自分のキャリアを考えたとき、どういったキャリアを積んでいけばいいのかなんて、正直なところわからないですよね。若ければ若いほど、自分が経験したこと以外のことなどイメージできるわけありません。
また、正しいキャリアプランなど存在せず、結局のところ、その人が社会人人生を終えたときに、「よかった」と思えることが大事だと思います。ただ、キャリアというのは積み重ねていくもので、白紙にすることはできません。
気付くのが遅ければ遅いほどやり直しがきかなくなります。途中でやっぱり違ったと思わないためにも、ここでは営業職としてキャリアを積んでいくうえでヒントとなる個人的見解をお伝えできればと思います。

 

営業職といっても、身につくスキルは千差万別!

営業職と一言で言っても、世の中にはたくさんの営業職が存在します。顧客、商品・サービス、営業スタイル、そして組織文化などによって、営業の難易度が異なり、身につくスキルも異なってきます。
顧客で言えば、対象が大手企業なのか、中小企業なのか。法人なのか、個人なのか、それとも店舗なのか。大手企業向けであれば組織的な営業スキルが身につくでしょう。一方で中小企業ですと、商談相手が経営者のケースが多いため、また少し違う営業スキルが身につくでしょう。
また、営業を経験したことのある人ならわかると思いますが、法人向けと個人向けの営業では、営業の間合いも異なり、必要とされるスキルも異なります。そのため、個人営業では成果を残したけれど、法人営業では成果を残せなかったという人が実際に存在するのも事実ございます。

商品・サービスにおいても千差万別です。わかりやすいところで言えば、有形商材を営業するのと、無形商材を営業するのでは、難易度は大きく変わります。コップやペンといったわかりやすい商材を提案する営業と、広告といった使ってみないと効果がわかりにくい商材を営業するのでは、明らかに難易度が異なります。前者であれば、実際に商品があるため、お客様に手に取っていただき、機能を説明すればいいかもしれませんが、後者になりますとそうはいきません。モノがない商材をお客様に良いと思っていただくためには、論理的にサービスを伝えていく必要があります。もちろん、サービスの良さを裏付けするデータも必要となるでしょう。転職市場において、メーカーから無形商材の営業職に転職をして成果を出せない人がいる背景としては、商品力に頼った営業をしていた人が当てはまります。

営業スタイルも、新規開拓営業や既存深耕営業などが存在します。新規開拓営業でも、テレアポや飛び込みといったプッシュ型のスタイルから、WEBや広告による反響型のスタイルがあり、会社のマーケティング方法によって、営業スタイルも異なれば、求められるスキルも異なります。

 

同じ営業職でも転職先の選択肢は大きく異なる!

営業職を経験すれば、営業職の求人であればどこでも通用すると勘違いする方がおりますが、現実はそうではありません。先ほども申し上げた通り、顧客や商品、営業スタイルによって身につくスキルも異なれば、必要とされるスキルも異なります。例えば、同じ新規開拓営業といっても、プッシュ型のスタイルのほうが反響型のスタイルと比べ、見込み客を見つける力(マーケティング力)や瞬時に人の心をつかみ取るコミュニケーション力が必要となるでしょう。また、テレアポの場合では、アポ率が1%だとしたら、100件架電して99件は断られるため、ストレス耐性なども必要となるでしょう。

転職市場では、既存深耕営業よりも新規開拓営業のほうが価値が高いとみなされるケースがほとんどです。また新規開拓営業といっても、反響型のスタイルよりもプッシュ型のスタイルの方が評価されるケースが多いです。それは上記にもお伝えした通り、身につくスキルが多いからです。ただ例外のケースもあります。例えば、IT・通信業界などでよく見られることですが、見込み客発掘と商談する営業が分業化されている場合です。プッシュ型の新規開拓営業を経験しているとはいえ、商談は全て先輩社員が行うという場合ですと、身につくスキルは限定されてしまいます。こうしたケースですと、転職市場では思ったほど評価されないことがありますので、お気を付けください。

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20代が勝負。30代からやり直しはできません!

これまでのキャリアの選択を十分に検討しなかったことで後悔している30代を多く目の当たりにします。チャンスがある20代のときにリスクを負って新しいキャリアに挑戦してみるべきだったと嘆いても、すでに手遅れです。こうしたことは世間一般でもよく言われていることですが、それなのになぜ20代のうちに手を打たない方が存在するのでしょうか。
まず一つは、若いというだけで転職先があるという現実があること。20代のときであれば、2回くらい転職履歴があっても、正直なところ選ばなければ転職先はいくらでもあります。(もちろん、数カ月という早期退職を繰り返すようでしたら別の話になりますが)。だからこそ、上司や先輩が何を言っても、心に刺さるわけありません。

ただ、嫌なことから逃げ、楽を選択してきた人に、明るい未来が待っているわけありません。自分の生活さえできればよかった独身のときと比べ、既婚者となると家族を養っていかなければなりません。家族の生活費や子供の学費なども稼がなければならないため、独身の時と比べると、お金が必要となります。こうしたときに急に年収アップを求めても、中身がない人に年収アップは見込めません。
また、嫌なことから逃げ、楽を選択してきた人は、30代となると企業からあまり相手にされなくなり、選択肢が急に少なくなってしまいます。こうした30代を採用するよりも未経験の若手を採用したほうがいいと思うのは当然な話です。人は嫌でも年齢は上がっていくものです。「若さ」という、いわゆる資格みたいなものがなくなってしまうのも30代です。
若さを使える20代のときにどれだけ中身を充実させることができるかが、30代を決めるといっても過言ではありません。どんな人でもチャンスがあるというのは神話であり、努力した人にのみチャンスがあるというのが正しい表現でしょう。