がんばって転職活動を行ってきて、内定がもらえた瞬間というのは誰しも嬉しいものでしょう。しかし、検討の結果内定を辞退しようと決めたとき、ふと不安になるのが内定辞退の際のタイミングやマナーについてではないでしょうか。
どうすればトラブルなく対応できるのか、事前に知っておきたい内定辞退のマナーをご紹介します。間違って企業と無用なトラブルを生まないようにするため、ぜひ参考にしてみてください。
■内定辞退でトラブルを招かないためのマナー
せっかく頑張ってきた転職活動で内定をもらえても、検討の結果内定を辞退することもあるでしょう。そんなとき、何に気をつけて辞退の意向を伝えればいいのでしょうか。トラブルを招かないためのマナーをご紹介します。
・内定辞退のタイミング
内定辞退をするタイミングは、行かないと決まってからできるだけすぐ行いましょう。時間をおけばおくほど、伝えにくくなるものです。企業側も内定を出してからある一定の率で内定を辞退されることは予測していますので、その予測ができている内定承諾前に済ませてしまうのが一番です。
新卒の場合は内定から承諾までに待ってもらえるケースが多いですが、転職活動の場合は1週間程度ということも多いため、早く決断をすることが重要です。あまり猶予がないことを考えてこの企業から内定が出たら入社・辞退のどちらになるか、その理由も転職活動中に考えておくことをおすすめします。
転職の場合採用となったらその採用通知の電話やメールで入社意志を確認されることも多いため、すぐに入社・保留・辞退を判断できる状態にしておきましょう。エージェントを挟んでいる場合でも、企業側が急いでいて早く返答をと言われるケースも多いです。
■内定辞退は電話でないと本当にダメなもの?
・本来は直接訪問がベストとされている
転職活動や内定辞退が珍しかった時代は、辞退する場合は直接訪問して謝罪をする、あるいはお手紙を書いて謝罪をすることも多くありました。しかし、最近では企業も対応する時間の確保が大変なため、電話かメールであることが多いです。
できればお電話をかけて何度もつながらなかったらメールに切り替え、つながれば内定辞退の意向を電話で伝え、先方がお怒りなどの状況があれば、丁寧に謝罪しておきましょう。あまりありませんが、企業によっては「直接謝罪に来なさい」と指定される場合もありますので、電話で状況を伺っておくのがベストです。
・電話がつながらなかったらメールでも問題ない
しかし、担当者も忙しくつながらない場合も十分考えられます。その場合は、「先程お電話させていただいたのですが、お忙しいようでしたので、メールにてご連絡申しあげます」などのように付け加え、メールでのご連絡となったことを一言お詫びしておきましょう。
件名は迷ってしまうかもしれませんが、端的に「内定辞退のお詫び」などの件名でOKです。名前も入れておくと親切でしょう。「失礼かな」と気を回して遠回しに書いてしまうと分かりづらいため、内定辞退という言葉は必ず入れておくようにしてください。
■事前に知っておきたい!内定辞退をする際の注意点とは
では具体的にどのように伝えればいいかを解説していきます。最初は一般的なビジネスメールと同じように件名、会社名・部署名・お名前、冒頭の挨拶と自分の名前を名乗りましょう。そして、「電話でご連絡しましたが、ご多忙のようでしたのでメールにて失礼致します」とお断りを入れてからスタートします。
・感謝とお詫びを伝える
まずは、内定をいただいたことの感謝を伝えてください。志望先企業として受けていたわけですから、「内定をいただき、誠にありがとうございました。」というお礼を伝え、その後に「嬉しい連絡をいただきながら大変恐縮なのですが、検討の結果内定を辞退させていただきたいと思い、連絡申し上げました。」とお詫びの気持ちと内定辞退の意向を伝えましょう。
その後は割いていただいたお時間に対しての感謝とお詫び、直接伺うべきところですが、メールでの連絡となったことをお詫び申し上げます。と伝え、最後に貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。というようなご挨拶で締めくくりましょう。
・理由は詳しく言わなくてもいい
本来は明確な理由があるのですが、どこの会社に行くのか、なぜ辞退するのかなどの詳しい理由については言わなければならないという義務はありません。したがって、検討の結果内定を辞退したいと伝えれば十分です。
メールでの連絡であればこれで終わりますが、電話で聞かれた場合も身勝手で申し訳ございません。とお伝えすればたいていの場合は企業側も事情を理解してくれるはずです。
・呼ばれたら出向く方がいいが、行かなくてもいい
まれにもう一度来社してほしいと呼び出されて引き止めにあうこともありますが、再度「誠に申し訳ございません」と伝えておけばほとんどの場合は行かずに解決します。どうしても呼び出された場合は余計な理由などは伝えずに「ご縁を感じたため」などと伝えて逃げ切りましょう。
■内定承諾・入社誓約書提出後の場合の内定辞退は可能?
ここからは、内定承諾や入社誓約書などを書いた後の内定辞退が可能なのかどうかをご紹介します。
・内定承諾・入社誓約書などは入社2週間前までであれば大丈夫
内定承諾書や入社誓約書は法的拘束力がありませんので、入社2週間前までであれば内定を辞退することが可能です。ただ、雇用契約を結んでしまっていれば法的拘束力が発生しますので、契約違反となります。自分がサインをする書類が何になるのかはよく確認しておきましょう。
「入社2週間前だからいつでも内定辞退ができるんでしょ」と思って対応をしていると、大きなトラブルに発展する、業界内で噂が広まってしまって新たな転職先が見つかりにくくなるなどの弊害が出てくる可能性もあります。
できれば、何かの書類にサインや口頭で入社を約束する前に内定辞退の可能性があるなら保留にしておくのが無難です。特に転職の場合は内定から入社までの期間が短く、企業側が様々な準備を行っていて、その分を支払えと言われるケースもあるかもしれませんので注意が必要です。トラブルを避けたいなら、採用通知を受けた後に保留か辞退かをすぐ決断しておくのがいいでしょう。
・入社2週間前を切っている場合、内定辞退はできる?
結論からいうと難しくなります。なぜかというと雇用契約を結んでいなくても、入社2週間前を切っている場合は労働の義務が発生するため、入社したけれどもすぐに退社をするという手続きを取ることになります。雇用契約を結んでいる場合も同様です。どちらも労働する予定だったのに働かなかったことによって損害賠償などを請求される可能性があります。
滅多にないことですが、直前にどんでん返しをすると企業にとってもあなたのキャリアにとってもマイナスに働きます。内定辞退をするなら、早めに行うようにしましょう。
■まとめ
「言い出しにくいし、どうしたらいいかわからない…」と先送りにしてしまいがちな話題の内定辞退ですが、先送りにしていると思わぬトラブルに見舞われることもあります。相手先企業にとっても、自分にとってもマイナスな結果を生まないためにもぜひ早めに意向を伝え、円満に転職活動を終了できるように努力してみてください。