営業スキルとして重要な表現力や傾聴力、提案力などのスキルアップに直結する点で大きな魅力があります。成果が個人に帰属されやすく、給与や評価にも反映されやすいのがやりがいになるでしょう。顧客から信頼を得て強いつながりができると自身も生まれます。将来性の高い人材になるためのスキルを育むことにつながるので、無形商材の営業への転職を前向きに考えてみましょう。