効果的な推薦文は内定率をアップさせる?推薦文によって内定率が変わるのか、効果的な推薦文とはどういうものなのかについて徹底解説。
推薦状とは?
推薦状とは、転職希望者を第三者が評価したものになります。本人や近しい人ではなく、直属の上司に書いてもらうことが多いです。また、転職エージェント(人材紹介)を利用する場合、履歴書や職務経歴書とは別に、キャリアアドバイザーが推薦状を書くサービスもあります。
推薦状の役割とは、履歴書や職務経歴書ではなかなかわからない内容を伝えることができたり、履歴書などに記載されている内容に説得力を増すことができる点になります。履歴書や職務経歴書に記載する項目は、「名前や住所などの個人情報」「学歴や職歴」「業務内容や業績」「自己PR」などがありますが、推薦状には「人柄や性格」「転職理由」「職場での評価・勤務態度」などを記載することで、履歴書などでは見えてこなかった転職希望者の特徴や人物像をよりイメージさせることができる効果があります。
効果的な推薦文は内定率をアップさせる?
推薦文によって内定率を上げることは可能です。転職における選考フローは、一般的に書類選考→1次面接→最終面接→内定→入社という流れになりますが、効果的な推薦文を提出することで書類選考の通過率を上げることにつながります。面接だけでその人のすべてを見抜くことはできないため、推薦状に記載されている内容によっては企業側の懸念払しょくになり、内定をもらえることも少なくありません。
効果的な推薦文とは?
推薦文によって内定率を上げることはできますが、逆に下げることにつながってしまうこともあります。推薦文に記載される「人柄や性格」「転職理由」「職場での評価・勤務態度」について、効果的な推薦文にするために気を付けないといけないポイントをご紹介します。
転職理由
企業側が採用する際に細心の注意を払う点が、「採用してすぐに辞めないかどうか」です。1人を採用するために多くの時間・工数・コストを費やすことになるため、採用したのはいいけど早期退職されてしまっては企業にとって損でしかないため、入社後長期的に活躍してもらえそうかの観点で選考を行います。すぐに辞めるかどうかを判断する重要な材料として転職理由があります。前職の転職理由と似たような環境があり、転職理由の改善につながらない場合や、転職理由が毎回異なり、隣の芝生が青く見えるタイプなどの場合は、採用することを避ける傾向にあります。
自分で転職理由を書く場合は、主観が入る可能性があるため、信用されないことがあります。そのため第三者から転職理由を伝えてもらうことでより説得力を増すことにつながります。いくつかの転職理由を見ていきます。(大前提、嘘をつく必要はありません。)
【働き方について】
残業や休日出勤が多いことがキッカケで転職を考える人は多いでしょう。企業側が「それなら仕方ない」と思えるレベルの場合はそのまま記載して問題ありません。労働基準法に違反しているレベルでの就業を数年間続けていた場合は、逆にストレス耐性が高いと評価を高める可能性があります。仕方ないと思えるレベルは企業により異なりますが、例えば営業職の場合は、月の平均残業が60時間を超える場合や休日出勤が多く、週に1回程度しか休みを取ることができない場合になります。月の残業時間が100時間や月に4回以下の休みしかとれない状況であるならば、必ず伝えるようにしましょう。月の残業時間が40時間程度や週休2日制で月6日程度の休みの場合は注意が必要です。転職希望者にとっては大変なレベルであったとしても、「そのくらいで退職するのか」とマイナスに感じられることがあります。記載する場合は必ず明確な理由とそれ以外の転職理由も書くようにしましょう。
※週休2日制とは、一月の間に一回以上2日以上の休みがある週をもつことです。勘違いされやすいものに「完全週休2日制」があります。こちらは毎週必ず週に2日以上の休みがあることになります。
【人間関係について】
最も記載することが難しい内容になるため、パワハラやセクハラであってもできる限り控えた方が無難です。残業などと違い数字で表すことができないため、人により捉え方が異なるためです。転職理由の一つとして伝えることは良いですが、メインの転職理由にすることは避けましょう。
【スキルアップについて】
転職理由としてよく目にするスキルアップですが、企業によっては最も嫌う理由である場合もあります。ネガティブな理由を隠そうとするときに使われやすい内容になるためです。本当にスキルアップが転職を考える一番の理由であるならば、より具体的にどういったスキルアップを望んでいるのかを記載するようにしましょう。
【その他について】
Uターン・Iターンは記載すべきですが、全国転勤の総合職の場合は注意してください。転勤可能であることを伝えても、「本当に大丈夫なのか?転勤の際にまた辞めてしまうのではない?」と懸念に思われる可能性もあります。転勤が難しい場合はその旨をはっきりと伝えるか、転勤無しのポジションを選びましょう。育児や介護などの家庭事情の場合は、記載することは問題ありませんが仕事に影響がないことをアピールください。家から勤務地が遠く、通勤時間が長いという理由については、あまり記載しない方が良いでしょう。通勤時間を短くしたい理由がプライベートに関することなら尚更です。
人柄や性格
仕事に取り組む姿勢や仕事に対する想いを伝えると評価が上がりやすいです。目標数字へのコミット力の高さ、モノづくりへの想い、業界・製品に対する強い情熱、チームワークの大切さ、顧客志向・ホスピタリティなどをうまく伝えることで書類通過率や内定率は大幅にアップさせることが可能です。姿勢や想いを持つようになった背景や理由を明確に伝えることができれば、より評価が高まるはずです。ただし、良く見せようとしすぎることは控えましょう。書類選考を通過したとしても、面接で「思っていた人と違う」とギャップを感じて落ちてしまう可能性があります。
職場の評価
一緒に働いたことのある人からの評価はとても参考になります。しっかりとした想いをもっており、高い業績を残していたとしても、勤務態度が悪かったり、周りからの評価が低い人とは一緒に働きたくないものです。直属の上司に推薦状を書いてもらうときは、より詳しく記載してもらえるようにお願いすると良いでしょう。
まとめ
可能であれば推薦状を書いてもらうことをオススメします。注意すべきポイントを疎かにすることでマイナスの評価になってしまう可能性もありますが、適切に記載することで書類通過率・面接通過率・内定率をアップさせることができます。特に自分で言ってもなかなか信用してもらえない内容についてはより効果的です。第三者から転職理由を伝えることで、企業側に仕方ないと思わせたり、納得させることができます。一緒に働いた人からどう見られているのか、どれくらい評価されているのかを伝えることで、一緒に働きたいと企業側に思ってもらうことができれば、内定のチャンスは大幅に上がります。転職エージェントを活用する場合、キャリアアドバイザーによっては推薦状に記載する内容が似たようなものばかりなことがあります。企業に提出する前に一度しっかりと目を通し、必要であれば他の人にも見てもらい、効果的な推薦状になっているかのアドバイスをもらいましょう。