せっかく自分が希望する会社へ入社することを決めたにもかかわらず、内定取り消しになったらとても悲しくなりますよね。内定取り消しになるパターンと防ぎ方をしっかりと理解することで、内定取り消しのリスクを大幅に減らすことができます。
■退職交渉ってなにするの?
転職先の会社に入社するまでに誰もが避けて通れないのが退職交渉になります。退職交渉は、まず現職に退職したい旨を伝えるところから始まります。一般的には直属の上司にまずは退職することを伝え、さらにその上の上司と面談を行い、最終的にOKをもらいます。その後は事務的な退職手続きを行うことになり、無事に手続きまで終われば退職交渉が完了になります。
■内定取り消しのパターン
入社意思を決めてから入社するまでの間で、内定取り消しになることがあります。内定取り消しになるパターンをいくつかご紹介します。
<パターン①:予定していた入社日に間に合わない>
内定取り消しになるパターンで一番多いのが、入社日に間に合わないことです。企業側は転職希望者に、正式な内定の連絡や年収などの条件の提示とともに入社日も伝えます。企業側としては1日でも早く入社して、出来る限り早く活躍してほしいと思っていますが、転職希望者にもさまざまな思いや状況があるため、相談の上決定します。提示された条件や入社日にOKすることで、入社が確定します。内定受諾したということは、「提示された入社日で大丈夫です」ということになりますので、その入社日に入社できなかった場合は、内定取り消しになることがあります。正しくは「入社できなかったから内定取り消し」ではなく、「指定された入社日に入社できないため辞退します」という形になります。
<パターン②:健康上の問題が見つかった>
過去の病歴を元に内定取り消しにすることはできませんが、マイナスになることを恐れて隠していたとなると話は変わってきます。必ず伝えないといけないというルールはないですが、心象が悪くなることは間違いないでしょう。また、業務に支障をきたす場合は内定取り消しにすることができる場合があります。持病があるけれども業務に支障がない場合は、隠すのではなく、医師からの診断書とともに、しっかりと事前に伝えておいた方が良いでしょう。
<パターン③:経歴詐称があった>
「学歴に嘘があった」「過去に犯罪歴があることを隠していた」など、経歴詐称があった場合、内定を取り消す十分な理由となります。
<パターン④:会社の方針が変わった>
「急に事業の方針が変わる」「売り上げが急激に下がる」「新規事業がなくなる」など、会社の方針が180度変わることがあります。必要だと考えているため採用しますが、採用する必要がなくなる要因が起きた場合、内定を見直すことがあります。
<パターン⑤:求める人材ではない>
必ずどの企業のどのポジションでも、採用を考えている背景があります。その背景や課題を解決するための人物像がありますが、面接のときはいいなと思っていても、後になって「少し違うんじゃないか」と悩むことがあります。特に経験が浅い場合は、人柄などのポテンシャルでなんとかなると思っていても、やっぱり業界経験がないから難しいのではないかと考え直すことがあります。
■入社日が遅れることによる内定取り消しを防ぐ方法
先ほどもお伝えしましたが、内定取り消し(というか内定辞退ですが、)になる一番多いパターンは、入社日が遅れることです。入社日が遅れることで内定をなかったことにしたい理由としては、「新規プロジェクトに参加できない」「退職者・異動者からの引継ぎ期間がない」「人数が足りず業務が回らない」などというように、業務に問題が生じることがあるためです。入社日が遅れてしまっても内定取り消しにならないための方法をいくつかご紹介します。
<方法①:先に難航する可能性を伝えておく>
退職交渉を進めるにあたって、引き留めを受けることは当たり前のことです。優秀であればあるほど、企業側としては退職してほしくないと思うため、引き留めは強くなります。転職理由を改善するように提案(年収UPや部署異動など)したり、諦めてもらえるまで引き留め続けたりします。退職したいと伝えてから、2ヶ月も3ヶ月も引き留め続けることも少なくありません。過去に転職した人の退職交渉が長引いていたり、自分以外に同じ業務を遂行できる人がいない場合は、退職交渉が難航する可能性が高いため、より注意が必要です。先にどれくらい難航しそうなのか、どれくらい退職交渉に時間がかかりそうなのかをしっかりと伝えておく必要があります。少し余裕をもったスケジュールを伝えておくとリスクが軽減されます。
<方法②:最悪いつまで待ってもらえるかを事前に確認>
方法①を行うと同時に、最悪いつまで待ってもらえるかを確認しましょう。「いつまで待ってもらえますか?」と聞くと、企業側の希望入社日に近い日程までしか難しいと言われてしまうため、理由を明確に伝えるとともに「○月まで待っていただくことは可能でしょうか?」と余裕をもった先の日程を聞いてみましょう。無理を承知でかなり先の日程を聞くことで、会社の考えやどれくらいまで待ってもらえるかを把握することができます。また、証拠として残るようにメールでもいつまでなら待ってもらえるかを確認すると良いでしょう。
<方法③:熱意をアピール>
退職交渉が伸びている理由や入社日が遅くなってしまう理由を伝えることはとても重要ですが、しっかりと熱意も伝える必要があります。「現職が退職を認めてくれないから仕方ないじゃないか」といった感じを出してしまうと心象も悪くなりますし、内定取り消しのリスクも高くなるため、「自分としては転職することは確定しているし、一日でも早く入社したい。出来る限り早く入社して早く活躍したいと思っているため○○している」と熱意をアピールすることで、退職日が遅くなったとしても、企業側が待ってくれる可能性は高まります。
■まとめ
「予定していた入社日に間に合わない」「経歴詐称があった」「健康上に問題がある」「会社の方針が急に変わった」「考え直した結果求める人材ではなかった」など、内定取り消しになるパターンにはさまざまあります。特に多いのが入社日に間に合わないパターンですが、「先に退職交渉が難航することを伝える」「いつまで待ってもらえるかを事前に確認する」「熱意をアピールする」ことで、入社日が遅れたとしても内定取り消しのリスクを減らすことができます。また、「やっぱり違うと思った」や「会社の方針が変わった」などの不当な理由で内定取り消しになった場合、企業を訴えることが可能であり、過去に転職希望者側が勝ったこともあります。