ボーナス支給は義務ではないため、会社のルールに沿った形で支給となります。「今までの功績」と「今後の期待」の意味が込められているため、退職するタイミングによっては賞与がもらえなかったり、減額されたりします。退職する際に、しっかりボーナスをもらえる方法を紹介します。
生活のためにも、何か欲しいものを買うためにも、賞与(ボーナス)はとても重要です。ほとんどの人が、ボーナスをもらってから転職したいと考えているかと思います。今回はどうすれば退職時にボーナスをもらうことができるのかを説明します。
■退職時にボーナス関連で損しないための方法
そもそもボーナスとは「特別手当」になります。労働基準法では賞与の支給は義務付けられておりませんが、多くの企業では定期的に賞与を支給しています。就業規則などにボーナスに関する支給金額や計算方法などが明記されている場合は、それに基づいて支給する義務が発生します。そのため、「退職時にボーナスがもらえない。」そんな損する状況にならないためにも、まずは会社規定を確認しましょう。ボーナスの支給規定は会社により大きく異なります。そもそも支給回数が2回のところもあれば、3回や4回の会社もあります。また、支給する時期も異なる場合があります。一般的には6月~7月に夏の賞与、12月に冬の賞与を支給する企業が多いですが、会社によってバラバラですので、全然違う時期に支給されることもあります。支給の頻度やタイミングに伴って、査定の時期も異なります。
支給日在籍条項のチェックも必ず行いましょう。例えば、査定期間が4月~9月末で12月に賞与支給とします。会社によっては、9月末の査定期間の終わりまで在籍していないと支給されないこともあれば、12月の支給のタイミングまで在籍していないと支給されないところもあります。また、有休消化中は在籍だと認められず、最終出社日で判断される場合もあります。このように、支給対象となる在籍のタイミングが大きく異なるため、必ず確認した方が良いです。
■ボーナスに関する注意点
<注意点①:退職を申し出るタイミングには気を付けて>
ボーナスを確実にもらうためには、退職を申し出るタイミングがとても重要です。中小企業などで、特にトップダウン色の強い企業では、経営者がボーナス支給の有無や金額を決定することになるため、ボーナスをもらう前に退職を伝えてしまうと、予定されていた賞与よりも低くなったり、最悪の場合は支給無しになることもあります。会社規定で支給対象になっていたとしても、ボーナスの金額は個人の会社への貢献度や会社の業績により判断するため、退職意思を理由に減額などになったと思っても、不服を申し立てることはとても困難になります。予定通りのボーナスをもらいたいと考えるならば、ボーナスを受け取ってから退職する旨を伝えましょう。
<注意点②:入社日から逆算する>
ボーナスをもらいたいからといって、転職先の会社への入社を何ヵ月も待ってもらうことは難しいです。内定から入社まで、長くても3ヵ月くらいだと考えておくと良いでしょう。どの企業でも出来る限り早く入社して、早く活躍してほしいと思うものです。ボーナスをもらうために入社日を3ヵ月も4ヵ月も先の日程にしたいと転職面接で伝える場合、最悪入社日を理由に見送りになることもあります。ボーナスをもらうことを前提に、入社日・退職日から逆算して転職活動などを進めていくことをオススメします。ベストなスケジュールの例としては、6月に夏の賞与支給がある企業の場合は、6月に内定・夏の賞与を支給後に退職届を提出・引継ぎや有給消化しつつ7月末退職・8月入社になります。
<注意点③:悪い印象を残さないように引継ぎはしっかり行いましょう>
退職することが決まってしまうと、どうでもいいと思ってしまいやすくなりますが、世間は狭く、今後何があるかわからないので、引継ぎなどはしっかりと行いましょう。ボーナスだけもらって、はいサヨウナラとせずに、迷惑がかからないように最後までしっかりとやるべき業務を全うすることがとても大切です。
<注意点④:転職先での最初のボーナスは諦める>
退職時にボーナスをもらい、転職先で次のボーナスをもらいたいと考える人も多いですが、基本的に転職後最初のボーナスはもらえない前提でいると良いでしょう。稀に最初のボーナスから特別に全額支給する会社もありますが、一般的には査定期間での実績や勤怠などを考慮し賞与の金額が決定されるため、転職後最初のボーナスは期待できません。支給されたとしても寸志程度になることがほとんどです。転職先でのボーナスを優先するのであれば、現職のボーナスを諦めて出来る限り早く転職先へ入社することをオススメします。
■まとめ
できる限り多くのボーナスをもらいたいと考えることは至極当然のことですが、より重要なことは転職活動を成功させることです。ボーナスばかりに目を向けてしまい、転職するタイミングを逃したり、入社時期が合わずに見送りになってしまったり、十分な引継ぎをせずに周りに迷惑をかけてしまうようなことがないようにしましょう。