入社してまだ間もないけれど、転職をすることになった第二新卒営業職など、実績が重視される営業職で書けるような実績がない営業職の場合、書類選考の突破も難しいと考える人も多いでしょう。

しかし、書けるような実績がない営業職でも、転職するチャンスは十分にあります。どんな点に気をつけて書類を書いていけばいいのか、そのポイントをご紹介します。ぜひ参考にして、書類選考を突破できる資料を作成してみてください。

 

■実績があまりない営業職が書類選考を突破する2つのポイント

企業側からすると、実績次第で合否を決定することも多い営業職の採用。しかし、実績があまりない営業職が書類選考を突破するために、覚えておきたい2つのポイントをご紹介します。

 

1.不足している定量情報を追加

本来は実績で豊富に提供できる定量情報(数値で測れる情報)を、実績以外の分野で伝えるようにしましょう。数値で測れる情報がないと、あなた自身が「営業職に向いていない人材なのではないか」と思われてしまう可能性もあります。

まだ結果が出ていなくてもプロセスを数値化して今後のポテンシャルを見せるなど、いくらでもやり方はあります。

 

2.定性情報を豊富に書く

実績などの定量情報以外に、営業に重要な能力として定性情報があります。定性情報というのは数値で測れない情報のこと。例えば、コミュニケーション能力や関係性構築、クライアントから好かれるなどの部分です。

定量情報ではないものの、営業として必要な能力となるため、書類には両方書いておく必要があるでしょう。

では実際にどのようなことを定量・定性情報として書いていけばいいのか、次の章でご紹介します。

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■営業職が実績以外に抽出すべき定量・定性情報とは?

実績が命とされる営業職が実績を持っていない場合、実績以外に抽出すべき定量・定性情報をご紹介します。

 

<定性情報:営業対象へのアプローチについて書く>

まずは営業対象へのアプローチ方法で工夫したポイントを定性情報として書きましょう。

 

◯法人の場合

・定量・定性:組織を理解した営業戦略とコミュニケーション力

法人(企業向け)営業の場合は、会社組織に対して営業活動を行います。営業部・人事部・販促部・総務部・管理部など縦割りで組織があり、その上にいるのが社長・役員陣となります。

営業を行うときは自分が営業をかける部署を選定する、あるいは社長・役員陣にアプローチする方法の2つがあります。基本的に社長・役員が決済者となりますので、社長や役員にアプローチするのが一番早く結論をもらえます。

社長・役員陣:決済は早いけれど、アプローチの難易度が高い

部長→課長→主任→担当者:左から右の順に難易度が下がるが、その分決済が遅れる

上記のような特徴があります。このような組織の特徴を理解し、どういったアプローチ方法であれば有効なのか、しっかり戦略を立ててコミュニケーションを取っていけば、その中で営業リスト◯社中◯社の経営陣アポイント取得などを定量で表すこともできます。難易度の高いアポイントを取得できる人材であれば、営業力がないのではなく単に時間が足りなかっただけと判断してもらえる可能性が高まります。

 

・定量・定性:予算をまるごと取ってくるリレーション作り

法人向け営業の場合、先程ご紹介したような組織特徴を理解した上で営業活動を行うと、関係性を構築できます。例えば、「普段は課長に課長が気にしているポイントをまとめた資料を作成して情報提供しにいき、営業パーソンとして気に入ってもらう。」次に、「自分の上司(部長)を連れていくのでと言い、相手の上司である部長を連れてきてもらい接待を行ってより親密になる」というリレーション作りをするなどの方法で、関係性を構築できたとしましょう。

徐々に社内の情報を教えてもらえるようになれば、全体の予算がいくらほどで自社が◯割ということまで分かります。そして、予算をまるごと預けてもらえるような関係性構築と提案をすることで、大幅に売上を立てるなどの方法も考えることができるようになるのです。

こちらも、担当している企業◯社中◯社は年間の総予算まで確認ができているとなれば、売れない営業だとは思われないでしょう。

 

◯個人の場合

・定量・定性:信頼関係を築くコミュニケーション力

逆に個人相手の営業の場合は人生に関わる決断を行うものが多いため、人生を預けられると思ってもらえるような信頼関係を築くことが重要です。そのような信頼関係を築くためにどのようなコミュニケーションをとったのか、という情報は定性情報として提供できます。

例えば、保険の営業パーソンの場合、金融や投資、保険などの知識を身につけ、保険の範囲と飛び越えて例えば資産運用について、あるいは財産分与の方法について相談ができるなどの価値を持っていればまるごと相談に乗ってもらいたいという信頼関係を築くことができるでしょう。

担当している人数◯名中◯名がこの状態であれば、今は実績が上がっていないけれど、転職してから大きな契約が取れる可能性が高いと判断してもらうこともできます。

 

・定量・定性:個人ニーズを深く理解し、ヒアリングする力

個人向けの営業の場合、個人が持っているニーズをしっかり理解すること、そしてそれを引き出すヒアリング力が重要です。人生でどんな目標を持っているのか、どんなことを成し遂げたいのかなどをヒアリングしていかないと、商談にたどり着くことができません。

例えば、銀行の個人向け営業パーソンだった場合、個人的に仲良くなって人生観を教えていただきながら、きちんとした知識を持っているとアピールできたとしましょう。

そうすると、徐々にこのような個人的な情報を聞き出せるようになっていきます。資産をどのくらい持っているのか、お子さんやお孫さんが何人いるのか、何を大事にしたいと考えているか、その上でどんな生活をしたいと思っているのか、などを聞けるようになれば、提案できる商材を紹介できる状態になります。

こちらも同じように担当している人数◯名中◯名は、この詳細な状況がわかっている状態であれば、商談機会はこれからたくさん作れると判断してもらえるでしょう。

 

<定量・定性情報:営業手法の工夫について書く>

・定量・定性情報:営業手法で工夫した点についても定性・定量情報が書けます。例えば、営業対象とエリア・商材金額を考えたとき、他の人が取っている営業手法が飛び込みで◯件中◯件のアポイント獲得率であるのに対し、あなたが選んだ営業手法は電話でトークスクリプトをこのように磨いたという定性情報を書けます。

その上で◯件中◯件というアポイント獲得率となったなどの定量情報をプラスすれば、有効な営業手法を選ぶことができる人材だと思ってもらえるはずです。

まだ売上という実績が出せていない状態であっても、このような方法で定性・定量情報を提供すれば、営業職として可能性のある人物だと伝わるはずです。簡単に数値で判断されてしまう書類選考であっても、何も実績がないと書いてしまうよりこのように定量・定性情報を追加すれば、見込みのある人材だと思ってもらえます。

 

■まとめ

入社して間もない営業職が実績を持たずに転職する場合でも、書類を突破できるようにするためのポイントをまとめてご紹介しました。自分が工夫してきたことの中から定量・定性情報に分けて記述すれば、実績がなくても魅力的な人物であることを伝えられます。

実績がないからと諦めず、ぜひ自分なりの努力をうまく表現して書類選考を突破してみてください。