「広告代理店営業は華やかで高給だから転職したい」と思っている若手ビジネスマンは多いと思います。実際広告業界の平均年収は他業界と比べて高い傾向にあり、場合によっては大手マスメディアや芸能人と仕事をする機会もあるでしょう。しかし、だからこそ競争率が高く転職が難しい業種といえます。
そんな広告代理店営業への転職を成功させるには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。転職が難しい業界ではありますが、ポイントを押さえられれば未経験からの転職も決して不可能ではありません。そこでこの記事では、広告代理店営業への転職が難しいと言われる理由について解説したうえで、転職を成功させるために必要な準備を3つ紹介します。

■広告代理店営業の仕事内容

広告代理店営業の仕事は、モノやサービスを売るだけの営業とは異なる点が多々あります。広告主であるクライアント企業とメディア、双方の窓口となり、消費者に広告を届けるための橋渡し的存在となるのが広告代理店営業の仕事です。

ここでは、広告代理店営業の仕事内容について代表的なものを2つ紹介します。

▷クライアントへの提案

1つ目は、クライアントへの提案です。広告代理店は基本的に自社広告を持たないため、広告主であるクライアントから広告を出稿してもらう必要があります。そこで広告代理店営業に求められるのが、クライアントの課題に対してどんな広告枠でどんな広告を掲載すれば良いか、適切な提案をすることです。

もちろん、クライアントの業界やターゲット層によって適切な広告枠というのはまったく異なります。例えば食品業界はテレビCMを使った広告が多いですし、不動産業界は折り込みチラシやパンフレットに案内を掲載することが一般的です。

って、広告代理店営業は自社が持つ広告枠について熟知していなければ、クライアントにとって適切な提案はできません。また、クライアントの業界やトレンドについても把握し、クライアントのライバル企業の動向についても常にキャッチしていくことが求められます。

昨今はITの発達もあり、広告の効果測定が容易にできるようになりました。そのため、どんな広告がどんな広告枠で、どれだけの消費者に届いているのかを把握し、クライアントの課題解決に役立てられないと営業としての活躍は難しいでしょう。反面、クライアントにとって適切な広告企画を提案し、より多くの消費者に広告を届けることこそが、広告代理店営業のやりがいといえます。

▷関係各所との調整業務

2つ目は、関係各所との調整業務です。広告代理店の営業は、クライアントや掲載先メディアのほかにも、制作会社とのやりとりやそのための資料作成など、プロジェクトリーダーとしてやるべき業務は多岐に渡ります。

クライアントから預かった予算内で速やかに企画を進行し、制作部門とも密に連絡を取り合う必要があるため、複数の業務を同時進行することが求められます。特に、広告出稿の締め切りや各媒体の知識などは細かいルールが多いため、緻密な管理ができなければ営業として活躍することは難しいでしょう。

また、広告代理店営業は一人で複数のクライアントを担当することがほとんどです。よって、クライアントごとにプロジェクトの進行度合いを常に把握し、納期に遅れることがないようしっかりとスケジュールを組むのも営業の大事なミッションといえます。

■広告代理店営業に転職するのが難しい理由

では次に、広告代理店営業に転職するのがなぜ難しいと言われるのか、その理由を2つ紹介します。

▷人気業界のため競争率が高い

記事冒頭でも述べたとおり、広告代理店は華やかなイメージで給与水準も高いため、常に人気のある業界です。そのため、同じように広告代理店営業に転職したいと考える若手ビジネスマンが多く、競争率が高いのが転職難易度を上げる要因となっています。

また、広告代理店は他業界に比べて人材の移動が非常に流動的で、転職市場が活発な業界でもあります。つまり各転職者のレベルが高く、スキルや経験を持っている優秀な人材が市場にたくさんいるのも、転職が難しい理由といえるでしょう。

▷求められる仕事のレベルが高い

広告代理店営業に求められる仕事は総じてレベルが高いことも、転職を難しくする要因といえるでしょう。先ほど広告代理店営業の仕事内容という部分でも触れましたが、広告代理店営業はクライアントの課題を解決するために存在します。クライアントに適切な広告企画を提案するためには豊富な知識が必要なうえ、世間や消費者の動向を的確にキャッチするためのマーケティングスキルも必要になってくるのです。

また、制作会社や掲載先メディアとのやりとりも同時進行で行う必要があるため、マルチタスクの能力も求められます。連絡の抜け漏れひとつでスケジュールに遅れが生じると、場合によっては大損害となることもあるため、高い業務処理能力が必要となるのです。

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■広告代理店営業への転職を成功させるために必要な3つの準備

最後に、広告代理店営業への転職を成功させるために必要な準備を3つ紹介します。先ほど解説した仕事内容なども踏まえて必要な要素をピックアップしているので、広告代理店営業への転職を狙っている人はぜひ参考にしてください。

▷世間の流行に常にアンテナを張っておく

広告代理店営業にとって最も大事な要素が、世間の流行や動きに常にアンテナを張っておくことです。広告戦略というものは、時代や消費者の動向によって目まぐるしく変化してきています。より多くの消費者に広告を届けるには、テレビやインターネット、SNSで何が人々の心を掴んでいるのか日々チェックしておくことが重要です。

特に、近年ではインターネット広告が急成長しており、アフィリエイトやサイト広告などの傾向を掴んでおくことはマストといえます。現代の広告代理店でWeb広告に関わったことのない営業は皆無と言ってもよいでしょう。これらの広告について、媒体ごとに消費者ニーズやクライアントの意図を自分なりに分析してみることは、広告代理店営業への志望理由を問われたときの回答にもつながります。

▷マーケティングの知識を学んでおく

「マーケティング」という言葉について、なんとなく理解している人も多いと思います。しかし広告代理店営業に転職するには、このマーケティングについて漠然としたイメージだけでなくしっかり理解しておく必要があります。

なぜなら、どれだけ優れた商品があっても、広告が不適切なばかりに消費者に情報として届いていなければ意味がないからです。ではどのようにして消費者の動向を探るのか、というのがマーケティングの要素になります。

また、先ほどインターネット広告が急成長していると述べましたが、それに伴う「デジタルマーケティング」の知識も欠かせません。従来の広告代理店はテレビCMが大きな比重を占めていましたが、現代の特に若い消費者層はネットから情報を得るシーンが圧倒的に多いため、デジタルコンテンツにおけるマーケティングスキルはかなり重要です。これから広告代理店営業に転職する人は必ずこのマーケティングについて素養を問われると考え、知識を学んでおく必要があります。

▷論理的な思考力を身につける

世間や消費者の動向を探る力も重要ですが、同時になぜその広告が受けているのか、データでしっかりと分析する論理的思考力も必要になってきます。

従来はテレビCMの視聴率などが効果測定の目安でしたが、現代の広告業界では広告の効果をより詳細に測定することが可能になっています。クライアントとの課題解決にあたって、どんな広告がどれだけ見られているのか、データを算出できなければ最良の提案はできません。転職時にもグループディスカッションや面接などで論理的な思考力を見るための質問がされるでしょう。

対策としては、統計学の知識を学んでおくのも一つの手です。例えばある広告の効果が落ちたとき、その原因を突き止められなければ追加の施策を打つかどうか、といった判断が難しくなります。こういった運用データに対して適切な答えを導くために統計学は役立つため、知識があれば転職市場でも需要のある人材となれるでしょう。

■まとめ

記事中で述べたとおり、広告代理店営業は転職難易度が高いですが、求められる資質やスキルを把握し、しっかり準備すれば未経験でも転職は可能です。非常にやりがいのある業界のため、自身に適した広告代理店に転職できれば着実にキャリアアップしていけるでしょう。
また、ハードワークのイメージが強い業界ではありますが、近年ではワークライフバランスを重視する企業も増えてきています。自分に合った求人を探すためにも、転職支援サービスで相談してみるのがおすすめです。