効率的な営業の手法として注目されているインサイドセールスですが、「インサイドセールスで成果を挙げるにはどうしたらいいの?」「インサイドセールスの成否を判断できるKPIがわからない」と思っている方が多いのではないでしょうか。

本記事では、インサイドセールスの成果を効率的に上げるために、インサイドセールスが果たすべき役割、インサイドセールスの成果を判断できるKPI、そしてKPIを改善する方法についてご紹介していきます。インサイドセールスに転職したばかりで伸び悩んでいる方、興味があるけど成果を挙げられるか不安な方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

■インサイドセールスとは

インサイドセールスは、メールや電話、Webツールを活用して見込み客との関係を作り上げ、見込み客と営業担当者を結びつける営業手法の一つです。

他にも、数ある顧客の中から商談成立の可能性が高い見込み客を見極めて営業に紹介したり、既存顧客に対しては営業担当に代わって継続的に新規情報を提供することで見込み客に育て上げます。インサイドセールスの目標は、顧客が自社商品・サービスを購入したくなるように関係性を作り上げることです。

■インサイドセールスの役割について

インサイドセールスには、自社商品やサービスの売り上げを伸ばす上で重要な役割が複数あります。インサイドセールスの業務効率を上げるにはKPIの設定が必要ですが、KPIを検討するにはまずはインサイドセールスの役割を定義しておきましょう。

インサイドセールスの役割は、下記の3つに分かれています。

・見込み顧客を購買に誘う
・一度破談した顧客のアフターケア
・新規顧客の開拓

インサイドセールスの成績が振るわない方は、自分の業務が商品・サービスの売り上げとどのように関係しているのかを再確認しましょう。
ではそれぞれ順番に見ていきましょう。

見込み顧客を購買に誘う

自社商品・サービスに興味を持っている顧客や一度商取引を行ったことのある既存顧客などの見込み顧客を購買に誘導する役割があります。見込み客は自社商品を使用して価値を認めていたり、未使用ではあるが興味を持って問い合わせフォームを通じて連絡をしてきているため、顧客の課題を分析して自社商品が解決策になることを訴求することで購買に結びつけることができます。

そのため、インサイドセールスには顧客課題をMECEに把握する力、自社商品への深い知識、そして顧客に即座に情報を提供する俊敏性が必要です。

一度破談した顧客のアフターケア

見込み顧客や新規顧客との商談が失敗した後も、それらの顧客と関係性を保持して適切なタイミングで自社商品・サービスを紹介する、アフターケアの役割もあります。一度破談しても、顧客がその時点で抱えていた課題に自社商品がマッチしなかったり、自社商品が競合と比較して魅力的でなかったりしただけで、顧客が新しい課題を持ったり、開発部が自社商品を改良すれば商談が成功することもあります。

インサイドセールスは、一度持った関係性を大切にして、顧客の現状や自社の新商品の連絡などアフターケアを粘り強く行う忍耐力が求められています。

新規顧客の開拓

これまで商取引のない新規顧客に電話やメールをして、自社商品・サービスの価値を伝えて興味を持たせることもインサイドセールスの役割です。従来の営業とは異なり、インサイドセールスは顧客とオンラインでやり取りを行うため、顧客との接触回数を効率的に増やすことができます。

インサイドセールスでは、キーパーソンとの接触回数を増やすこと、オンラインでの関係構築力が必須になります。

■インサイドセールスのKPIは5つ

ここまで、KPI設定のために、インサイドセールスの役割についてご紹介しました。では、実際にそれぞれの役割を定量的に測定することができるインサイドセールスのKPIを5つご説明していきます。

①架電数・架電率

電話をどれくらいの数かけたのかを表す「架電数」や、かけた電話が実際にどれくらいに繋がったのかを表す「架電率」が挙げられます。架電数はインサイドセールスが顧客に対してどれくらい接触を測ったのか、その行動量や努力を測定するKPIとして設定されます。架電数が評価されるのは、新人のインサイドセールスが多いからです。

この他にも、インサイドセールスの電話については、どれくらい顧客に話を聞いてもらえたのか、通話内容の質を示す「通話時間」もKPIに設定されることもあります。

②メール開封率

顧客に送ったメールのうち、どれくらいのメールが実際に顧客によって読まれたのかを表す「メール開封率」が挙げられます。顧客にとって、自社商品・サービスに潜在的ニーズがなければメールは開かれることなく削除されるため、メール開封率によって、インサイドセールスの顧客分析の質を測定することができます。

誤開封を排除するために、メール内の商品・サービスの「URLアクセス率」をKPIに設定することもあります。

③商談数・商談率

インサイドセールスが送ったメールや電話によって、どれだけ対面の商談やオンライン商談のアポイントメントを獲得したのかを表す「商談数」や、メール・電話の接触数で商談数を割った「商談率」が挙げられます。インサイドセールスの目的は、顧客の潜在ニーズを想起させ、自社商品の購買につながる商談を実現することにあるため、商談数・商談率は中堅のインサイドセールスのKPIとして使用されます。

④受注数・受注率

インサイドセールスがアポイントメントを獲得した商談によって、どれくらい商品・サービスの購買に結びついたのかを表す「受注数」や、その成功率を表す「受注率」が挙げられます。これらをKPIとして設定することによって、インサイドセールスにおいて電話やメールなどの初期アプローチから受注を意識することができます。そのため、インサイドセールスのヒアリング力の向上につながります。

⑤受注額

インサイドセールスが実現させた商談において、どれくらいの規模の取引に結びついたのかを表す「受注額」もKPIとして挙げられます。「受注額」を意識することによって、顧客との関係性や商品・サービスへの知識を深めるインセンティブを持つことができるため、インサイドセールス全体の質が向上します。

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■KPIを改善するために必要なこと3つ

KPIを設定することでインサイドセールスのスキルや意識を高め、成果を挙げやすくなります。しかし、KPIの数値ばかりを追っていては、KPIを設定した目的を見失い、インサイドセールスのパフォーマンスを高めることには繋がらないことに注意しましょう。ここでは、KPIが伸び悩んだ時に改善すべきポイントをご紹介します。

◎顧客が本当に知りたいことは何なのか考える

「架電数」や「架電率」、「メール開封率」が高いのに、「商談数」や「商談率」が低い場合は、顧客が本当に知りたい情報を伝えられていないことが原因として考えられます。顧客の業態や業務内容、取引先や商品・サービスを細かく分析し、顧客が気づいていない課題を見つけだして、自社商品・サービスがその課題を解決することを伝えることで、KPI改善につながります。

◎自社商品・サービスが与える価値を見直す

上記のケースに加え、「受注数」「受注率」が低い場合は、顧客の課題分析はうまくいっているが、自社商品・サービスの価値を言語化できていないことが原因として考えられます。まずは、自社商品・サービスを自分で使用することで消費者目線で価値を再発見することが必要です。また、モニターを活用して自分では気づかなかった消費者の声を分析することもKPI改善につながります。

◎電話の本数を考え直す

そもそも「架電数」や「架電率」が低い場合は、電話の本数を考え直すことが必要です。中堅のインサイドセールスに多いのですが、顧客分析に時間を割くことで電話の本数が充分でない場合、必然的に架電数は低くなりますし、架電率も低くなる傾向にあります。分析も重要ですが、見込み客に対して電話の本数を増やすことは、顧客との接触を増やすことになります。提案や企画書のようなインサイドセールスの根幹を共通化し、時間を効率的に使用することで架電数を増やすことができます。

■まとめ

ここまでお伝えしてきたとおり、インサイドセールスにおいて、適切なKPIを設定することでパフォーマンスを上げることができます。その上で、KPIの数値だけを追うのではなく、KPIの背後にあるインサイドセールスの役割を見つめ直すことでKPIの改善、ひいてはインサイドセールスで成果を上げることができます。

本記事でお伝えしてきたインサイドセールスのKPIを理解したうえで、ぜひ成果の上がる営業を実践していってください。