転職活動をしようと考えた時、いつがベストシーズンなのかを知っておければ転職を有利に進められる可能性があります。転職することが当たり前になったとはいえ人生を左右することも多い転職活動は、できればいい時期に行いたいもの。
そこでこの記事では転職活動のベストシーズンと意外に求人が多い穴場シーズン、その注意点についてもご紹介します。自分が希望する業界によっても異なりますので、ぜひ参考にしてベストな転職を実現させてみてください。
転職活動で企業の募集が増える時期は?
転職活動をした経験があればご存じかもしれませんが、企業の募集が増える時期は下記の3シーズンあります。それぞれの時期に、なぜ求人が多くなるのかを解説していきます。
・1~3月
4月入社で一緒にスタートさせるために、1~3月の募集は増える傾向にあります。これは新卒社員募集だけでなく、中途社員の募集でも同様です。3月が決算月である企業も多いため、人事の予算をフル活用してこの時期に求人募集を増やして予算を使い切るケースもよく見られます。
・5~6月
4月入社の新卒社員が退職する、あるいは数年働いて区切りがよいタイミングで5月~6月に退職するケースも意外に多いです。また、4月入社で採用すべき人員が不足しているため、この時期に補充するため求人を出すという傾向もあります。
・10月
9月で半期が終わって退職する人もいるため、10月に欠員募集をかける企業も多いです。他のシーズンに比べて人数が少ない傾向にありますが、あまり見かけない求人が出てくることもあります。
転職活動の際に年間で採用ボリュームが多い順を把握しておくことは、とても重要な情報となります。
転職希望者がよく動く時期
では次に転職希望者がよく動く時期についてもご紹介しましょう。
・1~3月
この時期は求人が増える時期でもあるため、転職活動を行う人も多くなる傾向にあります。転職希望者も4月から心機一転新たな職場で働き出したいと考える人も多いためです。
・ボーナス後
1月なども対象に入りますが、夏と冬のボーナスをもらってから退職する人も多いです。夏は企業によって6月、7月などと異なり、それに合わせて転職者が動く時期もずれ込みます。ただ、7月8月などは企業があまり動いていないことも多いですから、転職者としては希望企業を探しつつ本格化するのは9月10月頃になるケースも見られるでしょう。冬の場合は12月に支給となることが多いですが、12月はあまり企業が動いていないことから、1月以降に転職活動が本格化する傾向にあります。
・10月~
半期が終わって繁忙期を抜け、ようやく退職できるのが10月という人も多いはず。この方々は、新年を迎える1月から新しい職場で勤務を開始することを目安に活動を始めます。
このように企業の動く時期と少々ずれている場合もありますが、おおむね企業が動く時期に求人が増えるため、求職者の動きも似ているのがわかります。
転職活動のベストシーズンは1~3月
では、転職活動のベストシーズンはいつといえるのでしょうか。一番求人が多い時期である1~3月がベストシーズンといえるでしょう。理由としては下記3つです。
・ライバルも多いが多くの企業の中から選べる
先にご紹介した通り求職者も冬のボーナスをもらって4月入社を目指す人が多く、とてもライバルが多い時期です。しかし、年間で一番求人数が多いですからたくさんの企業の中から、自分にあう求人を選び、受けていくことができます。
たくさんある中から選び、納得できる形で転職活動ができる点ではベストシーズンといえるでしょう。
・採用人数自体も多い可能性が高い
また、この時期は求人の数だけでなく採用する人数自体も多い傾向にあります。4月入社で同期を作るという目的を持っている企業もありますし、新卒と中途で会社の概要やルールなどをまとめて研修ができるというのも、企業にとってはメリットです。
一緒に大人数が入れる会場だけ押さえられれば、年間で二度も同じ研修を行う必要がなく、大幅なコスト削減ができるためです。
・大手企業も多い
通年で一度だけと期間を区切って募集をすることが多い大手企業も、1~3月の時期は求人を出していることが多いです。大手企業に転職したいと考える人は一定数いるため、求職者の中にはこの時期の転職活動にメリットを感じる人も多いと考えられます。
このような点を踏まえて1~3月が転職活動のベストシーズンだといえます。
転職活動で穴場を狙うなら5~6月、10月
では、ベストシーズン以外の穴場シーズンをご紹介していきます。求人数が1~3月に比べると少ないですが、下記2つの理由で穴場シーズンであるといえるでしょう。
・5~6月:大量採用の可能性もある
5~6月は4月入社の新卒の離職、あるいは採用人数に満たないという理由で大量に採用を行っている場合があります。大量採用であれば、採用のハードルも少し下がるかもしれませんし、1~3月よりもライバルが少ないため穴場といえるでしょう。
・10月:少量でも穴場案件の欠員が出る可能性がある
9月で半期が終わって10月頃に退職する人が出るため、10月には欠員募集が出る可能性が高いといえます。欠員募集というのは欠員した時にしか求人が出ませんから、なかなか求人市場には出てこない貴重なポジションや職種が出てくることもあります。穴場の求人案件に出会えるという点では他の時期にない魅力があるでしょう。
このように、ライバルが少ない穴場時期、あるいはなかなか求人市場に出てこない穴場の求人案件に出会えるという意味で、穴場シーズンを狙う価値はあるといえるでしょう。自分のスキルに見合った案件があるかどうかをよく確認し、本格的に転職活動をするかどうかを判断してみてください。
穴場シーズンの注意点
では次に穴場シーズンの注意点をご紹介します。
・大量募集の場合は例年の採用動向や労働条件などをよく確認
毎年5~6月に大量採用している場合は、4月の退職者が非常に多い=ミスマッチが起きているか、労働条件が悪く働けなくなって早期退職という流れが常態化している可能性が高いです。
通常は募集していない時期であれば、4月の採用人員が急激に多くなり追いつかなかったため、5~6月に大量採用しているとも考えられます。しかし、毎年のこの時期に募集をしている場合は採用体制か企業の体制に問題があると考えていいでしょう。情報を総合的に見ないとこういった判断はできないため、自分自身で確認するよう注意してください。
・企業が求める人物像と自分が合致しているかをよく確認
欠員募集が増える傾向のある10月の場合、求めている人物像が他シーズンよりも高い可能性があります。そのため、企業が設定している必須条件と歓迎条件をよく確認し、自分に当てはまっているかどうかを確認するようにしてください。
必須要件に当てはまっていないのに応募をしてしまうと、無駄に選考を多く受けて落ちることになります。自分のモチベーション維持にも大きく影響してきますので、きちんと自分が求める人物像に合っているかを確認してから応募するようにしましょう。
転職する際の注意点
いよいよ転職をするとなった際に気をつけたい注意点も一緒にご紹介しておきます。特に注意すべき点が3つありますので、参考にしてみてください。
・就業規則などをよく確認してから退職意向を伝える
退職することを伝える場合は、企業によって申し出をする期日が決まっています。そのルールは1カ月前、◯週間前などと企業によって異なりますので、就業規則を確認しておきましょう。
また、引き止めに合う可能性も十分あるため、説得の時間を考えて余裕を持ったスケジュールで理由を伝える期日を決めておいてください。基本的には直属の上司に退職の意思を伝え、了承してもらってから退職願を提出しましょう。提出先も会社によって異なる場合がありますが、直属の上司か人事部であることが多いです。念のため直属の上司に誰に出すべきかを確認しておきましょう。
信頼できる先輩や同僚に相談したいという人もいるでしょうが、社内で話が漏れてしまう可能性もあります。多くの関係者に迷惑をかける可能性もありますので、上司からの指示があるまでは他言無用です。
・繁忙期には辞めない
自分のタイミングで退職をしたいという気持ちは誰しもあるものですが、繁忙期に辞めるのは明らかなモラル違反です。辞める時に多大な迷惑をかけて辞めてしまった場合、退職した後にわだかまりが残ってしまうでしょう。同業種の場合は業界内であなたのモラル違反行動が知られる危険性もあります。
マイナスな理由で退職をすることになったとしても、迷惑をかけて辞めていいというわけではありません。繁忙期に重ならない時期を選んで退職するようにしましょう。肉体的・精神的に追い込まれている場合は自分を優先すべきタイミングもありますので、家族や友人に相談して判断をするようにしてください。
・引き継ぎ先を想定して準備を進める
退職することを自分で決めた段階から、準備を進めておくことをおすすめします。辞める前にいろいろな仕事が降ってくることもありますので、余裕のある時期にコツコツと引き継ぎに必要な資料をまとめておきましょう。
その際、自分が担当を引き継ぐとしたら誰に引き継ぐ可能性が高いか、引き継ぎ期間はどのくらいかなどを想定して作っておくことが重要です。会社からの発表があってから退職日までが引き継ぎ期間となりますので、会社の人事発表日などから逆算して準備を進めておきましょう。
まとめ
転職活動をする人なら知っておきたい、転職活動のベストシーズン、穴場シーズンと注意点などについてまとめてご紹介しました。思い込みで活動するよりも、時期の特徴をつかんでおくと立ち回りやすくなります。自分のキャリアを花開かせるためにも、ぜひ参考にして活動してみてください。