晴れた転職先が決まったと安堵したのも束の間。最終関門である退職交渉があなたを待ち受けています。退職届を上司に提出しても破り捨てられ、拒否され退職を受け入れてもらうために苦労した人も少なくありません。苦労して獲得した内定を退職交渉がうまくいかず、逃してしまうことのないよう、退職届を受理してもらえない時の対策も練り、万全を期しましょう。

 

退職届とは

まず、退職届とは退職の意志を明確に表示した労働契約の解消を申し出た書類です。退職願よりも強い効力を持ち、会社の承諾を得ずとも法律上は提出から2週間経過をすれば辞めることができます。ですから、上司があなたの退職届を受け入れなくとも、法律上は退職することはできるのです。ただし、会社の就業規則に退職の1ヶ月前にと明記されている場合は、就業規則に従う必要があります。詳しい書き方やテンプレートはネットで調べると見つかるのでチェックしてみましょう。

 

退職届けを受理してもらえない時の具体策

法律上は退職できるといっても、上司に退職受け入れてもらえていない状態で退職をすることもかなり勇気のいる行為であり、禍根を残すリスクもあります。できるならば、退職の合意を得て次の会社にいけた方がよいので、退職届けを受けいれてもらうためのポイント、具体策を伝授します。

①上司ではなく人事部長に退職届を提出する

強引に退職できるからといって、人事労務関係の退職手続きがすんでいなければ、転職先の入社手続きにも影響が出てしまいます。ですから、上司が退職を承諾してくれない時、人事関係の上役や責任者に退職届けを提出し、退職の手続きをしてもらえるよう段取りを進めましょう。もし、離職期間が発生する場合、離職票がなければハローワークで失業給付ももらえなくなるため、保険関係の手続きは滞りなく進むよう根回しが必要です。他部署にもあなたの退職意思が知れ渡れば上司も隠すことができないため、外堀を埋める効果もあります。

②会社に退職届を提出する際は記録の残る形で提出する

後々の言った言わない論を避けることもできるため、記録の残る手法で退職届を提出することもポイントです。意思表示ならメール、紙ベースの退職届ならば内容証明郵便でログを残しておきましょう。記録を残し退職日まで就業義務を果たした場合、会社側は退職金や残りの給与を支払う義務があるため、支払いを拒否することができません。段階を踏んで退職手続きを進めることで自身の正当な権利を主張できるので、必ず退職のやり取りについては記録を残しましょう。

③弁護士等法的知識のある団体、労働基準署に相談をする

退職を申し出ると「給与を払わない」「退職による損失を賠償しろ」と無茶なことを言う上司や会社も存在します。このような時は一人で悩まず、弁護士や労働者の相談窓口を設けた団体に相談をしましょう。もし、上司が脅迫まがいの発言をすることが想定される場合、ボイスレコーダーを準備し、証拠を残しておくと良いでしょう。昨今ブラック企業撲滅の動きを広がり、会社も大事にしたくはないはずです。パワハラと認定できうる確たる証拠を押さえ、退職に漕ぎつける準備をしておきましょう。

 

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退職届を受理してもらいやすくする方法

上司がなぜ退職届を受理してくれないかというと、退職によるあなたの穴埋めに苦労するためです。ですから、上司にかかる負担を軽減しておくことでスムーズな退職交渉を実現することができます。

①退職前から退職準備をする

退職前から引継ぎ準備や業務の棚卸をし、自分だけしかできない仕事がないように業務整理をしましょう。短い引継ぎ期間であっても問題なく引継ぎができるようマニュアルを作り、必要書類はまとめておくことをお勧めします。あなたの退職によって業務がまわらなくなるリスクを減らすことで、退職を円滑に進められるケースもあります。

②上司にキャリアについて相談をしておく

退職を決める前に上司に自社内で希望のキャリアを築けないか、待遇向上をしてもらえないか等相談を持ち掛けておきましょう。転職せずとも希望が叶えば一番穏便にすみますし、希望が自社内で叶えられない場合は退職の口実もできます。一度キャリアについて相談をしておくことで、上司も心構えができるので、突然退職届を出す場合よりも退職届を受理してもらいやすくなります。

③同僚を味方に付けておく

事前に同じ部署の同期や先輩に転職について相談をし、早期から業務の引継ぎができる下準備をしておきましょう。信頼できる同僚に相談をしておくことで、上司が引き留め工作を目論んだとしても、あなたの味方となり退職できるよう助けてくれるようになります。ただし、退職はセンシティブな内容となるため、あまり多くの人間に話すことは避けましょう。あなたにマイナスの感情を抱いた社員に知られた場合、妨害工作や嫌がらせをされるリスクもあるので、相談する相手選びは慎重に決めることも大切です。