就職や転職の面接では対面が一般的でしたが、だんだんとWeb面接を採用する企業が増えてきました。「面接は不安だからカンペを使いたい」「Web面接ならカンペを使って大丈夫じゃないかな」と思っている人もいるのではないでしょうか。
カンペは対面の面接では使えませんが、Web面接なら問題なさそうだと考えるのももっともなことです。しかし、カンペを使うと面接官に与える印象に大きな差が生じます。
この記事ではWeb面接でカンペを使う問題点について解説します。どうしてもカンペを使いたいときの打開策についても紹介するので参考にしてください。

■Web面接でカンペを使おうと考える理由

面接ではカンペを使えれば楽なのにと思う方は多いでしょう。対面の面接では無理なのに、Web面接なら大丈夫かもしれないと思うのはなぜなのでしょうか。まずはWeb面接でカンペを使おうという発想が生まれてくる理由を説明します。

〇スムーズな受け答えができるから

カンペを使いたいと考えるのは、面接官から質問をされたときにスムーズに受け答えができるからです。志望動機や転職理由、自分の長所や短所などのように典型的な質問に対して的確な回答を用意しておけば安心して答えられます。
質問の回答の原稿を書いて丸暗記してから面接に臨む方も大勢います。カンペがあれば覚える必要がなく、台本を読むようにして答えることが可能です。面接本番でド忘れしてしまって恥をかくこともないので安心感があります。

〇Web面接ならカンペが面接官に見えないから

対面の面接ではカンペを用意しても見ることはできません。しかし、Web面接ではカメラを通じた映像しか面接官には見えないので、死角にカンペを置いておいても気付かれることはないと考えられます。机の上やパソコンの画面上にカンペがあったとしてもカメラに映らないので面接官にはわかりません。バレないだろうからカンペを使おうと考えるのももっともなことでしょう。

■Web面接でカンペがダメな理由

バレないのならWeb面接でカンペを使っても良いではないかと思うかもしれません。しかし、結論としてはWeb面接でカンペを使うと失敗するリスクが高いのでやめた方が良いでしょう。カンペを使っても面接官には見えないようにできるのに、カンペがダメなのはなぜなのでしょうか。

〇目線に違和感が生まれるから

カンペ自体が面接官に見えなかったとしても、カンペを見ていることはバレてしまいます。Web面接では自分の顔をカメラで映しているので、目線が読まれてしまうからです。面接を受けるときにはまっすぐ相手を見るのが基本なので、カメラ目線で話をします。Web面接に慣れていない人も画面上の面接官の顔をじっと見て話をするでしょう。
しかし、カンペを読んで回答すると目線が机の上などに移ります。ちょっと見るだけでも違和感が生まれるので、カンペを使っていると面接官に気付かれてしまうのです。

〇台本を読んでいるようで熱意が伝わりにくいから

目線の違和感がないように巧妙にカンペを見てWeb面接を受けたとしても熱意が伝わりにくいのが問題になりがちです。台本を読んでいるように棒読みになり、抑揚がなくて気持ちがこもっていない答えになる傾向があります。回答の内容だけを見ると良さそうだったとしても、熱意がないので人材としての魅力は感じられないという印象になってしまうでしょう。
原稿を丸暗記して面接を受けたときにも同じ問題が起こります。原稿や台本に頼らずに、その場で考えたことを生の声で伝えるのが面接だと考えた方が良いでしょう。

〇カンペの有無で回答の様子が変わるから

カンペを使っても熱意が伝わるようにうまく話せる人もいます。ただ、回答を用意していない質問をされるときもあるでしょう。あらゆる質問への回答を用意することは事実上不可能だからです。面接官も想定されていないような質問をして志望者の様子を見ることがよくあります。
Web面接でカンペを使うと、想定されていた質問にはスムーズに答えられます。しかし、カンペにない質問をされると言葉に詰まってしまうでしょう。きちんと答えられているつもりでも、内容の濃さに大きな違いがあることも珍しくありません。そのギャップからカンペを使っていると面接官に気付かれてしまい、印象が悪くなるリスクがあります。

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■Web面接でカンペを使いたいときのポイント

Web面接でも対面の面接と同様にカンペを使わないのを基本とするのが適切です。万が一、面接官に疑われてしまったら採用してもらえる可能性が低下してしまいます。面接官はプロなのでカンペを使っていると見抜かれてしまうリスクが高いでしょう。それでもなおカンペを使いたいのなら以下の2つのポイントを押さえておきましょう。

〇キーワードだけを抽出する

原稿を作ってそのまま書くのではなく、伝えたいキーワードをカンペにメモするようにしましょう。文章で書いてしまうと棒読みになりがちですが、キーワードだけなら自然な言葉で答えることができます。キーワードの数も絞り込んでおくと、何度もカンペを見なくて済むので疑われるリスクも下がります。

〇カメラの近くにカンペを用意する

少しでも疑われないようにするためにはカメラのレンズの近くにカンペを用意するのが大切です。机の上にカンペを置いておくと目線の動きが大きいので明らかにカンペを使っていると思われてしまいます。カメラのレンズの近くに大きな文字で書いたカンペを用意するようにしましょう。

■まとめ

Web面接ではカンペを使っても面接官に見えないから大丈夫ではないかと想いがちです。しかし、企業の面接官はプロなので目線の動きだけでカンペを使っているかどうかを見抜きます。カンペを使うと熱意も伝わりにくく、印象が悪くなってしまうことは否めません。
面接はどんな人なのかを知ることが目的でおこなわれています。いかにして好印象を与えるかが採用の可否につながる重要なポイントです。Web面接でも対面の面接でも同じなので、カンペを使うことで悪印象を与えてしまわないようにするのが賢明な判断です。
この企業に貢献したいという気持ちを伝え、熱意を感じ取ってもらうのが面接の基本です。カンペに頼らずに自然な言葉で面接に臨むようにしましょう。十分に練習を積んでスムーズに対応できるようになるのが大切です。