転職エージェントを利用しようと考えたとき、まず一番に思いつくのが大手エージェントだと思います。知名度もあって安心ですし、求人数も豊富に揃えておりますので、非常に便利なのは確かです。ですがなぜ、世の中には中小エージェントが存在しているのでしょうか。それには理由があるのです。
ここでは、大手エージェントと中小エージェントの違いを知ることで、転職エージェントをより上手に利用するお手伝いができればと思っております。
エージェントの分類比較
大手エージェント | 中小エージェント | |
求人数 | ◎ | △ |
マッチング精度 | △ | ◎ |
カウンセリング対応 | ○ | ◎ |
書類通過率 | △ | ◎ |
内定率 | ◯ | ◎ |
転職成功率 | ◎ | ◯ |
転職エージェントが保有する非公開求人ってなに?
転職エージェントが保有する求人は、求人広告などでは掲載されていない「非公開求人」がほとんどの比率を占めます。
求人企業が広告に掲載しない理由として、競合他社に情報を出したくないという理由もありますが、ほとんどが無駄な応募者対応の工数を削減することが理由になります。
私も自社の採用活動に携わった経験がありますが、20代の若者を採用したいと思い広告を出しても、応募者の半数以上が40代以上の応募者がきてしまい、応募者の対応に追われてしまったという苦い経験があります。
ですので、こうした1次フィルターを転職エージェントにアウトソーシングし、効率的な採用活動を行うために、あえて求人を公開していないのです。
求人数の多さは圧倒的に大手エージェントの方が豊富!
転職エージェントを利用しないと教えてくれない非公開求人は、あなたが思う以上にたくさん存在します。その中でも大手エージェントが保有する求人は、中小エージェントと比べ、大企業からベンチャー企業までバリエーションに富んでおり、きっとあなたが行きたいと思う会社に巡り合えると思います。
一方で、中小エージェントは人的資源が大手エージェントと比べ少ないため、求人企業開拓に避ける時間も少ないです。そのため、必然的に求人数は少なくなってしまいます。
大手エージェントのように保有する求人数が多いことに越したことはありませんが、あなたが転職できる会社は1社だけとなります。大手エージェントほどバリエーションがあるとは言えませんが、中小エージェントでもあなたが行きたいと思う求人を保有しておりますので、ご安心ください。
中小エージェントの魅力は、提案される求人のマッチング精度!
中小エージェントから提案される求人の魅力は、何といってもマッチング精度の高さにあります。大手エージェントは求人企業と求職者の担当を別々のコンサルタントが担当する分業制を採用しています。ここで落とし穴があります。
あなたに対して転職のアドバイスをしてくれるコンサルタント(キャリアアドバイザー)は、求人企業に訪問したことがありません。こうした背景の中で、あなたの経験や要望を聞いて条件に当てはまった求人企業をピックアップして紹介してきますので、マッチング精度が高いわけありません。
さらに、あなたに紹介する求人企業の情報をほとんど知らないため、もっと企業のことを知りたいと思って質問しても、ありきたりな回答しか返ってこないのがしばしば。その点で言えば、中小エージェントは、求人企業と求職者の両方を一人のコンサルタントが担当する一気通貫型を採用しているため、あからさまにミスマッチしている求人は、あなたに紹介してきません。
また、紹介する求人企業に直接訪問して取材しているため、訪問した人しか知りえない情報を保有しています。ホームページを見るだけではわからなかった企業の魅力を知ることで、選択肢の幅を広げることができるかと思います。
書類通過率も圧倒的に中小エージェントの方が高い!
大手エージェントは、あなたの経験や希望条件に当てはまった求人企業を機械的にピックアップし、紹介してきます。求人数こそ多いですが、マッチング精度は高いとは言えません。
一度でも人材業界で働いたことのある方ならご存知だと思いますが、書類選考においては通過するポイントとしては、経験がマッチしていることはもちろん大事ですが、それ以外の要因もございます。たとえば、求人企業の採用意欲が挙げられます。
求人企業の採用意欲は刻々と変化しています。当たり前の話ですが、採用意欲が高ければ書類通過率も高まり、採用意欲が低ければ書類通過率が低くなります。大手エージェントはこうした情報をキャッチアップせずに求人を紹介してきますので、書類通過率は低くなってしまうのは当然のことです。
もちろん書類通過率は転職エージェントによって異なりますが、一般的に大手エージェントだと20~30%に比べ、中小エージェントだと70~80%と大きな違いがあります。大手エージェントを利用し、多くの求人を紹介されたとしても、その期待はすぐに崩れ去ってしまうことがしばしばあります。
求人数なら大手エージェント、丁寧さなら中小エージェントがおすすめ!
上記でもお伝えしましたが、求人数を求めるならやっぱり大手エージェントがおすすめです。しかし、人生に大きな影響を与える転職ですから、真剣に相談に乗ってもらいたいと思うのは当然です。
大手エージェントの場合、知名度もありますので、次から次に求職者が登録されてきます。そのため、面談時間も30分、長くても60分ほどしか対応してくれません。1か月あたり30名以上の新規登録者とお会いしているため、下世話な話ですが、わがままばかり言ってくる面倒な求職者や職歴が良くない求職者に対しては、そこまで相手にすることができません。
いろいろ相談したいという方だけでなく、職歴が少し多かったり、自分の経歴に自信がなかったりする方も中小エージェントの方が親身に対応してくれます。個人的には大手エージェントを2社、中小エージェントを1社、計3社ほど目的に合わせて転職エージェントを利用するのが上手な使い方だと思います。
担当してくれるコンサルタントが誰になるのかは非常に重要!
ここまでは大手エージェントと中小エージェントの違いについて解説させていただきましたが、中小エージェントだからと言って、誰もが丁寧にサポートしてくれるわけではありませんのでご注意ください。どの転職エージェントに限らず、経験の少ないコンサルタントをアサインされると、仕事について理解が浅かったり、あなたの要望を汲み取ってもらえなかったりします。
あなたを担当するコンサルタントとの相性が合わなかった場合は変更もできますので、我慢して進めるのではなく遠慮しないで変更依頼するのがいいでしょう。信頼できるコンサルタントと巡り合うことができれば、あなたの強力な味方となり、転職成功へと導くサポートをしてくれること間違いありません。
その他、力のあるコンサルタントであれば、書類通過率や内定率にも大きな影響を及ぼすことができます。力のあるコンサルタントは、求職者だけでなく求人企業からも絶大なる信頼を勝ち得ています。そのため、求人企業も信頼しているコンサルタントからの紹介なら一度会ってみようと思いますし、それはこの業界に限らず、プライベートでも同じかと思います。