転職が一般的になってきた今でも、「転職すべきかどうか迷っている」という人は多いはず。たくさんの企業が転職者を求めていても、「今の会社よりも自分に合わなかったらどうしよう」「実際に入ったらブラック企業ということもあるかもしれない」など、転職にまつわる悩みは尽きません。
そんな転職する・しない、どちらつかずの状態をどうにかしたいと考えている人、そもそも転職するかどうかでずっと迷ってしまっている人のために、決断をするために必要な心得をご紹介します。どちらにも踏み出せずに困っているなら、ぜひ参考にしてみてください。
■そもそも転職に迷ってしまう理由とは?
転職を決断するために必要な心得をご紹介する前に、そもそも人が転職に迷ってしまう理由とは一体どんなものなのかをご紹介します。
・転職先が希望を叶えられる環境かどうかわからない
まず転職を迷ってしまうポイントとして、「転職先が今の不満を解決してくれ、自分の希望を叶えられる環境かどうかがわからない」ということがあります。会社は入ってみなければ実際のことはわからないですし、もしかすると今よりも悪い環境になるかもしれません。未来が予知できないのと同じように誰にもわからないことですし、考えても結果が出ないことだからこそ迷ってしまうのです。
もちろん、さまざまな情報を集めて悪い結果が出る可能性を下げることはできますが、どれも完璧にというわけにはいきません。そういったリスクをわかった上で、転職した方がいいのか、このまま耐えるのか、それとも他の方法を考えた方がいいのかをどう判断していいかわからなくなってしまうため、迷うのです。
・自分が転職できるかどうかがわからない
これは転職先が希望を叶えられる環境かどうかを判断するよりも簡単ですが、自分の正しい市場価値を把握していないと見誤る可能性があります。自分自身の年齢とその年齢の社会人に求められる能力や経験、その業界や企業が求める必須要件・歓迎要件・希望年収・労働条件・求人数の多少など、さまざまな条件が組み合わさって決まることです。
特定の会社に限定してしまうと転職が難しい可能性もあります。しかし、条件に当てはまる会社いくつかの中で転職ができるかどうかということであれば、情報収集と自分自身の正しい市場価値を把握することで難易度は下げられるでしょう。しかし、社外の人と話す機会が少ない、転職が初めてという場合、あるいは未経験分野に挑戦するなどの場合はその業界や企業の情報、正しい市場価値の把握が難しいこともあります。そのため、情報が収集できるまでは迷ってしまうこともあるでしょう。
・複数回転職しても満足のいく会社がない
複数回転職をしても満足のいく会社がないという場合も、転職するかどうか迷うことになるでしょう。同じような理由で転職を繰り返している場合は、「希望を満たす会社がないと諦めた方がいいのか」「自分のスキルでは入れない会社なのか」など、これまでとは違うルートで情報収集をし、どちらが正しいのかを明確にする必要があるでしょう。
また、どの会社でも起こる問題、人間関係や教育制度への不満などの解決を望んでいる場合は、時と場合によってどの会社でも不満が出る可能性があるため、自分側のスタンスを変えていく必要があるといえます。
転職はいくつかの情報や条件の掛け合わせで難易度が決定すること、そして自分の将来を大きく変える可能性があることから、迷ってしまうことが多いのです。
■転職に迷う人の特徴
前の章でご紹介したような転職に迷う理由以外に迷ってしまう原因として、転職希望者自身の特徴があります。下記のような特徴に当てはまっている場合は、自分の考え方次第で変えていける可能性がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
・働く上での優先順位が決まっていない
まずは「働く上で何を大切にしたいのか、優先順位が決まっていない」という場合は迷いやすいです。例えばあまり働かずに成果が出て、高給をもらえて、会社の人は良い人しかいないなど、すべてのことに満足がいく楽園のような会社は基本的に存在しないため、優先順位を決めていないと不満がなくなることはないのです。
もちろんそのような環境が整っていても、すべてに満足するには本人の努力や心がけが不可欠ですし、満足できるレベルも人によって異なるのが当たり前。そのため、すべてのことに満足がいく会社は基本的に存在しないといえるでしょう。
しかし、働く上で優先順位が決まっており、「上位2つまでを満たしてくれればOK」という基準が明確に決まっていれば、転職すべきか否かをすぐに判断できるはずです。転職するかどうか長く悩んでいる人は、まず働く上で自分の優先順位が決まっているかどうかを確認してみてください。決まっていない場合は自分で考えてみましょう。
・自分で目標やモチベーション管理ができない
自分で目標やモチベーション管理ができないというのも、転職に迷ってしまう人の特徴です。新卒間もない頃は目標が「一人前になることと」いう明確な目標がありますが、ある程度仕事ができるようになってくると、次の目標を自分で定める必要があります。
目標を自分で定められない場合は一人前になった後の目標がなくなり、なんとなく働くことによって充実感を得られず、モチベーションがキープできなくなります。会社が与えてくれる目標以外に自分なりの目標を設定し、モチベーションを自分で管理できるようになることが重要です。これができていないと、マンネリを不満と履き違えて「転職して環境を変えた方がいいかもしれない」「でも本当に転職していいのだろうか」と迷う原因になります。
・自責よりも他責傾向がある
なにか物事が起こったときに自分の責任と捉えず、環境や周囲の人のせいと考える他責傾向がある人も転職に迷いやすいといえます。目標やモチベーション管理ができていないせいで不満が溜まっているだけなのに、「会社の環境がもっとこうなれば」という不満を持ったり、自分の中の優先順位があやふやなせいで不満があるのに、「あれもこれも変えてくれないから転職したくなる」などと考えたりするようになるのです。
こういう考え方をしてしまうと自分自身の成長にもつながらなくなってしまいます。次にご紹介する心得を知って、転職に迷わず成長にもつながる考えを手に入れましょう。
■転職に迷わないために、決断に必要な心得を知る
転職に迷ってしまう人は、決断するときに辞める基準や転職に求める基準がないことが多いです。そして、それによって決断ができないというサイクルにはまっていることが多いです。そんなときは下記のようなことを明確にすると、闇雲に迷うことが少なくなっていくでしょう。
・「なぜ辞めたいのか?」を明確にする
まずはあなたが「なぜ辞めたいのか?」を明確にしましょう。「18時で帰れて平日も自分の時間が取れる会社で働きたい」「数字のプレッシャーが少ない会社で働きたい」など辞めたい理由が挙がってきたら、「何が解決されたら辞めないのか?」という逆の目線で考えてみてください。
このとき、あれもこれもと盛り込むと条件に当てはまる会社がなくなるので、その中でも一番の辞めたい理由を考えてみてください。その理由を3つに分類してみましょう。1つ目は「解決できない問題」。2つ目は「会社を変えても変わらない普遍的な問題」、3つ目が「解決できるとしても時間がかかりすぎる問題」です。
会社を変えても変わらない普遍的な問題の場合は、辞めても同じことが起こる可能性が高いため、辞めるべきではないと考えられます。解決できない問題・解決できるとしても時間がかかりすぎて自分がその期限までは耐えられないという場合は辞める理由として捉え、その中でもどれが一番の理由になるのかを考えてみましょう。
・「転職に何を求めるのか?」明確な基準を決める
辞めたい理由の次に、転職する場合は「転職に何を求めるのか?」明確な基準を設けましょう。「何がクリアできれば転職するのか」を決めておくことで会社を選ぶ基準も定まってきます。
先程の、「18時で帰れて平日もゆっくりできる会社で働きたい」という理由で考えてみましょう。「18時に帰って平日もゆっくりできるけれど、給与が18万円に下がる」という条件でもOKなのでしょうか。あるいは「18時に帰るよりも給与が○○万円以上」という条件の方が優先順位が高いでしょうか。時間とお金を天秤にかけ、どちらの基準が重要なのかを決めておくことが重要です。
この基準は転職活動でも転職先を決めるときにも重要になることです。また、充実した仕事をするためにもとても重要なことですので、自分の優先順位が何かを決めておくといいでしょう。
・基準に当てはまるような求人があるかを検索してみる
上記の優先順位や基準を定めてから、基準に当てはまるような求人があるかどうかを検索してみてください。実際に転職エージェントに行って、そういった条件に当てはまる案件を探してもらうのもいいでしょう。
そしてその案件が市場に多く出回っているのかどうかを知り、自分自身がチャレンジする難易度を知っておくのがおすすめです。
・自分の市場価値を知る
基準が当てはまる求人を知るとともに、自分がチャレンジできるかどうかを判断するために、自分の市場価値を知ることが重要です。自分の能力や経験が転職市場にいる人と比べてどうなのかを知って、正しい市場価値を把握しておきましょう。
市場価値をしっかり把握しておくと転職成功率をある程度計算することができます。
■まとめ
転職に迷ってしまい、踏み出せずにいる人のために、転職を決断するために必要な心得をご紹介しました。転職を決断するときに参考となる基準や心得を把握し、自分の希望するキャリアを歩んでいけるように参考にしてみてください。