コンサルティング営業は、自社の商品・サービスの売り込みをするだけではなく、顧客の抱える課題を解決に導く営業です。自社の商品・サービスに対して付加価値をあたえるコンサルティング営業は、新しい営業手法として注目を集めています。
そこで今回は、営業職に興味をお持ちの方のために、コンサルティング営業を分かりやすく解説します!
■コンサルティング営業とは?
コンサルティング営業は、従来の御用聞き型や商品提案型の営業、ソリューション営業と並ぶ営業スタイルのひとつです。IT業界や銀行や保険といった金融業界などでもニーズが高まっています。
▶︎ソリューション営業との違い
ソリューション営業のゴールは、自社の商品やサービスを売り込むことです。コンサルティング営業は、自社だけではなく他社の商品やサービスも含めて検討を行い、顧客にとって最適な提案をします。ゴールは、「顧客の課題を解決すること」であり、その方法のひとつに自社の商品やサービスの販売があるのです。顧客にとって最高の結果に繋がる価値を提供することで、顧客との信頼関係を構築します。
▶︎コンサルタントとの違い
コンサルタントは、顧客の抱える潜在的な課題を発見し、発展するために課題の指摘を行います。更に、開園を行いやすいように問題点や改善点を言語化し、顧客に対して提示します。コンサルティング営業は、先ほど触れたように発見した潜在的課題に対して、自社・他社の製品やサービスを含めた改善策を提案することです。課題を見つけるだけではなく、顧客の課題改善に寄り添うのがコンサルティング営業なのです。
■コンサルティング営業に必要な知識
コンサルティング営業には、「顧客に関する知識」と「業界に対する知識」が必要です。
▶︎顧客に関する知識
コンサルティング営業では、顧客に関する知識や理解が必要不可欠です。
積極的に情報収集をし、ヒアリングを行うだけではなく、多彩な情報や資料に触れる必要があります。更に、得た知識を客観的に分析し、競合に対する優位性や劣っている点なども正確に認識をしておくのも大切です。
▶︎業界に対する知識
顧客の業界に対する知識がないと、適切な提案を行うことができません。顧客から得られる情報だけではなく、自分から積極的に情報収集を行いましょう。また、自社の競合に対する知識も競合他社に勝つために必要な知識といえます。そのため、顧客の業界だけではなく自社の業界など、多彩な業界に対する知識が必要です。
■コンサルティング営業を成功させるためのポイント
コンサルティング営業に必要なスキルは、他の営業職とほとんど変わりません。
▶︎ヒアリング
顧客の抱える潜在的な課題を解決するためには、ヒアリングが必要不可欠です。少しでも多くの情報を多角的に検討することで、より適切な提案を行うことができます。角度を変えて色んな質問をし、ヒアリングを行いましょう。また、ヒアリングを行う際には、顧客の表情や仕草にヒントが隠れていることも。言葉だけに注目をするのではなく、しっかりと観察をしましょう。
▶︎提案
コンサルティング営業をスムーズに進めるためには、提案力も必要です。顧客の抱える潜在課題が分かったとしても、適切な提案を行えなければ意味がありませんよね。特に、対法人営業では決済担当者に対してプレゼンを行うことも珍しくありません。場合によっては、提案を顧客と協議する中でより良いアイディアがうまれることも。提案に固執しすぎず、柔軟な姿勢を持つことも大切です。
▼信頼関係の構築
営業職の基本は、顧客との信頼関係の構築です。コンサルティング営業では、他の営業手法よりも顧客と接する機会が多いケースもあり、信頼関係を深めやすいです。しかし、営業成績を意識するあまりコミュニケーションが一方的になると、信頼関係を築くことはできません。双方向のコミュニケーションを心掛け、自分の意見を押し付けないように注意しましょう。また、顧客が満足することで、信頼関係を深めることができます。価値提供を意識し、自社だけではなく顧客にとっても利益のある付き合いができるよう意識することが大切です。
■コンサルティング営業のメリット・デメリット
コンサルティング営業には、メリットだけではなくデメリットもあります。
▶︎メリット
コンサルティング営業を行うことで、自社の製品やサービスに対して付加価値をつけられます。競合他社との差別化ができないと、価格競争に陥ってしまうケースは珍しくありません。コンサルティング営業を行うことで、製品やサービスの価値をあげ、価格競争を防ぐことができるのです。また、単にモノを売る営業よりも、顧客との接触頻度が高く、距離が近くなるのもメリットといえます。こうして信頼関係を構築した顧客が、課題を解決した際には嬉しさもひとしお。達成感がありやりがいを感じることができるのも、メリットのひとつといえるでしょう。
▶︎デメリット
コンサルティング営業では、顧客の抱える潜在課題を理解するために、他の営業手法よりも工数や時間が掛かります。顧客との接触頻度が高くなり、分析を行うために沢山の資料にあたらなければなりません。また、折角提案を行っても自社の製品やサービスの売り上げに繋がらなかったり、顧客の課題解決に繋がらなかったりすることも。コンサルティング要素があるため仕方ない事ではありますが、努力が必ずしも営業成績に結びつかないことがあるのはデメリットでしょう。
■おわりに
ご紹介したようにコンサルティング営業は、ひとつの企業とじっくり向き合う営業手法です。努力の結果がスグに営業成績にあらわれづらい面はありますが、その分やりがいを感じることができます。営業職への転職で悩んでいる方は、コンサルティング営業に注目してみませんか。分からないことがある方は、気軽にキャリアコンサルタントに相談してくださいね。