長いキャリアを過ごす中では「転職した方がいいのかな?」と悩むシーンは何度か訪れるでしょう。そんな時、「正しい判断を下すために考えるべきヒントが知りたい!」と思う人も多いはず。

悩んでいる時は自分の考えを整理してからでないと、人に流されて大きな決断をしてしまいかねません。「でも、何を基準に考えればいいのかわからない」そう思ってしまう人のために頭の中を整理するための判断軸をご紹介します。

悩んだままで時間を無駄にしないためにも、ぜひ活用してみてください。

 

人が転職を考える理由

人が転職を考える理由としては、大きく分けて3つあります。1つ目は今の状況に不満がある、2つ目は何が原因かわからない停滞感を味わっている、3つ目は転職で成功した人を見たという理由が挙げられるでしょう。

不満についてはすぐ挙げられますが、停滞感は目標設定がなくなっている状態でよく起こります。眼の前のことだけでなく、自分が5年後どうなっていたいのかを考え直してみると解決するかもしれません。また3つ目は単なる羨望なのか、それともその奥に不満が埋まっているのかを深掘って見てみることが必要でしょう。

1つ目の状況で転職を考える理由として多く挙がるのは、人間関係、評価・人事制度、労働条件、社風、給与などさまざまな軸があります。あなたは何が原因で「転職した方がいいのかな?」と悩んでいるのでしょうか。

実際に転職を決めた人の理由の内訳を見てみましょう。

 

人が転職を決める理由

 

人が転職を決める理由は年齢や性別によって異なります。20代前半、後半、30代前半、後半の男女別に確認していってみましょう。(すべてその他を除いた数値で判断)

 

・男性の退職理由

まずは20代前半の男性から。20代前半の男性が前職を辞めた理由としては、労働条件が19.3%と、2位の14.8%給与収入が少なかったを大きく引き離しています。3位は11.9%で仕事の内容に興味が持てなかったという理由が挙がっています。20代前半では自分が仕事をしやすい、あるいは楽しめる環境かどうかという軸が強いように見受けられます。

20代後半になっても労働条件が1位には変わりないですが、16.1%と大きな差は開かなくなっています。2位に会社の将来が不安という理由が上がってきており、14.2%となっています。3位は20代前半で2位だった給与収入が少なかったことが理由で13.6%。

20代後半になると、会社の将来を気にして将来性のある転職をする人が増えます。一旦は給与よりも将来性を見据えて仕事選びをすることがわかります。

30代前半になると、20代後半では3位だった給与収入が少なかったことが1位に上がってきています。2位は大きく差をつけて13.9%の労働条件。3位は会社の将来が不安という理由に。30代前半では家庭を持つ、自分の将来を考える時期でもあるため、給与が一気に1位となります。20代後半に続いて会社の将来を気にした転職をしているのが特徴的です。

30代後半では、定年・契約期間の満了が19.7%と急激に上がり、1位になっています。2位は給与収入が少なかったことで12.0%、3位は9..3%で労働条件となっています。30代後半では子どもがいればお金がかかる年代でもあるため、給与を気にする人が多いのだろうと見受けられます。また、親の介護などの問題もこの頃あるため、いろいろ入り用になる時期といえるでしょう。

 

・女性の退職理由

続いて女性を見ていきましょう。20代前半の女性は男性と同じく労働条件を理由にした退職が19.9%、2位が12.8%で給与収入が少なかったこと、3位は12.1%で職場の人間関係が好ましくなかったことが挙がっています。女性は働きやすさを重視した退職理由が、多く上位に来ているのが特徴です。

20代後半では20代前半と同じポイント数の19.9%で労働条件が連続トップになっています。2位はポイント数が上昇した17.5%で給与収入が少なかったこと。3位は20代前半と同じく職場の人間関係が好ましくなかったことが10.8%になっています。20代後半も20代前半とポイント数が違うだけでほぼ変わらずのランキングに。

30代前半を見てみると、職場の人間関係が好ましくなかったことがトップになり、21.1%。次にずっと1位だった労働条件がつけ、14.6%という結果になっています。3位が給与収入が少なかったことと順位が大きく変動していることがわかります。30代前半では人間関係で退職する人が一気に増えますが、これは育児時期と重なることも関係しているかもしれません。それ以外も労働条件など家庭を優先する時期となっていて、他の年代とランキングに大きな違いが生まれています。

30代後半になると、20代前半と同じランキングに戻り、労働条件が1位で15.3%、2位が10.8%で給与収入が少なかったこと、3位は10.4%で職場の人間関係が好ましくなかったことになっています。

このように年代別に見てみると、家庭や育児などの影響、あるいは将来性を20代後半~30代前半で考え、転職していることが見て取れます。

 

出典:厚生労働省ホームページ 「平成29年度雇用動向調査結果の概要 転職入職者の状況 」

 

 

転職すべきかすべきでないかを正しく判断するには

ではいよいよ転職しようか悩んだ時にヒントとなる、考え方の基準をご紹介していきます。下記手順に従って考えてみてください。

 

1.今の職場が嫌な理由を挙げる

まずは、今の職場が嫌な理由を挙げていきましょう。人間関係や給与。労働条件などたくさん挙がってくる中で、一番大きな理由を考えてみてください。例えば下記3つが理由の人がいた場合、どのように考えればいいかをご紹介します。

 

・給料が安い

給料が安い場合は、まず職種の平均値を知ることから始めましょう。

ランキング・職種別・業種別・年齢別・都道府県別にわかれて下記リンクにまとまっていますので、参考にしてみてください。また職種×業種×年代をかけあわせて、平均年収を検索することもできます。

出典:dodaホームページ 平均年収ランキング 最新版【年齢別】

【対象者】2017年9月~2018年8月末までの間に、dodaエージェントサービスにご登録いただいた20~65歳のホワイトカラー系職種の男女

 

平均値よりも低い場合は、転職で年収を大幅にアップすることができます。もし平均値の場合は年収を上げられるような成果主義の職場に転職するか、大手の給与水準が高いところを狙うことで上げにいくか、その会社で役職者になる道を目指す方法があります。あるいは業種や職種自体を変更して給与水準の高いところを狙うという難易度の高い転職方法もあるでしょう。

平均値よりも高かった場合は、出費の見直しをするか、役職で年収を上げる、業種職種の変更をして上げるなどの方法しかありません。転職をした場合、年収が下がる可能性もあることを忘れないようにしましょう。

さまざまな方法をご紹介しましたが、スキルや素養によっても可能不可能がわかれる方法となります。自分に可能かどうか判断がつかないケースもありますので、その場合は転職エージェントの客観的な視点を得て判断するようにしましょう。

 

・人間関係の場合

人間関係の場合は程度にもよりますが、会社自体に不満がない場合は上司に訴えて改善してもらう、異動願いを出すなどで転職をしなくても解決できる場合もあります。可能であればこの方法を試してみましょう。

人間関係が会社全体を指すものであれば、転職するしか方法がない場合もあります。こちらの対応を変えて、さまざまな訴えを起こしても変わらないのであれば、退職も致し方ないでしょう。ただ、他の条件面が良い場合は退職して得られるメリットとデメリットを書き出し、総合的に判断をするようにしましょう。感情で決めるのが一番危険です。

 

・このままでは将来的な目標が達成できない場合

将来の目標が達成できない見込みであれば、まず社内で最短ルートを行くための方法を考えてみてください。それでも自分の目標には到達できない場合は、最短ルートを行ける可能性の高い会社に転職検討をするのもいいでしょう。ただ、それに求められるスキルを身につけないと転職自体が難しくなる可能性もありますので、退職前に転職先を決めるよう動くのがおすすめです。

 

 

2.転職以外に解決できる方法がないかを考える

肉体的、精神的に追い詰められている場合は別ですが、上記のように転職以外で解決できる方法がないのかは模索すべきです。何も検討せずに転職をしてしまった場合、「給与は得たけれどプライベートはまったくなくなる転職になった」「やりたい仕事はできるけれど人間関係の悩みが増えた」など別の問題が生じる場合もあります。

他に考えられる道がないのかをよく検討した結果、ないのであれば転職活動に進みましょう。

 

3.転職が解決法ならばどこに転職できれば解決できるのかを考える

1の「今の職場が嫌な理由を挙げる」の事例でご紹介したように、転職しかないとわかれば、将来に結びつくルートの中で自分に合う企業を探しましょう。その企業を複数に絞り、必要スキルを身につけて万全の状態で転職活動をすれば、目標に到達できる転職が実現するはずです。

 

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とりあえず転職活動を開始してみるのもひとつの手

自分なりに情報を集めても不足していると感じる、あるいは迷いすぎて何も手が出せない場合は、転職エージェントなどで客観的な意見を聞いてみるのもいいでしょう。自分の市場価値を知ることにもつながりますし、業界や企業、職種のことも細かく知ることができます。

また、今の問題が本当に解決できるのかについても相談すれば、プロとしての根拠と意見を伝えてくれるため、より具体的にイメージできるようになるでしょう。転職エージェントで客観的に今の会社を見ると改めて魅力を発見できるというメリットや、逆にもっと良い条件の会社を見つけることも可能です。

転職すると想定して企業を見てみると新たな発見があるため、動けない場合はとりあえず転職活動を始めてみるのもひとつの手といえるでしょう。

 

まとめ

「転職しようかな」と悩んだ時のヒントとなる、考え方の基準をご紹介しました。自分が臨むキャリアを常に意識していないといつの間にか遠くに行ってしまうもの。転職について悩んだことをきっかけに改めて自分の目標を思い出し、再設定し直してみると充実した仕事ができる状態になるかもしれません。

何か悩みの原因なのかを判明させた後に、ご紹介した手順で考えを明らかにしていけば自ずと答えは出てくるはずです。悩むことでせっかくの時間を無駄にしないように、ぜひ今から始めてみてください。