転職を考えたときに迷う人も多いのが、「キャリアの幅を広げるか?それとも専門性を極めるか?」という二択。転職を決める前にその二択の方向性を決めておかないと、後でキャリアチェンジする羽目になってしまいます。

せっかくの転職を無駄にしないためにも、この記事でご紹介する2パターンのキャリア特徴を参考に、ぜひこの方向性を定めてみてください。

 

■キャリアプランを決定する大きな二択

キャリアプランを決定する際にどうしても選択する必要があるのが、下記の二択です。

・ジェネラリスト=総合職

・スペシャリスト=専門職

簡単に言うと、新卒の採用時に総合職と書かれているのがジェネラリスト、専門職と書かれているのがスペシャリストです。もちろん若手人材であれば途中で変えることもできるので、転職を決める前に自分がどちらを選ぶべきか、決めておくことをおすすめします。

決めるためにはまず自分の適性がどちらにあるのか、自分が理想とするキャリアに当てはまるのがどちらなのか、メリットとデメリットをご紹介するのでぜひ見比べてみてください。

 

■ジェネラリストキャリアのメリット・デメリット

◯メリット

ジェネラリストキャリアのメリットとしては、下記3つがあります。

 

・部署や職種横断の異動も可能

ジェネラリストは部署や職種も変わっていく前提で採用していますから、複数の部署や職種を経験したいと思っている人にとっては働きながらそれを実現できるいいキャリアといえます。業界のことをいろんな視点で見ることで見えてくるものもあるでしょうし、複数の部署を経験したからこそ、部長職などの役職に就けるということもあります。

業界や企業によってはたくさん(あるいは特定の複数)部署を経験してからでないと、部長以上の役職者にはなれないということもありますので、転職する前によく確認しておきましょう。

・あらゆる部署の管理職候補になりやすい

異動などを前提としたキャリアのため、あらゆる部署で管理職候補として検討してもらいやすいのも1つのメリットでしょう。複数部署を渡り歩いた先で管理職になり、経験のある部署へまた異動して管理職になるというキャリアも珍しくありません。

・異業種の転職にも活かしやすい

異業種に転職する際にも複数部署での経験があれば、経験のある仕事が多いため、さまざまなキャリアに活かせる可能性が高いという点もメリットです。

 

◯デメリット

逆にデメリットとしては、下記のようなものがあります。

 

・専門性が薄い

異動を前提としているため、どうしても1つの部署の年数が少なくなり、専門性が薄いというデメリットは出てきます。異動歴にもよりますが、短い年数で異動が重なっている状態で転職を考えると、もう少し年数経験を積んでからチャレンジするのが望ましいという場合もあるでしょう。

・管理職にならない場合のキャリアが厳しい

ジェネラリストで管理職にならない場合、スペシャリストのように給料が上がるような評価制度が設けられていないケースもあります。管理職にならない場合は複数部署をまた異動し続けるキャリアになる可能性もあります。管理職を目指さないのであれば、どういったキャリアを歩みたいかを途中で考えておく必要があるでしょう。

 

 

■スペシャリストキャリアのメリット・デメリット

次に、スペシャリストの場合のメリット・デメリットをご紹介します。

 

◯メリット

・特定分野での専門知識が深い

スペシャリストはジェネラリストとは異なり、特定分野内での異動を前提としているため、短期間で専門知識が深くなるというのがメリットです。スペシャリストの先輩しかいないため、その方たちが積んできた経験を教えてもらえるというのもメリットといえるでしょう。

・特定分野で管理職になりやすい

特定の分野に限定しているため、その中で経験を積み実績を出せば管理職になることが可能です。範囲が狭いため、積み上げたキャリアが活かしやすいというメリットもあります。

・同業種の転職に活かせる

特定分野に限定しているため、同業種・同分野で転職をする場合、「年齢の割に経験がある」と重宝してもらえる可能性も高いです。

・スペシャリストを求める企業が多い

ノンコア業務はアウトソースし、コア業務に集中する傾向が高くなっている昨今のビジネスシーンでは、ジェネラリストよりもスペシャリストの採用に力を入れようとしている企業も多いです。かなりニッチに思える経験であっても、市場の拡大が予想できる分野であれば、引く手あまたの状態で転職市場に飛び出ることも可能です。

特に大手企業でも「◯◯分野で◯年以上の経験がある方」など特定分野の募集を行っていることも多いため、市場動向を確認した上でキャリアを決定するのもいい方法でしょう。

 

 

◯デメリット

逆にデメリットとしては下記のようなものがあります。

 

・専門分野以外ではほぼ経験がゼロ

特定の分野に絞ってのキャリアのため、それ以外の分野ではほぼ経験がゼロというデメリットがあります。仮に別分野の転職を行いたい場合は、業種・職種共に未経験の状態と同様の転職の難しさがある可能性も高いです。

専門分野を学ぶ中で派生して学べる業務がないかなどを模索しておくと、いざというときに困らず転職を検討できるため、意識しておきましょう。

・特定分野の管理職ポストが少ない

管理職自体のポストはどうしても少なくなってしまうため、高い専門知識を持つ者同士の戦いに敗れてしまうと、転職先で新たに管理職候補となれるような道を探すことも、検討する必要があるかもしれません。

・特定分野の市場が落ち込んだ場合キャリアのつぶしがきかない

また、特定分野に絞っているため、その市場が落ち込んだ場合などはキャリアのつぶしがきかなくなる可能性があります(職種自体がAI活用でなくなる、あるいは製品のマーケットが統合によりなくなるなど)。

そうなった場合は心機一転、その経験に近しい分野を探してチャレンジするか、ゼロベースから勉強していくかを選択することになるでしょう。いずれにしても厳しい道となるため、最初からそうならないための対策が必要です。

 

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■自分がどのような仕事の仕方をしたいのかによって決定すべき

ジェネラリストとスペシャリストのキャリアにおける、それぞれのメリット・デメリットをご紹介しました。自分の目指したいキャリアを想像し、当てはまるものが見つけられたでしょうか?それぞれのメリット・デメリットを理解した上でキャリアを選び、今からご紹介する注意点を頭に置いてキャリア構築を行うと、デメリット部分を薄くすることができるでしょう。

 

◯ジェネラリストキャリアを選ぶ際の注意点

ジェネラリストを選ぶ場合の注意点としては、高い汎用性を意識して他の仕事に転用できるポータブルスキルを鍛えておくこと。この能力は他にどこで使えるか?を意識しているだけで、転職のときに伝えられる魅力が倍増するはず。ぜひ試してみてください。

そして、汎用性が高い中でも得意分野を見つけておくことが重要です。何でもできるではなく、「何でもできるけれど特にこれが得意」と言えると、相手もあなたの活かしどころを理解しやすくなります。

 

◯スペシャリストキャリアを選ぶ際の注意点

スペシャリストを選ぶ場合の注意点としては、市場の成長性などもよく考慮した上で判断すべきです。自分が専門特化している分野の市場がなくなる可能性や、職種がAIに代替されてしまわないかはよく考えておかないと、後々のキャリアに苦労する可能性が高いです。

また、キャリアを積み上げている最中に市場の動向は変化していきますので、常にどうなるかを注視しながらキャリア構築を行いましょう。それとともに周辺キャリアも視野に入れておくと雲行きが怪しくなったときにも身の振り方を考えられるため、目の前の仕事だけでなく、世の中の動向にも目を配っておくことをおすすめします。

 

 

■まとめ

究極の二択である「キャリアの幅を広げるか?それとも専門性を極めるか?」をどう選ぶかという基準をご紹介しました。今までにどのようなキャリアを歩んでいるかにもよりますが、転職をするときにどちらにするかの方向性を決めておくことは、今後のキャリアを花開かせられるかどうかを大きく左右するはずです。

自分の転職後の未来を明るいものにするために、ぜひ転職前の今キャリアの方向性を定めてみてはいかがでしょうか。