「キャリアは自分で作ろう」「若いころからキャリア形成の意識を持つことが大切」こんなアドバイスをもらうことが多いけれど、そもそも「キャリア形成」って何をすればいいの…?

こんな疑問を感じたことはありませんか?

今回は、ファーストキャリアを歩み始めたばかりの入社数年以内の若手社員の方に向けて「キャリア形成」についての基本知識をご紹介します。

 

 

■キャリア形成とは何か?

「キャリア」とは、特別な仕事のポジションや経歴を意味する言葉としても使われていますが、ここでは「仕事を中心とした人生そのもの」といった広い意味での定義を使います。

キャリア形成とは「仕事を通じて、どのような生き方をするのか設計し、形作っていくこと」です。

高度経済成長期から1990年代までの日本では、社会に出るタイミングでできるだけ「大きな集団」に所属し、そのなかで与えられた仕事をきちんとこなすことで評価され、定年まで勤めあげると自動的に悠々自適な老後が迎えられる…というルートが広く機能していました。

自分自身で「何がしたいのか」ということを考えたり希望したりすることは、組織のなかではかえって不自由な思いをすることにもなりました。そのため、キャリア形成を自分の意思でハンドリングしなくとも、会社員人生への満足感を得ることができたのです。

しかし、2000年代以降、「大きな集団」が長期間安定して存在すること自体が難しいものとなってしまいました。

「会社」自体は存在していても、そこで求められる知識やスキルが陳腐化するサイクルも短くなります。組織は社員をどのようなキャリアステップで成長させればいいのか、長期的な余裕をもって育成することが困難になっています。

「会社に入ったら、その後どんな仕事をするかは会社に任せておけばよい。適材適所を会社が判断して、ダメなら違う仕事に異動させるから…」

こんな発想で人材を教育する会社はもはや少数派。変化するマーケットに対応できる人材が求められているのです。

そのためには「自分になにができるか」「自分の能力やスキルをどのように伸ばすと価値が高くなるか」ということについて、自分で考え、決定し、キャッチアップできること、つまり「自分でキャリア形成する」重要性が高まっています。

キャリア形成には大きなターニングポイントがあります。

 

初めのポイントは、もちろん「就職活動」に当たります。

しかし、社会人としての仕事は、学生時代までに接する機会がそれほど多くはありません。

自分のイメージしていた仕事内容や、その仕事をするうえで必要な能力や性質が実際の仕事と違ったという結果になる可能性が少なくないのです。もちろんそうならないために企業研究や業界研究に力を入れるべきなのですが、振り返って「不十分であった」と感じるのなら、今からでも遅くありません。世の中の業種や職種について、学生時代よりも増えた知識を活かしながら研究をすすめておきましょう。今の仕事にも役立つはずです。

 

■新入社員が意識するべきキャリア形成

新入社員の方は、まず「現在の会社での評価」をできるだけよいものにするべく、全力で与えられた仕事に取り組むことです。

初任配属で自分の希望とは異なる部署に配属されたり、残念ながら上司や同僚との相性について第一員証から合わないと感じてしまったりした方もあるでしょう。

そのうえで、一つでも多く「実績」や「評価」と言われる経験をしましょう。新入社員の一年が、もっとも「同期」という比較対象と比べられやすい時期になります。

そのなかで一つでも良い印象を上司や先輩社員に感じてもらうことで、新入社員から「仕事を任せられる若手社員」にステップアップできる日が早くなります。

ただし、心身に強くマイナスの影響を及ぼすような環境をただじっと我慢する必要はもちろんありません!

 

■入社23年目の若手社員が意識するべきキャリア形成

入社23年経つ頃には、多くの方が与えられた仕事の流れを一通り経験し、戦力とカウントされる一社員として成長していることでしょう。

業種や職種によっては、3ヶ月もあれば仕事のサイクルをおぼえ、十分に利益を上げられる知識を身に付けられる仕事もありますし、逆に10年かけて、やっと一人前と認められる技術が身につくという仕事もあります。

このタイミングは、そういった会社ごとの「エントリーレベルのスキル・能力は身についていて、十分戦力として扱われるようになった頃」と考えていただいてもいいかもしれません。

もしもあなたが、ファーストキャリアとして選んだ会社の業務、仕事そのものを「自分に向いている」と感じることができたなら、まずはこのレベルまで到達することに集中できていたはずです。

このころになると、毎日の業務に少しだけ「余裕」が出てきます。

その時間を使い、自分が次の3年間にどのような仕事に取り組み、どのようにステップアップしたいか具体的に想像してみましょう。入社して3年経つ頃には、優秀な社員がどのようなキャリアステップを辿るか、実例を何人も見ることができているはずです。

そのなかに、自分が目指したい像があるならばあなたのキャリア形成はとても順調に進んでいると言えるでしょう。また、目標とする方は社外の人でも問題ありません。「自分が思い描く理想のキャリア」が具体的にイメージできるのであれば、それは立派なキャリア形成だからです。

しかし一方、「このままこの会社にいても、いいイメージが湧かない…」と悩む方が多くなるのもこの時期です。

積極的に自分の不安や悩みを、上司や友人、周りの身近な人に伝えることから始めましょう。「なんとなくもやもや」を抱えたままの状態から一歩抜け出すためには、自分の気持ちを言葉にすることが効果的です。それは、社内での面談や、将来するかもしれない転職活動の面接のためのトレーニングにもつながります。

 

 

■入社5年目以降には、キャリア形成の大きな分かれ道がある

入社5年目以上になると、一般的な組織では「中堅社員」の仲間入りをし始める時期です。

ある人は特定の職務のスペシャリストとして難関の資格に挑み、ある人はマネジメント研修を受けセールスのポジションから管理職への可能性を打診され、ある人は社会人になってから知った仕事に興味を持って勉強を始めるなど、キャリア形成の実際の行動に移り始めるいちばん最初の時期と言えます。

逆に言えば、「未経験者を受け入れることのできる最後のタイミング」をこの時期に設定する企業が少なくありません。もしもあなたが、今までのキャリアの道筋とはまったく異なる職種にチャレンジすることを希望するようになったとしたならば、ひとつの目安として「入社56年目」までを目標に置いてみてはいかがでしょうか。(もちろん、会社によって未経験を受け入れることのできる最後のタイミングは異なります。)

「面白い仕事」「自分の価値を上げる仕事」にこの時期までに巡り合うことができると、その後のキャリア形成に投資できる時間が大きいものになります。ぜひ、仕事を楽しんでいただきたいタイミングです。

 

■自分のキャリア形成の方向性に疑問を感じたときは

自分のキャリア形成の方向性に疑問を感じたとき、安易に転職に結びつけることは決しておすすめできません。社内でキャリア形成に成功しているように見える先輩社員にも、自分の仕事に迷いを感じたことはたくさんあるはずです。

しかし、もしもあなたが思い描く「なりたい自分」のキャリアが今の仕事と全く重ならないとしたら、時間は有限です。「自分のタイミング」だけでなく、「企業や社会のタイミング」とも合わせなければなりません。

今の自分に必要なキャリア形成の方法が何か、キャリアのプロフェッショナルに相談したい方は、ぜひお問い合わせください!