「新卒のときには自己紹介を準備していたけれど、この間の転職面接でいきなり自己紹介をと言われて慌ててしまった…」なんて経験を持っている人も多いのではないでしょうか。実は意外に聞かれる機会も多い中途採用の自己紹介です。

「あまり意識していなかった」という人も多いものの、面接の冒頭で端的に自分の魅力を伝えられるとても大切な機会です。そこでこの記事では、自己紹介でどのようなことを話せばいいのか、どのくらいの時間の自己紹介を準備すればいいのかなど、気になるポイントをまとめてご紹介します。

今まであまり重視していなかった人は、こちらの記事を参考にぜひ魅力的な自己紹介を作成してみてください。

 

 

■中途採用の自己紹介で見られるポイント

まずは、中途採用の自己紹介で何を見られているのか、面接官が気にしているポイント4つを学んでいきましょう。

 

・好印象を与える話し方ができるか

自己紹介をするタイミングは面接の冒頭、着席する前の段階で行うことが多いです。そのため、自己紹介前の立ち居振る舞いと、自己紹介で第一印象が決まるといっても過言ではありません。そのときに声が小さく、少々うつむき気味に話す人と明るく大きな声でハキハキと話す人だったらどうでしょうか。同じ内容であっても、明るく大きな声の人に好印象を抱くはずです。

自己紹介で話す話し方が第一印象を決めると考え、自己紹介部分を特に練習しておくとその後の面接でも好印象を保ったまま話せるようになります。ぜひ好印象を与えられる話し方を自己紹介で訓練しておきましょう。

 

・論点がまとまっているか

ほとんどの面接で、あなたがまとまって話すタイミングは自己紹介くらいしかありません。つまり、自己紹介は一方的に話す唯一のタイミングであるため、論点がまとまっていないと論理的な思考ができない人と思われ、後でリカバリーできない可能性があります。

「で、結局何が言いたいの?」と思われることのないように、自己紹介の構成を組み立てて準備しておくことが非常に重要です。

 

・自分の魅力を端的に伝えられるか

面接の中でまとまって自分の魅力を伝えるタイミングも、自己紹介と自己PRくらいしかありません。そのため、端的に自分の魅力を伝えられる自己紹介を作っておきましょう。「なぜその会社であなたが役立てると考えているのか」、「役立てる根拠は何か」など、相手が納得できるような内容にしておくことが必要です。

 

・相手のメリットを考えられるか

見られるポイント最後の項目は、相手のメリットを考えられるかどうかです。つい自己紹介というと実績自慢のような内容で自己紹介を終えてしまう人もいます。しかし、本当の目的はそうではありません。

自己紹介の目的は、「これまでの経歴や経験などを通じて、あなたがどれだけその会社の役に立てるのか、その根拠は何か」が自己紹介を終えたときに伝わっていることです。単なる自慢話を聞いても「それで、うちの会社にはどんなメリットがあるの?」と面接官は思ってしまうはず。

どうせ魅力を伝えるなら、「だから役に立てると言っているのか、確かにその経験があれば、自社で活躍できそうだ」と思ってもらえるようにして、本格的な面接の前に面接官がモチベーションを上げられるように準備することが大切です。

 

 

■中途採用の自己紹介で盛り込むべき内容3つ

では実際に、自己紹介でどのような内容を盛り込んでいけばいいのかをご紹介します。

 

・これまでの略歴

自己紹介の中に欠かせないのは略歴。略歴というのは、その会社に入ってから役に立ちそうな経歴をハイライトのようにまとめた経歴のことです。職務経歴書の一番上に書かれていることの多い、職務経歴要約のような役割をイメージするとわかりやすいでしょう。

「要するに、うちの会社に入ったらこんなことで役に立てそうだと言っているのか」と相手に伝わるように経歴をピックアップすることが重要です。

 

・これまでの経験から得たスキル、実績、学び

今回の募集に基づいて、これまでの経験から得たスキル・実績・学びなどを盛り込むのも重要です。実績だけではどのくらいすごいことなのか理解できないケースもあるでしょうし、スキルを持っていると伝えても、他の候補者も持っているスキルであれば比較のしようがありません。

しかし、スキルと実績に学びがプラスされていれば、「その実績を出すためにどのような工夫をしたのか」、「そこから何を学んだか」などが聞けるため、その人独自の考え方や仕事の進め方が見えてきます。

年齢や経験と学びを総合すると優秀な人材かそうでないかはわかるため、企業側は採用基準を満たしているかを判断できます。自分の優秀さを示すためにも、ぜひ忘れずに盛り込んでください。

 

・その経験を志望先企業でどう活かせるのか

その経験を志望先の企業でどう活かせる(と思っている)のかについても、具体的に伝えましょう。単に経験がある、こういった学びを得たと言われても、面接官としては「で?」という感想を持ってしまう場合もあります。

面接官に「この人が入ってくれたら、◯◯分野は安心できるな」というくらいイメージさせるには、具体的にあなたが「これまでの経験をどんなところで活かして役立ってくれるのか」をエピソードを交えて伝えることが重要です。

経験をしたときの具体的なエピソードを加えることで、面接官はよりリアルにあなたの仕事風景をイメージできるようになるでしょう。

 

■なぜその会社を志望するのか

最後に盛り込むべきポイントは、「なぜあなたがその会社を志望するのか」という理由です。経歴や実績、学んだこと、役立てるポイントについてはわかっても、「そんなスキルを持つあなたが他社ではなく、なぜこの会社を選ぶのか?」という疑問に答えなければ採用には至らないからです。

スキルや経験があって不合格になるのには、その会社を志望する理由が弱いということが多いです。そのため、面接官に志望理由が伝わるように工夫する必要があります。将来の夢やキャリアプランと結びつけて説得力を持たせることが何より重要です。

会社の中で事業を前に進めていくためには、その会社でなければならない理由をしっかり持っていることが不可欠となることを忘れず、自己紹介に盛り込んでください。

 

 

■自己紹介で用意しておくべき時間とは?

では次に、自己紹介で用意しておくべき時間についてご紹介します。一般的には「◯分で」などと時間を指定されるケースがほとんどです。自己紹介は一言で、というものから、1~3分の中でランダムに選ばれるものもあります。そのため、それぞれの長さで伝えるべき内容を取捨選択して盛り込んでいってください。

・一言

一言の場合は略歴と学んだことを簡単に伝え、それがどうその会社で活かせるかというポイントを伝えるといいでしょう。

・1分

1分の場合は300字程度話せますから、略歴に実績と学び、エピソード、志望理由を加えても字数に余裕がある文量となります。

・2分

2分は600字。書類選考で書く文章量も1つの項目で300程度となりますから、1分では省いた詳細部分を追加して書くようなイメージで作成できるでしょう。

・3分

3分の場合は900字程度話せるため、丁寧にエピソードを追加しながら作成することができます。また少々長いため、見出しのように、「私の経歴は~」「私がそこから学んだことは~」など、何について話しているのかがわかるようにすると、聞いている相手に負担をかけず理解してもらうことができるでしょう。

できればすべての分数で共通して伝えたいことを箇条書きで書き、3分をまず完璧に仕上げてください。その後、説明を丁寧に行っているけれど削っても意味が伝わる部分を削っていくと、凝縮された自己紹介が完成するはずです。

 

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■自己紹介の構成

最初に箇条書きの項目を作る際は、下記のような構成を参考に作成してみるとわかりやすくなります。

 

・挨拶

・名前、略歴

・これまでの経験で得たスキル・実績や学び

・その会社で役立つ理由と志望する理由

・一言挨拶

 

最初の挨拶では本日は面接のお時間をいただきありがとうございます。などの挨拶を入れ、その後に名前、これまでの略歴(何をやってきた人なのか)を伝えます。その後、これまでの経験で得たスキル・実績などを数値を用いてわかりやすく説明したあと、その実績をどうやって出したのか、工夫したポイントなど、学んだことを伝えてください。

そしてその経歴がその会社に活かせる理由と志望する理由を伝え、最後に本日は宜しくお願いいたしますという締めの挨拶をして自己紹介は終了となります。

大まかにはこのような構成で作成すると、流れがあってわかりやすく、納得感の高い自己紹介を作成できるでしょう。作り方に迷ったときはぜひ参考にしてみてください。

 

 

■自己紹介の最中に気をつけること

最後に自己紹介の最中に気をつけることを簡単にご紹介します。

・姿勢を正し、笑顔で話す

まずは第一印象を与えるタイミングのため、姿勢を正して笑顔で話せるように練習しておいてください。せっかくの内容も、言葉と態度が伴っていなければ、魅力が半減してしまいます。

・大きな声でハキハキとゆっくりめに

相手に聞き取りやすい速度で、大きな声でハキハキと伝えましょう。緊張すると早口になってしまう人も多いため、ゆっくりめを意識するとちょうどよくなります。また、相手に言葉が正しく伝わるように、口を大きく開けて話すとハキハキと聞こえます。

自分に自信がある、信頼できる人物だと思ってもらえるように意識してみてください。

・相手とアイコンタクトをとる

良い自己紹介をしていたとしても、相手とアイコンタクトをとっていなければ伝わるものも伝わりません。凝視する必要はありませんが、文末部分や主張したい部分でアイコンタクトをとるようにすると、その部分の言葉が印象に残りやすくなります。

ぜひ自分のアピールをしているときには積極的にアイコンタクトをとるようにしましょう。

 

 

■まとめ

意外と重視されることも多い、中途採用の自己紹介の疑問と回答をまとめてご紹介しました。今まで準備できていなかった人はぜひこの記事を参考に作成し、面接の冒頭で面接官の期待を高める自己紹介を作成してみてください。

きっと以前よりも良い結果を手に入れることができるはずです。